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当主清十郎を失い、さらにその弟伝七郎をも斃された吉岡道場は、一門を挙げて一乗寺下り松での決闘を武蔵に申し入れた。七十余人を敵に回して阿修羅と化した武蔵は、一刀一撃に渾身の殺気をこめて、次々に対手を斬り殺し、ついに勝利をおさめた。再び流浪の旅に出る武蔵。そのころ、武蔵の宿敵佐々木小次郎も、おのが剣名を上げるべく、四尺の長剣を背に、京・大坂を闊歩していた。
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Posted by ブクログ
武蔵物語の中編です。 今回は幸村の出番はなし。 佐助だけちょこっと出てきます。 武蔵の修行の様子は、前編にいくらか出てきた程度ですが、それが礎になっているのか、そもそもそういった天性のものがあるのか、兵法者との戦いの中で成長するのか──、まあ、どれも理由なのでしょうが、この男、めっぽう強いです。 ...続きを読むそして何があっても動じないような鋼鉄の意志を持っています。 まさに兵法者。 圧巻は、吉岡道場一門を敵にまわした場面でしょうか。 到底生き残れぬような壮絶な果たし合いから、致命傷に近い傷を負わず生還する姿は剣豪そのものでした。 その強さゆえか、強靱な精神に惹かれるのか、出会うおなごはみんな武蔵に惚れてゆきます(笑)。 まあ、惚れられるに足る男だとは思いますが、決闘のためという名目があればどんな非情も辞さないので、その分敵も多いです。 しかしまたそこに、おなごは痺れちゃうんでしょうなあ。
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