「数値化」中毒 なぜ手段が目的に変わるのか

「数値化」中毒 なぜ手段が目的に変わるのか

999円 (税込)

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私たちの社会はあらゆる場面で「数字」「数値」「診断」「判定」「選抜」に取り囲まれている。学校ではテストの点数や通知表の評価、習いごとの級や段が、努力や能力の尺度として示される。受験期には偏差値や合格判定といった数値が進路を左右し、大学ではGPAが学業成績や将来を決める重要な指標となる。社会に出れば、売上や評価点、SNSのフォロワー数といった数値が人の価値を決めるかのように扱われる。こうした「数値化」は、客観的で公正な判断を支える一方で、人間の多様な側面を単純化し、息苦しさを生み出すこともある。数字が可視化されることで比較が容易になり、私たちは無意識のうちに他者と自分を比べて落ち込み、自己価値を数値に委ねてしまう。教育や仕事の現場でも、本来の目的よりも指標そのものを上げることが優先されることがある。たとえば、救急の「4時間基準」や「大学合格者数ランキング」など、本来目安であるはずの数値が目的化し、意味を失ってしまう現象が生じている。さらに、私たちの活動を支える「動機づけ」も、外発的な評価や報酬に依存しがちだ。内発的動機づけ――すなわち「好き」「楽しい」「意味がある」という思いからの行動――を重視することが、学びや働きの豊かさにつながるのではないか。勉強や仕事は「成果を数値で示すため」だけでなく、「生きることを豊かにするため」にある。この視点を取り戻すことが、数値に支配されがちな現代社会を見つめ直す第一歩となるだろう。

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「数値化」中毒 なぜ手段が目的に変わるのか のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     195ページ、第5章「AIによる個人予測の進展」で、AIチャットボットに「あなたの長所と短所、性格の特徴、10年後の自分はどうなっているか?と質問を打ち込んでみて」とあったので、試してみました。

     結果は...当たっている所もあり、ムッとする所もありました(笑)。しかし配偶者に言わせると「全部当

    0
    2026年05月02日

    Posted by ブクログ

    ジェリーz ミュラー著 測りすぎ は読みづらさを感じたが、こちらはとても理解しやすい。
    AIについての考察は、大変参考になった。

    自分のの人生を「物語として語る」ことについては、自分自身を捉えるときにはそれでよい 自分を正しく理解してるわけではないから
    物語批判の哲学 読んでいたので、逆に少し凝り

    0
    2026年03月29日

    Posted by ブクログ

    昨今、数値やエビデンスが重視されている世の中ではあるが、それが正義だと主張するあまりに、本質や目的を見失っているケースが良くある。
    とくに、SNSでは、写真や数値など、インパクトのあるエビデンスが「バズる」という形で評価されるケースが散見される。
    本書では「数値」にフォーカスしているが、少し広げると

    0
    2026年05月05日

    Posted by ブクログ

    ・最初は「良い経験ができればいいか」と思って始めた習い事なのに、子どもたちが習い事に通い始めると、親は「どうしてうちの子は、あの子よりもうまくできないのだろう」「このまま習い事を続けても意味があるのだろうか」といったことが思い浮かぶようになります
    ・死亡率が医療機関の成果指標として機能すると、複雑で

    0
    2026年05月06日

    Posted by ブクログ

    目標値は重要だが場合によっては数字ありきで意図していない結果になることがある

    秀吉の鼻取り
    救急受入 手術の成功率など

    0
    2026年04月27日

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