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先生は私に命がけの言葉をくれた――
ひとりの教師と32人の生徒が向き合う“最後”の1年
『ザ・ロイヤルファミリー』『アルプス席の母』を経て辿り着いた著者の新たなる代表作、誕生!
東京都杉並区にある私立稜花女学院中学校。新年度に発表された3年E組の担任は、加賀美秀彦という中年の国語教師だった。最初は冴えないと思っていたけれど、先生の言葉はなぜだか心に響いてくる。それなのに夏休み直前、先生は病気で学校を辞めるというウワサが流れて……。
これはクラス全員がバトンをつなぐ、一生に残る一年間の物語。
「今日、この時点の、僕の代表作です」
――早見和真
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Posted by ブクログ
早見和真の作品には、ものすごいパワーを持ったものが多い。
その中でも、この作品がダントツだな、と思いました。
中学三年生の新学期が始まる時から翌年の春まで、時間の経過と共に32名の生徒たちが成長していく様が描かれているのですが、さすがだな、と思ったのは主に2点です。
まずは32名の生徒それぞれの事情や人物像が、しっかりと描かれていること。
そしてもう一つが、生徒一人ひとりが主役になるタイミングが絶妙であったことです。
執筆前に、よほど練り上げられたのでしょう。
著者に対しては、ただただ畏敬の念があるばかりです。
生徒たちの成長、自立する姿があってこそ、熱く命を燃やし、生徒たちに言葉をかけ続けた先生の存在が、より偉大に見えてなりません。
Posted by ブクログ
まず三十二人すべての生徒にスポットライトが当たるという作風がとても良い。誰ひとり脇役ではなく、人それぞれの背景や思い、悩みなどが語られる。
加賀美先生だからこそ
与えられる・伝えられる32人への教え。
'お前ら、人が死ななくてもちゃんとやれよ。人が死ぬからがんばるんじゃない。誰かが死ぬから毎日が尊いわけじゃない。余命を聞いたから周囲の人間が大切になるんじゃない。それでも当たり前のように日常が過ぎていくことが尊いんだ。いまのみんなにはわかると思う。平凡だと思う毎日を、今日1日だけでいい。大切に生きてください。'
終盤に加賀美先生から発せられるこの言葉の説得力が半端ない。
作中で語られた我行我素、わたし自身もこの言葉をこころに留めておきたいと心から思いました。
文句なしの⭐︎5です。
Posted by ブクログ
読み始めてまず感じたのは、登場する生徒たちが本当に「普通の中学生」だということ。
ドラマに出てくるような極端な不良がいるわけでも、意地悪な子がいるわけでもない。
クラスの中にはそれぞれのグループがあり、その中で自分の居場所を探し、将来の夢についてぼんやりと、でもその時々では真剣に考えている。
SNSの中では有名人なのに炎上を恐れて心を痛める子。
学校行事の中に「エモい青春」を求める子。
先生への初恋のような気持ちから、思い切った行動を起こす子。
一人一人がとても丁寧に描かれていて、「今の中学生ってこんな感じなのかな」と思うリアルさがある一方で、こんなクラスだったら素敵だなと思わせる、少しのファンタジーも感じた。
印象に残った言葉が、加賀見先生の
「今日も一日だけ頑張って下さい」
という言葉。
読み始めた頃からなぜか心に引っかかっていたけれど、物語が進むにつれて、その言葉が少しずつ違って聞こえるようになった。
そして最後まで読んで、いつの間にか自分自身の中学時代を思い出していた。
振り返れば、私の中学生活にも特別大きな事件があったわけではない。
それでも、友達のことで悩んだり、笑ったり、泣いたり、毎日を全力で楽しんでいた。
今となっては遠く離れた「中学時代」という一つの思い出になっているけれど、考えてみれば、あの頃の私にとっては毎日が大きな事件だったのかもしれない。
派手に泣かせる物語ではない。
ごく普通の中学生たちの、ごく普通で、でも二度と戻ってこない日々。
読み終わったとき、いつの間にか自分の思い出まで重なって、じわぁっと感動と涙が湧き上がってきた。
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小説・文芸
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