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本書は、微視的な世界と巨視的な世界をつなぐ統計力学とはどのように考える分野であるかを、はじめて学ぶ方になるべくわかりやすく解説することを目標にしたものである。
まず最初に、サイコロを例に確率・統計の考え方について解説した後に、そこから自然と統計力学の考え方へと入っていくようなストーリーになっている。これは、サイコロ投げの背後にある基本的な規則性を浮き彫りにすることで統計力学の最も重要な前提となる原理を紹介し、そこから統計力学の骨組みを解説することが、他の分野との違いをはっきりと浮き上がらせることになり、一見遠回りのようでも、初学者にとっては理解の早道ではないかと思われるからである。
「物理学講義」シリーズの掉尾を飾るに相応しい、松下先生渾身の一冊。
◆本書の特徴◆
・初学者が陥りやすい下記の(1)~(3)に丁寧に対応しました。
(1)与えられた状態(問題)に対して、何から手をつければよいのかがわからない。
→問題に対するアプローチの仕方(目の付け所)を解説しました。
(2)アプローチの仕方がわかっても、どのアンサンブル(統計集団)を用いればよいのかがわからない。
→どのアンサンブルを用いるのかを明示しました。
(3)用いるアンサンブルがわかっても、途中で何を求めているのかがわからなくなる。
→いまここでは何をしようとしていて、出てきた結果は何を意味しているのかを丁寧に解説しました。
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