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昭和一○一年夏。極東の島国《八洲(やしま)》は、二十年前の戦争で壊滅状態にあった。廃墟の町《尽天(じんてん)》では、人々が暴走した戦闘機械の脅威にさらされながら生きていた。 少女・叶葉(かなは)は戦闘兵器から逃れる最中、棺で眠る奇妙な少年と巨大な《蜂》に出会い、自分を助けるよう頼む。それは、少女と少年が“主従関係の契約”を結んだ瞬間だった──。 少年の名は、金翅(きんし)の九曜(くよう)。《蜂》と少年は、《鬼虫(きちゅう)》と呼ばれる、超高性能戦略兵器であった。叶葉は、兵器であるがゆえに人の感情が存在しない九曜を一人の人間として扱い、交流していく。 徐々に心を持ち始める九曜だったが、九曜と同じ鬼虫である《蜻蛉》四天(してん)の竜胆(りんどう)が飛来し ── !?
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Posted by ブクログ
第18回電撃小説大賞受賞作を読破。
実は第2巻が出ているのを先に見つけて、なんだか気になったので第1巻を買ってみました。
とりあえず冒頭の「序・甲」のページを読んで、なかなかおもしろそうとは思っていたのですが。
「昭和一〇一年、廃墟の町《尽天》」というあらすじの一文に、ほほう……となりまして。
しかもあらすじで「伍長」とか出てくるから、すでにイメージは昭和の大戦という形で出来上がって。
読み進めていくとPCとか機械兵とか、鬼虫〈きちゅう〉などなど、昭和っぽくない単語がぼろぼろ出てきて、すっかり魅了されてしまいました。
おもしろかったですー(*´▽`)
伍長の家で女中として働いていた叶葉〈かなは〉は、天涯孤独だったり、身売りされたり、主である伍長を失ったりと、かなり波乱万丈な人生を歩んできた15歳で。
そんな叶葉が出会ったのは鬼虫の九番式・《蜂》金翅の九曜という“兵器”の少年で。
九曜の暫定司令となった叶葉。
っていうか、あれですね。
なんでも命令できるってなったら一度はやってしまいますよね。
――おすわり、と。
笑
鬼虫って人間よりも、機械兵よりも強い最強の兵器なのにww
15歳の小娘におすわりさせられるとかww
挿絵もちょうどあってぶふっとなりました。
そんなコミカルなところもあれば、熱い戦闘シーンもあったりして、本当におもしろかったです。
鬼虫の中でも最強の壱番式・《蜻蛉》。
九曜はその《蜻蛉》と戦い、一度は敗れ、再戦を望んでいて。
一見正反対のような叶葉と九曜だけれど、心の底に抱え込んでいた想いはどこか似ているなあ、と思ったり。
文章も雰囲気もとてもすてきで、思いきり物語の世界に引き込まれてしまいました。
最初にも書いたように第2巻も発売されていたので買ってみようっと。
Posted by ブクログ
第18回電撃大賞受賞作。発売前のあらすじや雰囲気から期待はしていましたが……傑作でした。応募総数5000を超える投稿作品の、頂点にふさわしい完成度だったと思う。
悪く言えば陳腐、良く言えば王道。読んでる間にいくつか過去の受賞作が頭に浮かびました。なんというか、今日まで書かれ継がれてきたライトノベルの要素がふんだんに取り込まれている。
一歩間違えば過去作品の劣化コピーになっちゃうんですが、本作はもちろんそんなことはなくて、後発作品ゆえに洗練され磨き上げられた感じです。
多分この作者もたくさんラノベを読んできたんでしょうけど、自分もいつかこんなのを書きたい!みたいな思いが伝わってきます。
・:*:・゜☆,。・:*:・゜☆,。
大戦争をやらかした後、ゆっくりと滅びに瀕した舞台。
非力でもなんでも全力を尽くして生き抜こうという人々の覚悟、ほんの少しの希望が見えたときの歓喜、それを積み上げて未来へつなごうという力強さ、そんな感じの熱いものが伝わってきました。通信塔が復帰して首都と交信できた瞬間のシーンは泣いたわ。
人と、人のようで人でない者との交流。
一見相容れない存在のようで、意外と人間らしい一面をもつ機会の存在。徐々に心を通わせていく暖かいストーリーがあって、けれど絶対に相容れない存在意義の相違にすれ違って。それでも共に生きてゆこうという、互いの歩み寄りの暖かさがあります。
互いが互いの正義、生き様を賭け全力でぶつかりあう戦い。
俺がラノベに最も求めているのはこれかもしれないね。どっちが正義とか悪とか、そういうんじゃないんですよ。双方が正しくて、そして共存は出来ない。ならば、戦って強い方が残るしかないじゃない。互いに全力だからこそ、勝者は敗者にも敬意を払えるし、読んでる我々も本気で熱くなれるんじゃないかなと思います。
まあ、ネタバレになるので多くは語るまい。とにかくもうね、俺の好みど真ん中なのでした。
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