近藤雄生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
吃音が登場する作品を見たり、当事者に出会ったりしてもっと知りたい!と思った方にはぜひとも薦めたいです。
当事者の気持ちを知りたい方には専門書よりこちらの方が良いと思うからです。
自分は当事者ですが、吃音って何?と聞かれて詳しく答えることはできません。
それは本書にある通り吃音が極めて曖昧なものであるから、なのです。著者の近藤さんは相当な配慮をして文を書いていると思います。症状の軽さから悩みを軽んじられてきたのでそうではないんだよということがきちんと書いてあるのはありがたい限りです。
運が良かったことと続く秒数の少ない吃音であることからあまりこの本に出てくる彼らのような体験はありません。親の教育 -
Posted by ブクログ
中高生向けの本らしく、読みやすい。内容もスッと入ってくる。すごく旅に出たくなる。
今の自分が、世界レベルで見るとすごく幸せなほうだって頭では理解してるけど、今の当たり前が当たり前すぎて、あまり実感がない。
けどこの本を読んで、それを再認識した。
離れた場所に家族がいて、帰る場所があって、食料が手に入って。
それがいかに幸福なことか。
これまで出会った人々、今も連絡を取ってる人、連絡を取らなくなった人、行方が不明な人、そしてこれから出会う人々。
そういったことを感じさせてくれる。
何気なく借りた本だけど、読むことができてよかった。
そして高度な生活レベルにどっぷり浸かってる自分は今、 -
Posted by ブクログ
著者は、科学に関することを多く執筆される'理系ライター'。5年以上に渡って世界を旅しながらライターとして活動した著者が、そこで培われた価値観を織り交ぜながら自らの考え・思いを綴った一冊。テーマは大きく分けて「科学の不思議」「社会の疑問」「心のモヤモヤ」の3つ。一問一答形式で、小学高学年でも読めるように所々ふりがなが振られている。大人が読んでも、そうゆうことだったのか!と学ぶことがあり、特に不登校・友達とうまくいかない・いじめのこと等、我が子が同じ状況に直面した時の声がけの参考になる箇所も数多くあった。もし、この本を手にとった子どもがそれらの当事者であったら、心が軽くなったり
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Posted by ブクログ
自身も吃音で悩んでいたことのある著者が、吃音に悩む人たちの現状、そしてこれからの展望などを関係者の心に寄り添いながらも忖度なく、真摯に取材を続けたノンフィクション。
身近に吃音の人はいないけれど、仮にいたとして、子どもの頃に出会ったとしても、多分私はからかったりすることはない。
けれど、彼らがどれほど苦しんでいるのかを理解もしなかったのではないかと思う。
だって、言葉が出にくいだけでしょう?
そんなの、もっと大変な障害を抱えた人がいるんだから、大したことないよ。
なんて言うことはないけれど、心の中で思うことはあるだろう。
その程度でしか知らなかったのだから。
一見大したことなさそうだけれ -
Posted by ブクログ
ネタバレ2021年5月の文庫新刊で店頭に並んでいて、何となく気になり購入しました。解説は重松清さんがされています。
私は吃音について全く無知だったといえます。
例えば吃音の種類:撥音(音をくりかえす)伸音(音をのばす)軟音(音が出ない、出にくい)という調べればすぐに出てくる事すらも知らないでいました。
この作品はノンフィクションで、吃音を持つ人、その家族、治療にあたる人それぞれの目線で実体験とその時々の感情が繊細に綴られています。一つ一つのエピソードはとても重いです。
吃音に馴染みがない私にとってはノンフィクションであることが半ば信じられず、読み終えるのに時間がかかってしまいました。そして、一