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兄・景一郎といつかは斬り合わなければならない――そう言われて育った日向森之助は15歳に成長していた。居候する薬種問屋の使いとして糸魚川を訪れた森之助は、そこでお鉄という海女に出会う。お鉄たちと過ごすうちに、森之助の前にこれまでで最強の敵・柳生流が現れる。闘うごとに成長し続ける森之助は合流した兄・景一郎、お鉄、そして同世代の仲間たちとともに血飛沫が舞う壮絶な闘いに身を投じていく。北方謙三伝説の剣豪小説シリーズ第4弾。
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Posted by ブクログ
「日向景一郎シリーズ」四巻目。今回は凄まじいビルドゥングスロマン。15歳になった日向森之助の初体験から恋、同年代の少年との交流(心温まるではない)、兄景一郎への複雑な思い、柳生との対決、剣客としての成長が描かれる。あの気色悪い子供だった森之助がとうとう内面を、人間味をもって現れる。しかし、景一郎や多...続きを読む三郎はなんでこんなに無造作に森之助に勝手な命を下すのだろう。可哀相やんけ。それにしても、北方謙三が生み出した人物の中で日向景一郎が最もハードボイルドな存在だ。自分これまで北方ハードボイルドでエンターテインメント小説に目覚め、北方『三国志』を深く愛して、なんとなく史実に基づかない剣豪を描いた時代小説なんて、と敬遠していたが、なんと愚かだったのだろう。こんなに面白いシリーズなのに。今回、森之助が直面させられる状況・敵の凄まじさ、敵である柳生の設定、ストーリー、プロットの組み方、そして何より立ち会いの描写。どれもこれもすごい。あまりの凄さにこちらの精神が受けとめきれず、読み進めることができなくなって何度も頁をめくる手を止めたわ。最終巻、とうとう景一郎と森之助の決着がつく(?)。自分読み通すことができるのか? 怖い。でも読む。
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