【感想・ネタバレ】深重の海のレビュー

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Posted by ブクログ 2014年12月06日

人はこうまでしても生きなければならないのか……

重く苦しい読後感だ。
久しぶりに手ごたえのある小説に出会った。
伊東潤の書いた日経夕刊のコラムで取り上げられていて、手に取ったのだが、まだまだ知らずに出会っていない素晴らしい作品はあるのだろう。

明治初期、太地を舞台に鯨捕りを題材にした本作は過酷な...続きを読む状況下で生きる人間の業をあぶりだしている。
次々に訪れる艱難辛苦を経て、それでも雑草のように生きる男たちの物語は涙すら呼び起さない凄絶なものだ。
そして、圧倒的な資料に基づいたと思われる捕鯨の場面の熱量がものすごい。慈悲なき人間と鯨の闘いの場面には、人が生きることの意味を問うているようだ。

那智勝浦に行ったのは、もう三年前か。当時、この作品を読んでいれば、現地でもっと違う景色を見ていたはずだ。それが悔やまれる。

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