書店員のおすすめ
――あの別れから10年……「うわ、お前すっかり大人になっちゃったな」「もう子ども扱いさせないぜ」+.゚ *:.。.:*゜〜fin〜+.゚ *:.。.:*゜
みたいな、多くの年の差BLではページの都合で端折られがちな、「あれから〜10年後」までを6冊かけてみっちり描ききったのが、本作『STAYGOLD』です。
主人公2人の成長と心の変化をじっくり見守れるなんて、常々推しカプの人生を見守りたいと思っていた人間にとって、僥倖以外の何でもありません……。1冊で完結する物語の潔さも大好きなのですが、巻数をかけて長い時間の流れを描くからこそ生まれる没入感は唯一無二。「最近、どっぷりハマれる作品に出会えてないな―」と不完全燃焼気味の人に全力レコメンドしたい作品です! あの頃(?)の情熱が必ず蘇ります!
「好きだ」という気持ちを武器に、義理の叔父である優士を振り回すことしかできなかった13歳の駿人が、さまざまな通過儀礼を経ながらも、着実に優士への思いを育てていく過程が尊い……。そうやって育った駿人も尊いのですが、1巻を読み返すと少年期の駿人がこれまたかわいくて、中山家のアルバムをめくるような感覚で何度も読み返してしまいます。これぞ長編BLの醍醐味!
義姉・弥生(駿人の母親)に対する優士の淡い思いや、優士の異母弟・コウとその親友・日高の関係など、駿人と優士を取り巻く人間関係も心をじんわり温めてくれます。
6巻で完結しましたが、巻末にて「番外編シリーズ」がスタートするという嬉しいお知らせが! 中山家のアルバムはまだまだ更新されていくのです。