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「肘掛椅子の人類学」と断じ去るのは早計だ。ただならぬ博引旁証に怖じる必要もない。典型的な「世紀の書」、「本から出来上がった本」として、あるいはD・H・ロレンス、コンラッド、そして『地獄の黙示録』に霊感を与えた書物として本書を再読することには、今なお充分なアクチュアリティがあろう。ここには、呪術・タブー・供犠・穀霊・植物神・神聖王・王殺し・スケープゴートといった、人類学の基本的な概念に関する世界中の事例が満載されているだけでなく、資料の操作にまつわるバイアスをも含めて、ヨーロッパ人の世界解釈が明瞭に看取できるのだから。巧みなプロットを隠し持った長大な物語の森に、ようこそ。
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Posted by ブクログ
表紙裏
「肘掛椅子の人類学」と断じ去るのは早計だ。ただならぬ博引旁証に怖じる必要もない。典型的な「世紀の書」、「本から出来上がった本」として、あるいはD・H・ロレンス、コンラッド、そして『地獄の黙示録』に霊感を与えた書物として本書を再読することには、呪術・タブー・供犠・穀霊・植物神・神聖王・王殺し・スケープゴートといった、人類学の基本的な概念に関する世界中の事例が満載されているだけでなく、資料の操作にまつわるバイアスをも含めて、ヨーロッパ人の世界解釈が明瞭に看取できるのだから。巧みなプロットを隠し持った長大な物語の森に、ようこそ。
目次
第一章森の王
第二章魂の危機
第三章王殺し
Posted by ブクログ
書かれた当時の「未開」や「野蛮」といった視点はまぬがれていないが、比較的ニュートラルで押し付けがましくない(とはいえ、
考え、見解は示される[「仮に私が正しければ、」p540など]。一般的には小説作品に近い感覚で読めるし、読み飛ばしても十分面白い。忘れることは忘れてしまうが、残るものはずっと残る(これって神話的)。個人的には、第三章の第四節から七節ぐらいまでにはどうしても興味を持てない。
第一章第一節の終わりに全体を貫く問いが示されている。「なぜ[イタリアのネミの]祭司は前任者を殺さなければならないのか?」「なぜ殺す前に、「黄金の枝」を折り取らなければならないのか?」の二つである。この二つの問い、および金枝の物語を念頭において読み進めると、全般にわたって注意深く詳細な証明のための例示になっていることがわかる。しかし、それらのフォークロアに惹かれれば、彼の証明しようとすることが何であるかや、その「資料操作のバイアス」[※背表紙の解説]などには関係なく面白いはず。だからニュートラルで押し付けがましくなく、小説のように読めるひとには読めるだろう。フレイザーのこの資料の「食い散らかし」感が好き。
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