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もうひとつの戦後の世界。1996年、日本は南北に分断されていた。世界の半分を覆う共産国家群「ユニオン」は「エゾ」を支配下に置き、島の中央にとほうもなく高い、純白の塔を建造しつつあった。その頃、青森県の津軽半島に住む中学3年生の藤沢浩紀と白川拓也は異国の大地にそびえる塔にあこがれ、飛行機で国境の津軽海峡を越え、塔まで飛んで行く計画を立てていた。しかし、浩紀が口を滑らせたせいで、クラスメイトの沢渡佐由理にばれてしまう。さいわいサユリはその飛行機、ヴェラシーラに強い関心を持ち、計画の共犯者になってくれる。浩紀たちと佐由理は、「ヴェラシーラが完成したらサユリを塔まで連れていく」と約束を交わす。ヴェラシーラが完成に近づくにつれ三人の仲も深まるが、サユリはある日、突然、浩紀たちの前から姿を消してしまう――。その約束も果たせぬまま……
...続きを読むPosted by ブクログ 2018年12月19日
喪失、内省、彷徨、呪縛、邂逅、開放、再生
ただひたすらに、ただひたむきに
淡い思いと、後悔と疼き、あり得たはずの未来
「秒速5センチメートル」「言の葉の庭」
「君の名は。」
いずれも読みながら同じ単語が頭に心に。
目を奪われる映像作品とは別に、活字の物語を通じて
感じるこの感覚、とくに喪失と彷徨に...続きを読む
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