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「できなかった自分にしか拾えない気持ちがある」
「できなかった自分だけが見つけられる才能がある」
夢に破れた重い経験を持つ者が放つ言葉に心打たれました。
子供の頃の夢はサッカー選手でした。文集でもそう書いていましたが、実際はそんなのなれるわけなんてないと小学生ながら分かっていましたし、自分の力量と才能の限界、現実の差にも気づいていました。
譲れないものを持たず、壁を見つけては避ける手段を考え、物事に抗うことをせずに生きてきました。自然と我慢する癖がついていた気がします。
この作品は、そんな自分とは正反対に誰よりも強い執念を持った少女・いのりが、夢に破れた青年・司とフィギュアスケートで世界を目指す物語です。秘めた才能と固い意志を武器にみるみる上達するいのりの成長っぷりには、この後の展開に胸躍る気持ちと、自分を正されるような感覚になり、悔しさが込み上げてきます。自分にもここまでの執念があったらと…。同時に司の心情に共感する部分も多くあります。
後悔と挫折を経験した自分だからこそ、コーチとして導ける世界がある。
2人の主人公が駆ける世界への道に目が離せません。
光に挑むために構成を変更する大胆な選択をしたいのり。
あんなに自信のなさそうだったいのりが試合の度に成長した姿を見せてくれて感動します。
ジュニアでの活躍も楽しみです。
まるで最終巻かのような熱い展開。
でもまだ小学生時代が終わっただけだった。
そう思ったけど、本編にもあったけど女子フィギュアの世界って体が大きくなると色々と変わる事が多い。
いのりちゃんの最大の武器であるジャンプはどうなっていくのか。
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