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本屋大賞作家・町田そのこ デビュー10周年!
「ひとと生きるのは、辛いことよ」
そう言って渡されたお揃いのリングが、いつまでもわたしの宝物だった。
兄の犯罪で故郷を追われることになった茜(あかね)と、苛烈な父親を持つ碧生(あお)。二人は惹かれ合うも、現実を変えるにはあまりに幼く無力だった。15年の時が経ち新天地で生活する彼らだが、過去と向き合うときはすぐそこまで来ていた。いつまでも変わらないものと、新たな出会いに恵まれ変化したものを見つめ、かけがえのない初恋に下す決断は。
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Posted by ブクログ
そのこちゃん10周年記念作品とのことです!!
10年!!めでたい!!早い!!(うるさい
初恋と名のつく物語を読むとき、たいていはその終わりや、再熱や、あるいはそのはじまりにピントを合わせることが多いようにおもう(あくまでしおん統計による)
しかし、これは。
終わりではなく、初恋をしまう物語。
初恋をしまうんですよ(二回目
その辺に出しっぱなしにしていた納まりのきかなかった初恋を試行錯誤しながらしまうんですよ。
初恋をしまったことあります??
わたしは仕舞う前にたぶん紛失したので正しい住所に納めることなく大人になってしまったのですが、読後、恋をしまうのは恋を失うよりカロリーを消費するんだなとしみじみ。
失って、その辺に捨てて、気がつけばなくなっているほうがきっと楽で。
でも散らかった部屋になぜかいつまでたっても残っている役目を終えたカレンダーみたいに、そこにずっとあったら?
ゴミ箱に捨てられるものならいいけども、分別方法もわからないものならどうしたらいいんだろう。
その答えのひとつがここに詰まっていました。
碧生の愛の大きなことと言ったら、ラスト数ページでおまえの初恋の質量どんだけだよと天を仰ぎました。
こんな風に恋をしまえたら、その恋はたぶん腐ることはないんだろうなぁ。
茜も茜の形で恋をしまい、そして抱える方法を見つけられて、なんだか久しぶりにハートが震えました。
なくしたわけじゃなくて、しまっただけだから、またいつかそれぞれのタイミングで手にとってはあぁコレコレと思ったりして、ふたりは別の場所で生きて行くのでしょう。
ふたりの人生に、幸多からんことを。
Posted by ブクログ
恋って本当に難しくてどこまでも綺麗で
時には傷を癒す薬になって、時には心を引き裂く刃になって
大きく人生を振り回す
恋愛に興味のない人もいるだろうけど、
自分にとっては恋ってそういうものだと思う。
物語では
鮮やかで美しい、けどどうしようもない力と悲劇の前に引き裂かれる”初恋”が登場するけど
それを主人公の2人ともが心の拠り所としていて、
辛い過去を背負いながら、抱えて隠しながら、
なんとか生きていく。
その姿にとても苦しくなるのだけど、新たな出会いやたくさんの優しさを感じて、読んでると大丈夫な気がしてくる。
けど本人たちは消えることない痛みと、1番近い家族(初恋を引き裂いた張本人でもあるが、、)と向き合わず逃げていることに罪悪感をいつも感じている。
優しすぎる2人だからこそ自分の「逃げている」行いを許せない。
家族と向き合うには、そして大切に閉じ込めていた初恋と向き合うには
13年という月日を経て再会した2人がもがきながら必死に向き合う方法を探す。
2人がたどり着いた答えには思わず泣いてしまった。
どんな関係であれ自分の気持ちを大切に一歩を踏み出すことってすごく勇気のいることだと思う。
その勇気は相手を大切に思う気持ちに比例していて、家族や恋人だからこそ勇気を持てずにたくさん悩む。
その悩む時間もすごく尊くて美しいけど、人生はとても短いものだと自分は思うから、普段から大切な人にはちゃんと伝えたいことを伝えたいなーと思った。
自分にも忘れられない恋があるけど、
その人と共に歩むことはなくても、
鮮やかに輝く記憶の中のその人との時間と、
その人への想いを大切に抱えながら
生きていくこともできるんだなぁと気づくことができた。
この本に出会えて本当に良かったと思う。
Posted by ブクログ
主人公は繊細で神経質だし、その相手は頑固でウジウジしてるし、まったくどうしようと思いながらなんとか読んだけど、まあ良かった。
そもそもあまり恋愛話が得意じゃないんだろうな。
第1話 中学校2年生の茜と碧生の初デートは近くの遊園地。
第2話 茜はヘアサロンのスタイリストとして働いている。ヘアサロンオーナー夫妻と住んでいる。中学3年生の夏、兄が人を殺した。無免許運転でガードレールに激突、同乗者が死んだのだ。母は首を吊った。
第3話 碧生は犬を拾ってきたが、父の意向で保健所に連れて行かれる。友達とゲームをしていたら、友達を追い出してしまった。
温という女性と、佑真が隣に住んでいる。今碧生はドラッグストアの物流倉庫で働いている。茜と会ったよとナマタからメッセージがある。父が脳梗塞でリハビリしているという。お見舞いに帰る。
第4話 結婚式で助けてくれた外岡玲央と萩まで一泊二日の旅に行くことになった。玲央には兄が人を殺したことを話した。玲央も傷害罪で実刑を受けていた。実家の始末をしなくてはならず、萩に行くという。
Posted by ブクログ
初恋という、誰もがくすぐったくなるようなワードのある題名ですが、とても大人のお話でした。
少し前の自分なら、この物語の展開に少しだけ肩を落としていたかもしれません。
ですが、町田そのこ先生の考えの深さ、
叶って欲しいことほど叶えようとしていた頃より、叶うことが現実になった瞬間、その難しさに気付く。
そんな大人の、思った通りにいかない現実描写をよくもこんなにも、綺麗に深く考えられるな〜と、尊敬です。
碧生と茜の物語はふたりが歩む先は違えど、
2人の初恋は、時の経過と共に色褪せるのではなく、草木染めのように儚く優しい色のまま、ずっと彩り続けるんだろうなと思いました。
Posted by ブクログ
初恋ずっと続く人って世界にどれだけいるのだろう。
自分の努力でどうにもならないことは自分のせいじゃない。この先の人生がどう繋がっているかなんて分からない。後から「あの時こうしておけばよかった」なんていくらでも思うけど、そもそも直面している今、この地点がどう分岐しているかなんて分からない。そもそも努力ってなんだ。誰のせいでもない強い引力に人はどう抗えばいいのか。13年という空白は人を強くもするし弱くもしていく。変わらないものなんて何一つないのに、昔の記憶だけで生きていけるものか。
でも、私がここまで生きてこられたのはあの初恋があったからなのは確実で、完成させることだけが気持ちの整理の仕方だけじゃない。そっと箱に入れて私の中に大事にしまっておくことで完成される。それでいいとも思う。(結末はぜひ読んでね)
Posted by ブクログ
「ほんタメ」MC あかりんのブックレビューを読みたくて、初めて『小説現代』を購入した。
中学生の茜と碧生の初恋が引き裂かれてから13年。新たな一歩を踏み出すために「初恋をしまう」
2人と彼らを支える人達の人生が気になり、どんどん読み進めた。
自分の経験と重ね、今までうまく表現できなかった感情を言葉にしてもらった気がした。
家族や友人にも伝えたことがない出会い。
当時の私の支えとなり、今の私の土台となった出会い。
これからも大切にしていきたい出会いについて、もう一度考えることができた作品となった。
初めて読んだ町田そのこさんの作品。
新しい出会い、ありがとう。
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