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Posted by ブクログ
九州の病院に赤ちゃんポストが設置されて10年経ち、その利用を巡って起きている出来事や日本の児童福祉制度についての本。
子育てを日々行っている親としては、子育てというのは本当に大変であり、産んだはいいが育てられない状況というのはいくらでも思いつく。
いわゆる「できちゃった」で、結婚も、母体も、家庭も、何も準備できてなくて生まれてくる子供。
親が結婚してない、わけありな状況で授かってしまった、健康問題を抱えている、失業している、あるいは、妊娠中や生まれた後夫婦仲が悪化して離婚、シングルになる、etc.
親が健康で、子供の養育にふさわしい環境が用意できて、時間や経済面でも余裕がなかったら子育てはできない。しかも、1人でワンオペでは心身消耗して潰れる可能性もあるという負荷の高い労働であり、夫婦や祖父母、保育園などのサポートがないと厳しい。
しかし現実には、貧乏で荒んだ家庭の女の子が、高校生ぐらいで彼氏を作ってあっという間に妊娠、10代でお母さんになったが、自分もまだ子供で、赤ん坊の世話も母親としての覚悟もできず、父親はどっかに行ってしまい、実家も頼れず、水商売に行き、子供は仕事の間ほったらかし…とか、普通に起きているわけだ。
挙句に彼氏ができて、その彼氏が継子を虐待、とか、子供はネグレクトで餓死、なんていう事件もあった。
赤ちゃんポストは子供を捨てる場所で、ひどい場所とも言えるが、死なせるくらいならよその人に助けて貰おうというと、足を運ぶということは、殺さないだけ心がある親だという考え方もある。
10代でできちゃったとか、DV家庭とか、片親家庭とか、大変なケースはいくらでも想定できる。生まれた子供をしっかり育てられる親ばかりではないことは明らかなので、あまり罪悪感なく、お願いできる場所は必要だと思う。
社会の宝として、いろんな人達に大事にされて成長できれば良いと思う。
Posted by ブクログ
「赤ちゃんポスト」として有名になった「こうのとりのゆりかご」。
2007年に開設され、十年が経過した。
当初考えられていたよりも多い赤ちゃんが、そして一定程度大きくなった子供達が棄てられた。
十年を過ぎた今、この存在を通して、様々な問題を考える。
本書中で記憶に残るのは、ある少年の語った話だ。
その少年は自分が「赤ちゃんポスト」に預けられたその時を覚えているのだと言う。
彼が預けられるまで、母親には様々な葛藤があっただろう。
一概に、ひどい母親だと責めることはできない。
ただ、どうして、と言う気持ちはなくなることはないだろう。
子供を産めない、産みたくない、頼れない、知られたくない......。
世間体を気にして預けた母親(または父親等も)がいたことは事実としてあるようだ。
それは本当に身勝手な行為であるが、それでも、望みを託して、赤ちゃんポストに預けたのだと私は思いたい。
ここなら、この子を助けてくれる、そう信じて、親であろうとしたのだと。
亡くなった赤ちゃんを預け入れた母親も、「ここでなら供養してもらえると思った」と供述しているようだ。
無知だ、無責任だ、自己中心的だ、罪を軽くするための嘘だ、確かにそうかもしれない。
けれども、どうしてそれを決めつけてしまえるだろう。
ましてや虐待だと断罪することなど。
願わくば、もっとたくさんの場所に設置してほしい。
そして、その先の、子供達に寄り添える環境づくりも。
産んだ母親ばかりに責任と負担がかかりすぎる現状は異常だ。
母を責めるならどうして父の責任を誰も問わないのだ。
「こうのとりのゆりかご」は、母と子の悲しみの涙ではなく、祈りと希望で包まれなければならない。
Posted by ブクログ
熊本の慈恵病院の赤ちゃんポストの設置から10年。賛否両論ある中、虐待や遺棄で亡くなる赤ちゃんを救おうとドイツをモデルとして設置された。
日本は政治、国の制度として本当に整っていなくて、同じように救いたいと思っていても制度的に難しい面がある。血縁での親子関係を重視しすぎで、特別養子縁組も進まず、ぶら下がりの施設育ちが多くなってしまう。子どもの出自を知る権利もあり、完全に匿名で出産してポストに預けるというのは、憲法違反という意見もある。ドイツでは、産む前も産んだ後も継続的なサポートをしており、生後8日で親権も剥奪される。
一番腹立ったのは、お互い学校教諭で、不倫の末妊娠。職員会議でポストに預けてはどうか、という意見があり、ポストを利用した、というエピソード。
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