深重の海

深重の海

814円 (税込)

4pt

3.3

【第79回直木賞受賞作】紀伊半島は南東部、太地湾辺りは古くから鯨取りで栄えた土地柄である。明治11年12月24日、熊野灘の沖に現われた一頭の巨大鯨。小舟に乗った数百人の男たちが立ち向かう。これが大遭難、世にいう“背美流れ”の発端となり、慶長年間からの伝統的な捕鯨組織が崩壊しはじめる。明治の激流に呑まれ、滅びゆく運命をたどる海人たち。愛と闘いをドラマチックに描いた感動の長編。

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深重の海 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年05月15日

    南紀太地。
    紀伊半島南東部にあるこの地は、古くから古式捕鯨と呼ばれる鯨漁を行ってきた。何艘もの小舟に乗った男たちが鯨を取り囲み、網をかけて銛を打つ。入り江に引き上げられた鯨は解体され、余すところなく利用される。鯨一頭で港全体が潤う富が得られる。
    鯨漁はチームワークである。
    山見と呼ばれる見張り場所か...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2024年03月18日

    1978年の直木賞受賞作品。衰退していく古式捕鯨の物語。全体のトーンは暗い。それでも孫才次の無垢さが救いになっている。

    0

    Posted by ブクログ 2023年05月15日

     読み応えのある力作でした。


     明治十一年に実際に起きた悲惨な海難事故に材を取りつつ、是を仏教文学の思想を交えてテイスティングしていく。


     板子一枚下に広がる無辺の地獄。生命と生命の格闘。生きるという苦難。愛別離苦。而して無常。


     台詞の殆どが和歌山県の古い方言である為、可也読み難い部分...続きを読む

    0

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