Posted by ブクログ
2009年11月15日
1977年、第10回「小説ジュニア」青春小説新人賞佳作入選作。
「さようならアルルカン」
ラノベの片鱗はちっともなく、少女向けの純文系。
まわりの人とあわせるために道化役(アルルカン)の仮面をつけてしまう女の子二人の話。
そうなの。
女の子って、どこか自分を演じてる、ってとこあるよね。(のりピーは...続きを読むいきすぎとして)
それも大人になっていく過程で。とても無理をしている形で。
それを楽に、自然体になっていけば、立派な大人ってとこかな。
繊細な少女の心を描いた、素晴らしい作品。
「アリスに接吻を」
鏡に見とれる女の子。子どもから大人への体の変化、心の変化。
自分が子どもと見られるもどかしさ。かといって大人になるのも不安。
親せきのお姉さんは結婚し、クラスメートは教室でキスをして。
自分は、兄の友達からからかわれている、という状態。
すごいね。こういうことってあるよね。
「妹」
これは、、、すごいダークでした。
なんか救いがなくて、氷室先生もコメントに困ったのか、あとがきでも触れておらず。。。
姉に対する屈折した気持ち、父からの愛情がないと思ってしまう気持ち。
これも、多少なりともあるよね。少女視点の家族の物語。
「誘惑は赤いバラ」
幼なじみの女の子同士が仲良すぎて、自立したほうがいいんじゃないか?って話。
男の子と付き合うのはしんどくて、女の子同士のほうが気楽で楽しいよね、でもそれじゃ大人になれないんじゃないか?ってこと。
無理矢理お酒を飲んだり、男の子と付き合ったりする、友達の女の子がよかった。
高校生のBFの試合を見に行って、お姉さんたちにからかわれてシュンとなるところも。
みずみずしい青春だなあ。