「紳士淑女の皆さん! 摩訶不思議な手品の世界をご覧に入れましょう!」少年は何ものにも従わず、軽やかに己の道を歩む――。マジシャンとして天性の才能を持ちながら、何ものにも縛られることなく自由に生きる少年・長見良(ながみ・りょう)。マジシャンだった祖父・龍五郎(たつごろう)に憧れて育ったサラリーマン・北條(ほうじょう)。龍五郎が生前にとった唯一の弟子だった良には、ある秘密があった。そして、良の才能に魅入られた北條は、ともに歩んでゆく。
ディスクレイシアで、手品の類稀な才能を持つ少年・長見良と、彼を見出したマジシャンの孫、北條が二人三脚でマジックを軸に成長する物語。少し前の作品だが、ディスクレイシアへの理解は深い。何かを持つ者/持たない者の対比が繰り返し提示され、主人公二人がそれに向き合うさまが丁寧に描かれている。良書。
マジックに対して非凡な才能をもつがディスレクシア(難読症)で様々な困難がある少年と、その少年の才能を生かしたいと思う少年のマジックの師匠の孫。文字の読み書きができないとこんなにたいへんなのかと興味深かった。
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