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その文明観・自然観が近年再び見直されている寺田寅彦。科学と文学を高い次元で融合させた寺田に間近に接してきた教え子・中谷宇吉郎による追想録。自身も随筆家として名を成した中谷の筆致は、大正から昭和初期の「学問の場」の闊達な空気と、濃密な師弟関係を細やかに描き出す。漱石の思い出や、晩年に注力した「墨流しの研究」の紹介など、その話題は広範囲にわたる。(講談社学術文庫)
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Posted by ブクログ
日本の物理学者であり、夏目漱石の薫陶を受けた文筆家でもあった、寺田寅彦の追想記。 著者は、中谷宇吉郎。雪の結晶に関する研究では世界的に知られた物理学者であり、寺田寅彦の教え子にあたる方らしい。 22歳年上の師匠を、筆者中谷は、生き生きと温かく描写している。直弟子の脳裏に焼き付けられた寺田寅彦像は、...続きを読む鮮明に精彩を放ちながら現在の我々に強い印象を与える。 寺田寅彦の時々飛ばす機智に富んだジョークやブラックユーモア、教養深い箴言警句の数々、科学や文芸への哲学観、すべて面白く、興味深く、読み手をニヤリとさせるものがあった。 同じ研究室で共に働く研究員たちとの思いで噺も興味深かった。 夏場は真っ裸に白衣だけひっかけて、水素の研究をやってたとか、想像するだけで面白すぎるw寺田先生の御念願 “線香花火の研究“ では、大の大人が寄り集まって、真面目腐って線香花火の燃焼(スパーク)を見つめて議論する様子を想像すると、これも笑えた。w 傍から見たら、遊んでるようにしか見えないよね。。しかも裸に白衣で。変質者ですやん!
寺田の漱石先生からの流れで読む。 寺田が書く漱石、そしてその寺田を書く中谷という知の流れを時間軸で辿るのも面白かったが、何よりその文学的、哲学的な科学という思想を垣間見ることができたのが非常に面白かった。 自分などは足元にも及ばないが、彼ら先達の「思想の方向」には非常に共感できる。
寺田寅彦と門下生とのやり取りや実験の内容等、とても楽しく読めた。さすがに「物理学序説」は難しかったが…。物理学アレルギーだが、寺田のような研究室に属してみたいものだなぁと思った。
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