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京都学派の巨人=田邊元、ここに甦る! 「種の論理」「友愛の哲学」とはなにか? 対称性人類学が田邊哲学の現代性を明らかにする! 一九二〇年代以降、田邊元と西田幾多郎は日本的・独創的哲学=「京都学派」を創造する。田邊哲学=愛の哲学と西田哲学=欲望の哲学との対決から誕生した「種の論理」。その最重要の達成は、二十世紀後半から展開する現代思想、構造主義、ポスト構造主義、「野生の思考」、認知科学を先取りしていた。豊饒なる田邊哲学の全貌に迫る。
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Posted by ブクログ
中沢新一さんが何故か日本の哲学者田邊元について書いた本だが、これ自体がひとつの哲学書であり、中沢さんの本はいつも非常にわかりやすいのに、今回は抜群に読み応えがあり、難解な部分もあった。 田邊元の「種の論理」が、なぜ中沢さんの興味をひいたのだろう、とずっと不思議だったのだが、これを読んだら納得がいった...続きを読む。田邊元「種の論理」(岩波文庫)を読んだときにはイメージしていなかったような解釈が施され、「ああ、そういうことだったのか」という感じだ。 西田幾多郎に関しても章を割いて記述されているが、そのへんがさすがに難しい。田邊元は数学の話題が出てこない限り、さほど難解な印象はないが、西田は最初から最後まで難しい。 中沢さんはここで、西田哲学を浮き彫りにするためにラカンを引っ張り出してくるのだが、その辺はどうも腑に落ちない気がした。 ちょっとすっきりしない部分もあったが、この本は中沢さんの著書としてはずいぶん濃密に「哲学」であり、ラカンだのドゥルーズだのマラルメだの、多様な知識を一挙に放出するかのような、息をのむ鮮烈さを有していた。
<微分的人間>-とは? -2012.04.26記 パスカルは、 未熟な人間だけが旅を好むのであって、 成熟した人間は、部屋の中にじっとしていて、 そこに無上の幸福を感じることができるのだと考えていたから、めったに旅をしなかった。 微分は曲線上の接線の方向と大きさを切り出してくる。 しかしそれ...続きを読むは運動の根源ないし予料をしめすものではあっても、 まだ空間の中に実現される運動や移動そのものではない。 部屋の中でじっとしていることの好きな成熟した人間は、 この微分の状態を、無上の幸福感を持って生きることができるのだ。 それはこの微分には欠如というものがなく、方向と大きさを持った力がすきまなく充満して、 自分に欠けたものを自分の外に追い求めようという欲望さえ、少しも湧いてこないからなのだ。 このような微分的人間のことを、パスカルは神を知る人々と呼んだ。 パスカルにとって、神は微分に宿りたまうものであったのだ。
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