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明治と改元される直前の慶応4年3月。絵師の誠之進は品川を離れ、国許である磐城平藩へ向かう。ほどなく江戸が官軍の手に落ち、奥州の南端にいる誠之進らの元へも追撃の軍勢が迫る。敗走する先で絵師が目の当たりにする旧幕府軍の悲劇。そして再会した土方歳三と箱館の地へ──。欺瞞に満ちた幕末・明治史に喧嘩を売る時代小説シリーズついにクライマックス。頭を殴られるような衝撃のラスト。
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Posted by ブクログ
作者は年齢不詳、謎だらけ。デビュー作品になる。 主人公、『誠之進』は次男坊で剣術と絵が好きな男。 江戸生まれ江戸育ちで、父親は磐城平藩江戸屋敷側用人、今は嫡男にかわり、隠居。 品川という江戸と地方の交差点で、情報収集を 父親から依頼され、食えない絵師として、 旅籠の用心棒などして『誠さ...続きを読むん』と呼ばれ 町人の生活に慣れ親しんでいる。 ひょんなことから当代一の絵師「河鍋暁斎(この時は狂の字)」 に出会い、弟子となった。 数々の事件が起こるのだが、幕末の混乱が全て影響して 教科書では長年スッキリしなかった当時の状況が 敗者の側からも描かれる。 歴史通り、巻を重ねるごとに状況が悪化し 地方から、道理を知らないようなものが刀を刺し 江戸市中を荒らしまわる混乱期に突入。 秩序が守られていた少ない人数で守られていた江戸は その混乱に対処できなく 浪人、元百姓などごろつきを下屋敷など配下の屋敷に 匿っていた薩摩との小競り合いから 表立った闘争が激しくなる。 尊王攘夷と言いながら、騒乱に次々と参入した各藩は、 勝ち馬に乗ったのと相違はない。 そして、そんな薩摩・長州・土佐・水戸は、尊王攘夷を掲げ 幕末の開国政策を批判し打倒したのだが 天皇の意に反してあっさりと開国、富国強兵へと進む。 『なぜ?』はその戦い方にも、 明治政府の政策にもつきまとう。 正義でも武士の本分でもない。ただ単に、『長年の恨みつらみ』なのだ。 この最後の舞台になる東北への戦い方もそうだ。 どんなにいいつくろうとしても明治政府がやってきたことは、 解説にも書かれているが、大義でなく私欲のままに 帝国主義的な植民地獲得競争に走り、 それが大戦の敗戦に結びつくという歴史観につづく。 よほど、主人公の旧藩・磐城平藩や二本松藩の人々の側に 真理と正義があるようにあるように思えてしまう。 終わりの方に土方歳三、榎本らが出てくるのだが。 ふと気がついたことがあった。 北海道でも関東(横浜)でも幕府は開国、 貿易まで見据えて体制を変えようとしていた。 船に関しては、幕府は官軍に対して勝っていたはず。 これは、単に密輸で稼いでいた薩州など幕府に旨みを取られないように、 本音を隠していたのではないか? 海外との技術面の格差は薩州が一番知っていたところだから。 のちの明治政府が富国強兵で貿易など 積極的に外貨を稼ごうとするのだが。 旨みを知っていた薩州は幕府の気付きの芽を摘んだ。 明治当初、この時期に文化財は輸出品として相当数海外に流れた。 神社仏閣など共有資産のもいうべき芸術品が 金になるからと売られまくった。 経済の面からも、幕末を読み解く方向性がないか? 再び読みたい4巻シリーズ。
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