あらすじ
文化人類学は、あたりまえの外へと出ていくための思考のギア(装備)だ!「こんなに『使える』本は滅多にない。ビジネスマンからクリエイター、学生まで、下手な実用書を買うくらいなら、これを常備しておくことをおすすめする」WIRED日本版元編集長・若林恵(黒鳥社)
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Posted by ブクログ
「かもしれない」の領域についての話が面白かった。調査者が完全にフィールドの人々に同化はできないが、自分の更新前の考えとその差異に戸惑いながら「かもしれない」を生きていくという話が印象に残った。また、フィールドの人たちにとっても呪術は「かもしれない」の領域だというのが面白かった。
また、戦争と平和の章で関係が「深まりすぎてしまうから」戦わざるを得ないということがある、という話が面白かった。
またいつか読み直したい。
Posted by ブクログ
文化人類学とはどういう学問か、初心者にもわかりやすい言葉で書いてくれていて読みやすかった。考えるということの概念?幅?が広がったので個人的には面白くまた読み返したいと思った。
白黒つけず、どうすればいいか、読書が考える余白を持たせながら話が終わるので各章読み終わった後も余韻とともにいろいろ考えを巡らせたりもした。
しっかりと学んでみたいと思ったしまた、他の本も読んでみたいと思った。
Posted by ブクログ
文化人類学がどういう学問かについて、扱う範囲を横断的に取り上げた入門書。学生向けのようですが、一般の読者にも大いに参考になると思います。
30年近く前、大学生の頃に少し文化人類学を学んだのですが、当時とは比べものにならないほど文化人類学側の意識が変わっていて、決して解釈を押し付けない、人々にどこまでも寄り添おうとする態度が印象的でした。
たとえば、呪術の章でシャーマニズムが取り上げられていましたが、大学時代にはこれが社会の安全弁として機能する側面もあると学びました。シャーマンとして託宣をする者が貧困層の出身で、託宣を聴きに来る者が富裕層である場合などは特に。
しかしこの本では、そうした解釈を価値観の押し付けだと切り捨てていて、30年近くも知識をアップデートしないままだった自分を恥じると同時に、文化人類学は約30年間、批判的に顧みてアップデートすることを続けてきたんだなと思いました。
煮詰まったとき、余裕がなくなったとき、選択肢は他にもあると思い起こすために、この本をずっとそばに置いておきたいです。
Posted by ブクログ
文化人類学というものに初めて触れました。エンジニアという職種で仕事していることもあって、普段から構造化やパターン化をして物事を単純にする思考が習慣になっています。そのような生活をしていると、ある種の人間社会にもその構造化やパターン化がうまく当てはまるような錯覚をしてしまっていると自覚しています。その人間社会に引いた、もしくはすでに引かれた境界線の脆さに対しての向き合い方や考え方に色々なきっかけをもらえた内容でした。
また、多くの論文を引用する文章構成は普段そのような文章に多く触れる身としてはすごく読みやすかったです。
文化人類学を学ぶことで、チームビルディングや会社の文化形成にも応用できると感じたので他の書籍も当たってみようと思います。
Posted by ブクログ
様々な分野について、私たちが違和感を覚えるような事例を出すことによって、現代社会の歪みを呈示する
モノを分類したがること、特定の原理に頼ることへの警告が強いように思えた
「あたりまえ」を疑う文化人類学は、日に日に変化する現代にピッタリだろう
柄谷さんの「資本=ネーション=国家」が現代社会を支配している、というのが、本書における現代社会の「あたりまえ」はこの世界観においてのみ…という考えと繋がる気がした
この社会が強いのは、交換様式ABCという3つの原理で構成されてるからなのかな?
Posted by ブクログ
全てのテーマを理解できた訳ではない(特に前半のテーマが難しかった)が、貨幣の話は面白かった。貨幣そのものに信用を置く現代の紙幣と、人に信用を置く石貨、どちらが進んでいるということはないのだなと。
仮想通貨が、ブロックチェーンという人の信用を担保にした仕組みを取り入れてることも興味深い。
呪術や人工知能の話は、もう一度読み返してみる。
Posted by ブクログ
文化人類学ってどんな学問?っていう概要がわかりやすく書いてあります。テーマ毎に著者が変わるので、著者によってはちょっと読みにくいところもありました。でも文化人類学から得られる面白さや価値観は充分感じられる本だと思います。
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フィールドワークや観察といったキーワードで本書にたどり着いた。序論にもあるように伝統的な文化人類学の書物とは違った切り口で、大変興味深い。巻末の参考文献やブックガイドも、ちゃんと読んでもらおうとする意志が感じられる。
Posted by ブクログ
文化人類学を学んでいたものとしては、懐かしいと思う論点が多かった。
また、導入部分を意図的に身近なものから始めることで、文化人類学に関わりのなかった人にとってもとっつきやすいのではないかと思います。
Posted by ブクログ
自分、不器用なんで
どれを読んでいいか絞れずに、
人類学とタイトルに入っている本をあれこれ
手にとってます。
この本は、広いテーマを立てて
人類学的な捉え方を紹介してくれます。
自分の関心に近いテーマもあれば、そうでないのも
ありますが、ガイドブックというか
パンフレット的な作りと評価すればよいのかもしれません。
著者も多数いるのですが、「学問」世界の方々なので、
引用文献の明示など書き方の匂いがアカデミック
というか、シロートの読者を引き込む力が弱いかな。
Posted by ブクログ
文化人類学の思考法とは、自文化と異文化を比較を通して「当たり前」を疑うこと。そのために、フィールドワークをして、実際に異文化に身を置き自分達の目で差異を確かめるということをしているのが文化人類学者たちです。
自分の当たり前を疑うという思考を身につけるために、言葉や道具・慣習などにおいて、他の人・外国・地方など自分とは違う使い方をされていないか、確認してみる癖をつけるといいかもしれないと思いました。
Posted by ブクログ
文化人類学という学問をラジオで知り、詳しく知りたいと思い、手に取った一冊。文化人類学の考え方やアプローチ方法などはとても興味深いが、自分の理解力が乏しいためか、本書の内容は多々難解に感じてしまった。ただ、自分たちが「当たり前」だと思っていた多くの事柄は、別の地方や地域、国、民族、時代が異なれば、全く「当たり前」ではなく、そう言ったことなる文化を経験するからこそ、その差異に気がつくことができる。こういう文化人類学の考え方の一部を学べたことだけでも収穫だと思う。
Posted by ブクログ
このような本が学問の扉を開くきっかけになるのだろうな。文化人類学の研究方法から日常的に使える思考法を抽出しているので、浅く広く学べる。ここから文化人類学って面白いな、知りたいなと思う人が多くいるといいな。
Posted by ブクログ
借りた本のラスト。
意外と自分の普段何気なく考えていることが言語化されていたり、文祥さんがやってるようなことを突き詰めて学問的に言語化するとこうなるのかな、などと思った。
Posted by ブクログ
松村圭一郎の贈り物と負債、を読んだ(第6章)
商品交換と贈与交換は分離された営みではない、というのが面白い。そのやりとりの中で、モノは意味や価値を変化させる。どこでも売られている商品でも、親族の遺品だと故人を偲ばせる大切な形見になるし、有名人の持ち物はありふれていても高額オークションの対象となる。モノは、いろんな履歴を辿る。このモノの意味や価値の変遷に注目したのがイゴールコピトフだ。彼はモノがかけがいない交換不可能なものといつでも交換できる商品という2つの極のあいだを動く、と指摘した。
私達社会の人間関係は、特定のモノのやりとりをするからこそ人間関係として維持される。
家族は何もしなくてもつながっているわけではなく、食卓を一緒に囲むといった行為を通して家族になる。別のモノのやり取り、たとえば食事の度にお金を払ったりすれば、その関係は別のものになる。世界の現実はこうして私達のモノを介したコミュニケーションが作り出している
Posted by ブクログ
「当たり前と思っていて、これしか考えられない」という事に対して、
まずはホント?と疑ってみる。チョットいつもと違う行動をして経験してみる、
そういう事が大事だと思います。
自分の例を挙げると、
サラリーマンとしてピラミッド構造の会社に勤め、
全員平等の小さな会社を運営しており、
常に2つを比較して差異を感じています。
そういう経験が有ったので、最後の章「新たな共同性へ」に述べられている
生業やケア、コミュニズムといった内容をより興味深く読む事が出来ました。