文化人類学の思考法

文化人類学の思考法

ビジネス・実用
1,980円 (税込)

9pt

文化人類学は、あたりまえの外へと出ていくための思考のギア(装備)だ!「こんなに『使える』本は滅多にない。ビジネスマンからクリエイター、学生まで、下手な実用書を買うくらいなら、これを常備しておくことをおすすめする」WIRED日本版元編集長・若林恵(黒鳥社)

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文化人類学の思考法 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    本書を通じて一貫して示されたのは、我々が「当たり前」だと思い込んでいることの多くが、実は確固たるものではないということである。自然と文化、科学と呪術、商品と贈り物、国家と社会——これらは相互に対立するものとして捉えられてきたが、実際には境界があいまいで、つながり合い、相互に影響を与え合っている。

    著者たちが示すのは、世界が単純な二項対立で成り立っているのではなく、複数の「わからなさ」や「揺らぎ」を抱えながら構築されているということだ。しかも、その揺らぎの中にこそ、人と人、人と物、人と自然との関係の豊かさが存在している。

    特に興味深いのは、この思考法が単なる学問的議論に留まらず、現代社会の課題——グローバリゼーション、少数民族問題、市民参加、暴力と平和——へのアプローチを提供している点である。我々が対立していると信じている事象も、フィールドワークという民族誌的な営みの中から見直すことで、新たな関連付けや理解が生まれてくる。

    また、本書で繰り返し強調される「比較」という思考方法も有益だ。「芸術のようなモノ」という中間領域において、一見無関係に見えるものを繋ぎながら考えることで、固定的な概念による支配から自由になれる。この柔軟性こそが、混沌とした現代を生きるための知恵となるのではないだろうか。

    本書は「文化人類学の思考法」というタイトルだが、実は現代を生きるすべての人にとって必要な思考法の教科書である。自分たちの社会も、相手の文化も、あるいは自分自身さえも、複雑で揺らぎに満ちたものとして捉え直すことで、より柔軟で創造的な関わり方が可能になるだろう。

    0
    2026年03月31日

    Posted by ブクログ

    「かもしれない」の領域についての話が面白かった。調査者が完全にフィールドの人々に同化はできないが、自分の更新前の考えとその差異に戸惑いながら「かもしれない」を生きていくという話が印象に残った。また、フィールドの人たちにとっても呪術は「かもしれない」の領域だというのが面白かった。
    また、戦争と平和の章で関係が「深まりすぎてしまうから」戦わざるを得ないということがある、という話が面白かった。
    またいつか読み直したい。

    0
    2024年04月11日

    Posted by ブクログ

    文化人類学とはどういう学問か、初心者にもわかりやすい言葉で書いてくれていて読みやすかった。考えるということの概念?幅?が広がったので個人的には面白くまた読み返したいと思った。
    白黒つけず、どうすればいいか、読書が考える余白を持たせながら話が終わるので各章読み終わった後も余韻とともにいろいろ考えを巡らせたりもした。
    しっかりと学んでみたいと思ったしまた、他の本も読んでみたいと思った。

    0
    2024年02月19日

    Posted by ブクログ

    文化人類学がどういう学問かについて、扱う範囲を横断的に取り上げた入門書。学生向けのようですが、一般の読者にも大いに参考になると思います。
    30年近く前、大学生の頃に少し文化人類学を学んだのですが、当時とは比べものにならないほど文化人類学側の意識が変わっていて、決して解釈を押し付けない、人々にどこまでも寄り添おうとする態度が印象的でした。

    たとえば、呪術の章でシャーマニズムが取り上げられていましたが、大学時代にはこれが社会の安全弁として機能する側面もあると学びました。シャーマンとして託宣をする者が貧困層の出身で、託宣を聴きに来る者が富裕層である場合などは特に。
    しかしこの本では、そうした解釈を価値観の押し付けだと切り捨てていて、30年近くも知識をアップデートしないままだった自分を恥じると同時に、文化人類学は約30年間、批判的に顧みてアップデートすることを続けてきたんだなと思いました。
    煮詰まったとき、余裕がなくなったとき、選択肢は他にもあると思い起こすために、この本をずっとそばに置いておきたいです。

    0
    2019年08月23日

    Posted by ブクログ

    文化人類学というものに初めて触れました。エンジニアという職種で仕事していることもあって、普段から構造化やパターン化をして物事を単純にする思考が習慣になっています。そのような生活をしていると、ある種の人間社会にもその構造化やパターン化がうまく当てはまるような錯覚をしてしまっていると自覚しています。その人間社会に引いた、もしくはすでに引かれた境界線の脆さに対しての向き合い方や考え方に色々なきっかけをもらえた内容でした。

    また、多くの論文を引用する文章構成は普段そのような文章に多く触れる身としてはすごく読みやすかったです。

    文化人類学を学ぶことで、チームビルディングや会社の文化形成にも応用できると感じたので他の書籍も当たってみようと思います。

    0
    2019年05月01日

    Posted by ブクログ

    オムニバス形式で、各セクションで多様な視点を与えてくれる。テーマはそれぞれ異なるが、論点のフェーズが似ていたため内容が入ってきやすかった。この本を読むだけである程度まとまった知識を得られた感覚になる。難解すぎず簡潔にまとまっていたため、ボリュームは抑えめだが満足感があった。

    0
    2026年01月31日

    Posted by ブクログ

    様々な分野について、私たちが違和感を覚えるような事例を出すことによって、現代社会の歪みを呈示する
    モノを分類したがること、特定の原理に頼ることへの警告が強いように思えた
    「あたりまえ」を疑う文化人類学は、日に日に変化する現代にピッタリだろう

    柄谷さんの「資本=ネーション=国家」が現代社会を支配している、というのが、本書における現代社会の「あたりまえ」はこの世界観においてのみ…という考えと繋がる気がした
    この社会が強いのは、交換様式ABCという3つの原理で構成されてるからなのかな?

    0
    2025年01月03日

    Posted by ブクログ

    全てのテーマを理解できた訳ではない(特に前半のテーマが難しかった)が、貨幣の話は面白かった。貨幣そのものに信用を置く現代の紙幣と、人に信用を置く石貨、どちらが進んでいるということはないのだなと。
    仮想通貨が、ブロックチェーンという人の信用を担保にした仕組みを取り入れてることも興味深い。
    呪術や人工知能の話は、もう一度読み返してみる。

    0
    2021年11月03日

    Posted by ブクログ

    文化人類学ってどんな学問?っていう概要がわかりやすく書いてあります。テーマ毎に著者が変わるので、著者によってはちょっと読みにくいところもありました。でも文化人類学から得られる面白さや価値観は充分感じられる本だと思います。

    0
    2020年09月30日

    Posted by ブクログ

    フィールドワークや観察といったキーワードで本書にたどり着いた。序論にもあるように伝統的な文化人類学の書物とは違った切り口で、大変興味深い。巻末の参考文献やブックガイドも、ちゃんと読んでもらおうとする意志が感じられる。

    0
    2019年09月08日

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