ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
5pt
私は30年以上にわたって毎年のように西洋の美術作品を巡って歩いてきたが、美術作品も、それが位置する場所の力と相まってオーラをまとうようである。(中略)無数の眼差しが注がれてきた美術作品は、巡礼者の信仰を吸収した聖遺物と同じく、膨大な人々の情熱と歴史を宿し、あるべき場所で輝きを放っているのである(「まえがき」より)。イスラエルで訪ね歩いたキリストの事蹟から津軽の供養人形まで、本質を見つめ続けた全35編。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
図が多く絵画をカラー図版で確認できイメージしやすい。自分が行った展覧会や観たことのある絵画が思い出されて読んでいて嬉しい。 絵画や美術そのものの意味を問うている精神性の高い深い内容。「絵画とは何か、絵を見るとはいかなることなのか」(p.90)を考えさせてくれるモノとして絵画が紹介されている。 また日...続きを読む本の美術教育に対する懸念、問題提起もされている。美術史を学ぶこと、古今の実際の作品を観ること、そして名画を模写することをしないことにより「自分の感性だけで見ればよいという姿勢に結びつく」「好き嫌いだけで見ればよく、色や形の美しさを感じるだけでよいという誤解」がある(p.136)という言葉にはドキリとした。 5章「信仰と美術」、6章「美術の原点」は特に心に響く内容だった。絵を描く・観る意味、美術の持つ力について書かれた、とても心に残る章だった。読めて良かった。繰り返し読み、取り上げられている絵を眺め、できれば実際に観に行きたい。
ティツィアーノの受胎告知に影響を受けたのが、エルグレコの受胎告知。 中世は圧倒的に神の時代。ルネサンスがおこり、人間を基準として物事を眺める視点が生まれた。 アルチンボルドって、野菜とか花とかで人の横側描く奇抜な感じだったから最近の人かと思ってたけど、16世紀とかの人なんだな。 フランス革命前...続きを読むは教会や宮廷がパトロン。 政治的、精神的に果たす役割も大きく絵画がでかい。 以後は住居に展示されるようになり小さくなる。 日本での絵画は巻物や襖絵など私的なもの。 みんなで、鑑賞するという文化がなかった。たしかに。 だから春画も流行った。 ウォーホルは敬虔なキリスト教信者。あのスープ缶などは、「誰が作ったかわからなくても、神を見る窓として機能するイコン」とつながっている。
西洋、日本の美術作品を、その時代や作家、モチーフの話題を交えて紹介している。新聞連載をまとめたもののため、テーマごとに短い文章で書かれて読みやすい入門書的な内容。さらに専門書で深い知識を得たくなる良書だと思う。 筆者が「美術を見るということは、感性だけの営為ではなく、非常に知的な行為」というように、...続きを読む歴史や寓話、作者、描かれた時代の知識を踏まえて鑑賞することで、作品の深みが増すことがわかる。 「美術というものは古今東西を問わず、どんな天才的作品であっても必ず過去の作品と密接な関係を持っており、時間と空間の制約の中からしか生まれないものであって、芸術家の天分や創意工夫などといったものはごくわずかな要素にすぎないのだ」というように、個々の作品ではなく、時代の流れの中でなぜその作品が生まれたかについても知る機会となる。 筆者は、美術を見る「知識」の重要性を語りたかったのではないか。
ところどころで、他にはないわかりやすい説明がある。 特に、日本の絵画が発達しないのは、「自由な発想」でなければ芸術でないというような思想のもとでの教育によるものだというところは、とても納得のいくものだった。 アーティストと呼ばれる人たちでさえ、苦しんで描くことが多いのに、はなからそこを求められたら、...続きを読む「才能がないのだ」と思っても仕方ないように思う。 多くの美術史としての知識を含みながらも、大変読みやすく面白かった。
絶望に美術は力を持つのか。 絶望の美術、祈りの美術が取り扱われている、異色の本だ。 読みやすい。心に染みる。
美術は、感性だけでなく、知性に働きかけるもの。作品の意味、機能、作者や注文者の意図などの、知識があれば、鑑賞を深めることができる。
西洋美術については、宗教と時代性に基づくモチーフに関する話など、よく聞く話ではあるが知らないことも多く興味深い。 ただ、特に独特なのは中盤からで、クレパスによる絵や日本の戦争画、踏み絵や絵馬、奉納物(エクス・ヴォート)、供養人形、アール・ブリュットとそれに伴う(と著者は解釈する)死刑囚の絵など、あ...続きを読むまり芸術としては注目されにくい物らの紹介が面白い。 全く知らなかった作家や作品、考え方が多く、これまでいかに分かりやすく、有名どころの「芸術作品」ばかりに注視していたかを実感させられた。
美術に関するコラム集としては良質。 毎回最後の帰納的な結論が飛躍している感はあるものの、それでも著者に寄り添って美術に触れられる感覚は新鮮。
見事な絵画のカラー写真が満載で綺麗な本。新聞や雑誌で掲載された内容を集めた、とのことで全体のまとまりは無いが、章ごとに色んなテーマを扱っている 知らない芸術家がまだまだたくさんいて興味深かった。紹介される人物が多い分、いつの時代の人だったかを真っ先に明記してほしいと思った
自分が絵画好きになったのは、高校時代にエル・グレコの受胎告知を観てから。先週もナショナル・ギャラリーで、この本にも取り上げられているカラヴァッジォの作品を観てきたところ。実物を観た事があると、当然ながら興味のレベルが1つも2つも上がる。 「美術の力」と書かれている通り、一般的な絵画紹介本ではなく、...続きを読むそれぞれの時代において絵画が果たしてきた役割とそのもたらす影響について書かれている。 西洋絵画だけでなく日本人による作品も取り上げられているところも好感。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
美術の力~表現の原点を辿る~
新刊情報をお知らせします。
宮下規久朗
フォロー機能について
「光文社新書」の最新刊一覧へ
「趣味・実用」無料一覧へ
「趣味・実用」ランキングの一覧へ
一枚の絵で学ぶ美術史 カラヴァッジョ《聖マタイの召命》
ウォーホルの芸術~20世紀を映した鏡~
〈オールカラー版〉美術の誘惑
〈オールカラー版〉欲望の美術史
カラヴァッジョへの旅 天才画家の光と闇
しぐさで読む美術史
聖母の美術全史 ――信仰を育んだイメージ
戦争の美術史
試し読み
「宮下規久朗」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲美術の力~表現の原点を辿る~ ページトップヘ