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由来を辿ればその土地の歴史や地形が見えてくる地名。古いものは古代から、人々の生活の近くにありその数、数千万から億単位ともいえる地名の多彩で豊かな世界を楽しもう。
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Posted by ブクログ
今尾さんの地名本は、本当に人柄のよさが溢れんばかりだ。すでに何冊も地名本を出しているので、 おそらく今回新書にしたのは、気軽に知って欲しい、でも基本は押さえて欲しい、という双方の折り合いを懸命に探し当てた、今尾さんの誠意なのだろうと私は想像した。 まず、地名本ではあまり見かけない、地形形成から始ま...続きを読むるのがいい。たいていは、県別や地域別にばっさり切られ、ひどいものだと印象の良くない漢字別にいたずらに列挙されているだけで、由来すら浅いままに放置されているものまである。 私が地名に興味を持ち始めた時も、地形形成から水源や土地利用、漢字伝来、神仏信仰、時代や文化などの人の生業、そしてその地名に根ざす人びとの欲や願い…といった地形から人びとの文化の順で追っていったからかもしれない。そんな私の雑記帳と全く同じ順で記されている本書に驚くとともに、ニンマリとしてまった。 だがこの並びでの問題は、流行や好字化、合併といった、人びとが起こす時代の流れによって地名が言いかえられた場合、旧地名と新地名をひもづけしにくくなる危険性をはらむことだ。本来は同じような状態をもとにする地名なのに、時に全く違う扱いを受けてしまうことがあるのだ。 50音順で拾うと大分ひもづけされるが、それでも各地域での読みかたや方言で、50音内での離れた記載に踏みとどまるならまだしも、取捨選択されて抜け落ちることも多く、完全網羅はさらに難しくなる。 その歯がゆさとのすり合わせは、今尾さんに限らず、今後出版されるだろう地名本の課題ではないだろうか。 この本の個人的な楽しみ方は、かたわらにグーグルマップの航空写真を開きつつ、双方を行き来することだ。上空から眺めることで、地名の由来がぐっと身近にわかりやすく感じられるのだ。 例えば「鼻」といった、半島の先にあるような地名は、上空からみると本当に鼻のような出で立ちなのだ。地名を名付けた昔の人びとの感性には、本当に感心するばかりだ。
著者は、テレビ朝日で放送されている「タモリ倶楽部」にも出演したことのある人だ。そんな著者が地名に関して書いたのが今回の本。 ブラタモリですっかりおなじみになった「段差」と言う言葉。何しろ「ダンサー」と名乗る方がいるくらいだからなあ。その「段差」に関して、色々地名がついていることが分かる。 ...続きを読む 地名の安全性に関して、著者は、何とか丘、何とか台とついているからと言って一概に安全なあb書とは限らないと指摘している。一時期、週刊誌で「住んでも安全な地名」なんて言うような特集を組んでいるのをちらっと見たことがある。ここ数十年のうちに「台」や「丘」と名の付く場所に化けた可能性が考えられるからだ。回転寿司で人気のある魚が実は別の種類の魚だったというのを聞いて驚いたことがあるが、そんなかわいいレベルでは済まない。 この本に目をざっと通してブラタモリを見るとまた違った楽しみが出てくるかもしれないと思ったそんな1冊だ。
寄稿文を一冊にまとめたものなので、章ごとに独立した感じなので、通読すると少し疲れるかも。旅行の時に線路が通っている近くの地名を見るのが好きという程度のライト層の自分には少々マニアックすぎる部分もあったが面白く読めた。
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今尾恵介
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