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一見バラバラに見えるデータでもグラフにすれば特徴が浮かび上がる。身長やテストの点数は真ん中が一番多い釣鐘型のカーブ(正規分布)に、地震の頻度やウェブの被リンク数は右肩下がりの曲線(べき乗分布)になる。そして体重や町村の人口は、釣鐘型だが左側が縮み右側が伸びたカーブになる(対数正規分布)。なぜ世界のほとんどの物事はこの3種類になるのか。仕組みを説明し、データに潜む真理から何が読み取れるかを明かす。
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Posted by ブクログ
統計分布(正規分布・べき乗分布・対数正規分布)をもとにさまざまな事象について解説している。特に対数正規分布について詳細に書かれており、複雑系とのつながり、格差社会について言及されていた。 私自身データ分析の業務に携わっており、対数正規分布に従うデータを扱ったことがきっかけで積読されていた本書を手に...続きを読む取った。 複雑系とは多種多様な物やひとが多数集まって複雑に絡み合い関係を持って一つにまとまっている系のことである。そして、複雑系は対数正規分布に従う。 本書では主にGDPや人口、所得について扱っていたが、これらはまに過去にさまざまな要因が絡み合って決定したものである(歴史性)。とりわけ社会科学で扱うデータはほとんどが複雑系であり、対数正規分布に当てはまると言っても過言ではない。 本書を読み、対数正規分布についてより深く学ぶことができ、格差について考えるきっかけとなった。 私の話となるが、現在は主に金融関係のデータを扱っている。債務者の評価に使うデータは、まさに対数正規分布に従っていた。本書を読んで歴史性を理解していれば当然に解釈できる。対数正規分布をもとにモデルを作り、時系列・属性ごとに分析するきっかけとなり大変為になった。今後は対数正規分布について数理的にも勉強していきたい。 本書の最後に格差社会問題解決へのヒントとして「社会的共通資本」について言及されていたことが印象に残っている。これは経済学者の宇沢弘文氏が提唱した理論であり、私自身も最近関心を持っている理論である。社会的共通資本については ・宇沢弘文『社会的共通資本』岩波新書2000年 はもちろん、宇沢氏の弟子である小島寛之氏の書籍が読みやすく、理解も深まるので推奨したい。
身近に潜む統計分布について一般向けに丁寧に解説した本。とても面白かった。自分ももっと統計分布について勉強してみようという気持ちになった。
身長は正規分布。その背景には中心極限定理があるわけだが、その説明がなかなか目から鱗で斬新かつ面白かった。 そしてその説明が、収入が対数正規分布する理由にも繋がっていく。 テール部分が対数正規分布から外れてべき乗分布しているものを外れ値と捉え、金持ちがより金持ちになる社会構造への提言に繋げた意欲作でも...続きを読むある。経済に関するコメントはやや薄口かつ本質を突いていないように思える。あくまで、統計学の読み物として捉えたい。
自分は統計、という言葉の理解から怪しいが、その中でもよくわかっていない分布について、実例とともに概要が書かれていて読みやすい。 正規分布は聞いたことがあったが、対数正規分布、というものを世の中の複雑系を読み解く際にはデフォルトとして知っておいた方が良い、とのこと。 対数と言われると文系の自分は身構え...続きを読むてしまうし、実際ちょっと理解できない部分もちらほら。特にベストフィットについては、もう少し他のもので勉強が必要かな。
恥ずかしながら、正規分布くらいしか知らなかった。 テストの点数と身長のデータがよく扱われる。 あとはサイコロを振った時の確率? でも、それ以外の事例ってあまり聞いたことがない。 そもそも、テストの点数の分布さえ、実際には正規分布でないことも多い。 じゃあ、統計値の分布をみることの意味って何?となる。...続きを読む 本書は、私のような統計ビギナーに、新しい世界をのぞき見せてくれる本だと言える。 いろいろな物事がでたらめに積み重なる、これを加算的過程というそうだが、この加算過程によって量の多寡が出る場合、その分布は正規分布となる。 どうしてそうなるかは、中心極限定理とやらで、数学的な証明がなされているそうだ。 ところが、世の中の多くの物事は、複数の要素が関わりあってまとまる複雑系の中にある。 複雑系のなかでも、巨大地震のようなまれな出来事についてはべき乗分布という、右肩下がりの分布になるという。 では、世の中の複雑な事象はべき乗分布になるかというと、そうでもないらしい。 所得の分布が代表的なように、分布グラフの右にプロットされる特異な大金持ちはべき乗分布に近い。 しかし、大多数の人はむしろ正規分布のほうに当てはまる。 こういう両者の間をとるような分布が対数正規分布だという。 複雑系の、よくある事象はこれに近いことが多いらしい。 こういう統計分布の解説からはじまり、本の終わりのほうでは、介護期間やGDP、都市の人口分布の格差の分析に入っていく。 格差論にこういう統計分布に対する知識が備われば、もう少し有効な議論ができるのかなあ?と思う。 とは言え、どう再配分するかの仕組みづくりは大変だろうなあ、とも思う。
おもしろい。こういうものの見方があるのか、っていう軽い驚きがある。ツイッタのリツイート数やフォロワー数とかも、よく見るとなにか見えてくるのだろう。
正規分布、対数正規分布、べきじょう分布。 簡単すぎず難しすぎずで、読むことができました。 正規分布は試験の点数と関係あるし。地震の発生確率は小さなものから大きなものへ。これはべきじょう分布で説明できる。世界のGDPは対数正規分布で表せる。 数学や統計式を使う場面が少いけど、分かりやすかったと思います...続きを読む。
統計のネタ集めの1つだった。正規分布を事前の確率分布において考えることが多いが,社会現象は正規分布だけではなく,べき乗分布と対数正規分布のものも多い。特に対数正規分布に力が入っている。p.112に「複雑系の正規分布は対数正規分布である」とある。今,注目している現象も複雑系といえるので対数正規分布とい...続きを読むう眼鏡を通して何かが見えてくるかもしれないという期待あり。
様々な物事が統計分布にあてまはまることが分かって面白かった。べき乗分布がどういうものなのか、など用語を理解する目的で読むのもよい。 理論上の分布に当てはまらない時は他の要素が絡んでいるとのことで、世の中の問題を考えるきっかけになる、という面でもよかった。
世の中のこと、正規分布だけで説明しすぎじゃない?外れ値はずしただけじゃない?と思ってたので、べき乗分布、対数正規分布もあると知れてよかった。 ランキングプロットは使ってみたい。 最後の方の経済学の箇所、自由貿易についてはちょっと違うかな。
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