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火のついた猿、火のついた猿になれ! どんな支配もいらない。はじめから、やっちゃいけないことなんてない。書いちゃいけないこともない。何ものにも縛られるな。目的にも、自由にも、アナキズムにも縛られるな。歌い、叫ぶ、アナキストの精神。根源的な問いと最新の知見が、アナーキーな文体で炸裂する。合理性の錯乱へようこそ。
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Posted by ブクログ
面白いですね。岩波新書とは思えない勢いのある砕けた文体で読みやすかったです。 入門書なんだけど基礎的なことを大体学べるというよりは入門者に興味を持たせる本という感じでした。 章ごとにテーマがあるのも読みやすくてよかった。おすすめです。
いや、やっぱり栗原康は最高です 自分の中にあるあらゆる支配をぶち壊してくれる 「岩波新書」は格式高い?そんな知ったこっちゃないと言わんばかりの暴れっぷり 栗原康の思想の真髄を知る上で、最も適切な一冊目になると思います 無政府は事実だ! あらゆる相互扶助は犯罪だ! やられてなくてもやりかえせ! でき...続きを読むっこないをやらなくちゃ! ちなみにここにあるレビューの大概は的外れなので参考にしないほうがいい 文体?んなこた知ったこっちゃねぇんだよ 栗原康さんは栗原康さんの書きたいように書くんだよ そんなこともわかんねえなら初めから読み直せ 自分のなにかを捨てる覚悟で読まないならそれは永遠の奴隷です
「大往生」永六輔さんの一冊が 岩波新書に入った時にも 「おっ こんな一冊が 入ってくるのだ、 岩波さんもオツだねぇ」 と 思った。 そして、 まさかの栗原康さんの「アナキズム」 いつもの調子の いつもの文体 「おっ こんな一冊も 入ってくるのだ 岩波さんも懐が深いね」 と 思った。 私は、好き...続きを読むなのですがね…
色々毀誉褒貶のかまびすしい著者の文体ですが、それほど読みにくいわけではないので、これはこれでいいのではないか、としておく。 内容は、正しいことを教えてもらう本ではないので、刺激をもらい参考になる事柄や本を紹介してもらえば良いので、私には参考になった。 著者の重視する身体性?のようなもの、誰に...続きを読むも支配されないで生きるということ、などを手掛かりに一人一人の読者が考えていけば良いのではないか。 一つ気になるのは、著者が取り上げているのは欧米と日本の話ばかりで、それ以外の社会においても同様な主張で通すつもりなのか、ちょっと聞いてみたい気がする。
岩波新書にしては思い切った装丁に惹かれて手に取る。政治思想は元来不勉強分野だが、「アナキズム」についてまとまった形で読むのは本書が初めて。登場する思想家・活動家中、辛うじて名を知っていたのは大杉栄くらい、あとは和洋問わずほとんど聞いたことのない名前の連続でやや戸惑ったが、内容は新書らしくシンプルでわ...続きを読むかりやすく、著者の思いがストレートに伝わってくる良書だと思った。 本書を一読して我が身を振り返れば、自分の信条を体現しているわけでもない国家や組織の価値観をいつの間にやら内面化し、当初は確かにあった衝動を忘れてしまったことに無自覚な自分に思い至り、冷や汗が出る。この「他人の自我」に従属する奴隷状態から「棄脱」するには、衝動に基づく行動や共鳴に基づく無償の「相互扶助」を通じて、自分にも制御できない自分の力を取り戻すしかないというのが著者の主張。 研究者として書きたいことを書く地位を得るため、その自分の書きたいことの代わりに周りから評価されることを書かねばならないことの矛盾を良しとせず、伝統的な研究者としての地位に甘んじることなく非常勤講師の道を選ぶという実践を、著者自身が踏んでいるだけに一定の説得力がある。しかも、ここには「アナキズム」という言葉から連想されるようなストイックな堅苦しさや偏狭さは感じられない。それは賛否あろうが「個人に開かれたアナキズム」ともいうべき著者の信条をわかりやすく体現する文体に依るところが大きいのだと思う(やや紋切り型な一人称「おいら」や意外にバリエーションに乏しい間投詞は少々気になったが)。 本書の内容を実践に移すのは簡単ではあるまいが、「ユートピアを志向し続ける意志の力だけはどのような立場に置かれている人間であっても忘れてはならない」という著者のメッセージはクリアーに伝わってきた。今年から高校に行く息子に読んで欲しい。ま、無理に読ませて本当に読むような人間であれば、そもそも本書でいう奴隷根性へ一直線、ということになるのだろうが。
アナキズム関連で最近多くの著作のある栗原康さんの最新作です。岩波新書から出たってのと、装丁が真っ黒ってところがとりあえずスゴイですね。 最近の栗原さんの著作って叫び声というか、擬音がいっぱいで「取りあえず叫びのエネルギー!」という印象。理論的な部分は著名アナキストの著作からの引用が多いようです。アナ...続きを読むキストの著作って、妙に言い回しが回りくどかったり、逆に詩的だったりするんですが、シンプルってところは読みやすかったですね。巻末の参考文献も役に立ちそうです。
アナキズムは自分をルールから自由にし続ける過程なんだなと思った。中指を立てるような文体も岩波新書らしさを抜ける試みなのかな。今度は理論と歴史に関する本も読んでみたい。
以下、引用 ●アナキズムというのは、ギリシア語のanarchosからきていて、(中略)ていねいに訳していくと、「だれにもなんにも支配されないぞ」とか、「統治されないものになれ」ってのがアナーキーになる。 ●権力の暴走はアナーキー?(中略)アナーキーってのは、いつでもそういう権力をぶちぬいてやるぜって...続きを読むことだ。もうちょっといえば、かりに権力の横暴に反対しても、それがまた権力になっちまったら、いつだって、そいつもぶちぬいてやるぜってことだ。 ●前日のあの大会議はなんだったっていうことさ。だってさ、すんげえ苦労して、何時間もかけて1万5000人で全員一致のコンセンサスをとっておいて、いざ本番になったら、だれもまもらないわけだからね。バカやろうだ、圧倒的なバカやろうだ、てやんでい。でもね、そうじゃなきゃ、アナーキーじゃないんだとおもう。逆にだよ、オレたちはアナキストだから自己統治や水平性をおもんじている、だから、みんなできめたことはまもらなきゃいけないんだ、絶対服従、デモで不規則行動をとるな、したがえ、したがえっていいはじめたら、あたらしい支配がたっちまうからね。アナキズムという名の、民主主義という名の。 ●アナキストはムダがいのち。 ●直接行動ってのはテメエのことはテメエでやるってことだよ。この場合、どでかい労働組合とか、クソみたいな政治家なんかにたよらなくても、たとえ少人数であっても、たとえ一瞬であったとしても、自分たちの力でじかに軍需工場をとめてみせる、それができるってことをしめしてみせる、(中略)じゃあ、どういうことをやったのか。10月19日、白昼堂々、東京都田無市、いまの西東京市にある日特金属工業にのりこんだ。(中略)だいじなのは、かれらが物的効果にはこだわっていなかったってことなんだ。だって、日特金属にのりこんで電源を切ったっていっても、工場がとまったのは15分くらいだからね。逆にいうと内容が良くてもダメなんだ。(中略)ちっちゃな軍需工場をとめても意味がないとか、この工場をこれだけの人数をかけて、何時間も何日もとめることが効果的なんだ、それがもっとも革命的なんだ、だからオレたちにしたがってればいいんだとかっていいはじめたら、あたらしい権力がたってしまう。 ●いつだって、ひとってのは、あいつらこまってんなっておもったら、なにかしてやりたいっておもうものだ。でもなにもできない、でもなんとかしてやりたい、わかりたい、でもわからない。そうおもえばおもうほど、テメエのなかの合理性が錯乱し、もうやめられない、とまらない、異様な力がわきあがってくる。 ●ふだん、うちらがあたりまえだっておもっている自分は他人によって強いられた自分である。カネをかせぐのがあたりまえ、資本家にしたがうのがあたりまえ。(中略)でも、そうやって生きていると、カネにならなきゃ、なにひとつ好きなことができねえし、カネもちにコキつかわれて、自分の人生をふみにじられちまう。だったら、そのあたりまえだとおもってきた自分の皮をひんむいてやるしかない。でも、むいてもむいても皮がある。だってさ、いろんなあたりまえがあるからね。(中略)でも、そういうのをむいてむいてむきまくって、それこそ自分が理想としてきた自分すらひんむいちまって、かんぜんにゼロになったとき、はじめて本当の自分の人生がはじまる。もうだれにもしばられない。いつだって、ゼロからはじまるいまこのとき。やりたいことしかやりたくない。そのやりたいことにすらしばられない。いつだれがどこで、どんな生きかたをはじめるかなんて、そんなのだれにもなんにもわからない。生きることは爆弾だ。その力が労働によって封じこめられているならば、もういちどその力を爆発させてみるしかない。生の拡充だ。パンパパーン!!! ●ひとが明日なんか捨てちまうってのかな。仕事も、自分の命も、革命の大義も、そんなもんはどうでもいい。ぜんぶかなぐり捨てちまって、いまこの場で遊びたい、おどりたい、うたいたい、そうさせてやまない力がある。だいじなのは、その力にふれることだ。だれにもなんにもしばられない力を手にするってことだ。しかも、おもしろいのはそういうときって、もちろんのぞんでやってはいるんだけれども、自分の意志で選択してやっているわけじゃないんだよね。もっと無意識的なものってのかな。だれかが火をつけると、ふっとメロディーがわきあがってきて、ああ、明日、仕事があるのに、ダメなのにってわかっているけどやめられない、とまらないんだ。 ●えっ、秩序をはみだすのは、犯罪だって?みんなにきらわれてしまうって?上等だよ、上等だよ、ひらきなおるわけじゃねえが。現にあるものをブチこわせ。主人でもない、奴隷でもない、民衆の生をつかみとれ。新天地にむかってあるきだせ。それはとても孤独なことなのかもしれない。おいら、ゴロツキ、はぐれもの。でも、ひとたびその一歩をあゆみだせば、かならずあのメロデイがきこえてくる。もうなんにもこわくない。過去の民衆たちがおどりだす。おいらもいっしょにおどりだす。つられて、だれかもおどりだす。ユートピアだ。コミュニズムとは絶対孤独である。それは現にある秩序をはみだしていこうとすることだ。かぎりなくはみだしていこうとすることだ。あらゆる相互扶助は犯罪である。アナーキーをまきちらせ。コミュニズムを生きてゆきたい。
体型的なアナーキズムが説明されていると思ったけど、そうではなかった。 実践的アナーキズム、帰納法的にアナーキズムを知りたい方にオススメ。
アナキズムとは何かを、まさにアナーキーな文体と 随所に挿入されるアナキズム文献からの引用、そして筆者の実体験をベースに伝えてくれる。 繰り返される破綻寸前の文章は自分には合わない、というのが正直なところだが 反復から浮かび上がってくるものがおそらくアナキズムの本質なのだろう。 序列を、階層を、作...続きを読むらない。 コンセンサスを是としながらも、コンセンサスに従うかは結局のところ本人次第。 読めば読むほど混乱してくるが、 近年良しとされるボトムアップ型・自律型組織とアナキズムの類似点などアナロジーを駆使してこの本と相対すると中々に楽しい。
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アナキズム 一丸となってバラバラに生きろ
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