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著者は二つの問いを立てた。「第一に、なぜ祭司は前任者を殺さなければならないのか? そして第二、なぜ殺す前に、“黄金の枝”を折り取らなければならないのか?」森の聖なる王、樹木崇拝、王と祭司のタブー、王殺し、スケープゴート、外在魂…大きな迂回とおびただしい事例の枚挙を経て、探索行は謎の核心に迫る。答えはある意味であっけないが、モティーフは素朴ではなかった。ロバートソン・スミスのセム族宗教史に多くを負いながら、それと微妙な距離をとると同時に、ルナンへの傾倒を韜晦してやまないフレイザー。本書を手の込んだ文化相対主義的キリスト教起源史と読むこともできる。さて、再び、「金枝」とは何か? 初版完訳、全二巻完結。
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Posted by ブクログ 2015年01月07日
上下巻1000ページにも及ぶ本書を通読した後に再度1章1節に立ち返ると、これまで挙げられてきた膨大な事例は全て円環するかのごとく最初の疑問に結びついていた。個人的には前任者の殺害、外在する魂の象徴という共通点で火の鳥・異形編を思い起こさずにはいられない。無数に例示される風習・儀礼の数々はその一つひと...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年11月17日
表紙裏
著者は二つの問いを立てた。「第一に、なぜ祭司は前任者を殺さなければならないのか?そして第二、なぜ殺す前に、〈黄金の枝〉を折り取らなければならないのか?」森の聖なる王、樹木崇拝、王と祭司のタブー、王殺し、スケープゴート、外在魂・・・大きな迂回とおびただしい事例の枚挙を経て、探索行は謎の核心に迫...続きを読む
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