大杉栄伝 永遠のアナキズム

大杉栄伝 永遠のアナキズム

1,320円 (税込)

6pt

4.4

第5回「いける本」大賞受賞、紀伊國屋じんぶん大 賞2015第6位の新評伝!

労働者、消費者、学生、夫、妻といった社会的アイデンティティを被らされ、「社会」の役に立つように動員されていく現代社会。
その「役に立つ」も、エッセンシャル・ワーカーを除いてはブルシット・ジョブ(デヴィッド・グレーバー)ばかりで、「やってる感」の演出のために長時間労働を強いられるばかり。
かつ、真に必要な仕事は低賃金を強いられ、新自由主義の歪みは極大化している。
“自由で民主主義的な社会”であるはずなのに、なぜ私たちはまったく自由を感じられないのか?
これは、「生の負債化」である。
この「生の負債化」に対し、「生の無償性」が大杉栄のアナキズムの肝なのではないかという視点から、気鋭のアナキズム研究者が生の拡充、相互扶助の大杉思想を現代的に読み解いていく。
アナキズムとは、「支配されない状態」を目指すことだ。
「生の負債化」に抵抗し続け、無支配の世界を構想した男・大杉栄。甘粕事件で国家に虐殺された、傑出した社会思想家にして運動家を新たな文体で描いた、傑作評伝!


※本書は二〇一三年に夜光社から刊行されたものを文庫化したものです。

【目次】
はじめに

第一章 蜂起の思想
第二章 アナキズム小児病
第三章 ストライキの哲学
第四章 絶対遊戯の心
第五章 気分の労働運動
第六章 アナキストの本気

おわりに
文庫版あとがき
脚注
参考文献
解説
人物解説・索引

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大杉栄伝 永遠のアナキズム のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    栗原康はアジる
    大杉栄の言葉で、その生き様で、周囲の人々の生き様で
    それら全てを鮮やかに軽やかに語る栗原の筆致は、読んでいてひたすらに気持ちよく、自分の中にあったなにかモヤモヤするものをひたすらに打ちこわしてくれる。

    やりたいことを、やりたいように、自分で決めてやる

    それだけのこと、その行為の意

    0
    2022年01月24日

    Posted by ブクログ

    著者の文体が好き。
    大杉栄は高校日本史で甘粕大尉に惨殺された社会主義者ぐらいの印象しかなかったが、こんなにぶっ飛んだ人物だとは知らなかった。
    しかし、大杉がかなり「ぶっ飛んで」見えるような社会に生きているということがクリティカルなところで、僕たちはもっと暴れたって良いはずだ。これって新左翼じゃね?

    0
    2021年05月03日

    Posted by ブクログ

    出版の時系列では逆だが以前読んだ「村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝」が面白かったので、文庫が出たタイミングで購入。
    大正時代のアナキスト、大杉栄の評伝。疾走感のある文体は読みやすいが、ちょっと80年代的軽薄さも感じさせる。スタイルとしては後にでただけあって「伊藤野枝伝」の方が完成されてるように思

    0
    2021年07月06日

    Posted by ブクログ

    1918年の米騒動の話から始まっている。なんと1000万人の人が米騒動に関わったと。当時の人口が6000万人だったので6人に1人が関わったという算段だ。日本史上最大の暴動。それに大杉栄が大阪で一役買っていた逸話が記されている。米騒動をネットで検索すると襲撃したのは70万人と書かれている。著者は「米騒

    0
    2021年05月22日

    Posted by ブクログ

     アナキスト大杉栄、関東大震災のドサクサに伊藤野枝とともに虐殺された大杉。
     これまで大杉に関して書かれた本や、『自叙伝』、『日本脱出記』なども読んだが、今一つ、その凄さ、面白さが分からなかった。

     本書は、大阪での米騒動で、米を売ろうとしない米屋に押し掛ける民衆の自発的な動きに興奮した大杉の姿か

    0
    2021年04月27日

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