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緑豊かな丘の上に建つ洋食屋オリオン。小さな庭にはハーブと自家製野菜が生き生きと葉を茂らせ、看板猫の黒猫ネロがお出迎え。オーナー兼シェフは28歳のくるみ。病気になってしまった祖母から、この店を受け継ぎ、家族の味を守りながら、皆の居場所を作ろうと、はりきって切り盛りしている。そんなお店にやってくる常連客たちが、悩みながらも自分と向き合い、前を向いて歩いていく姿を描く、心温まる連作短編。結婚して婚約者の実家の宿を継ぐことになった女性が、新しい土地と生活に思いを馳せ、不安とともに食べるかにクリームコロッケ。メンタルの病気で会社を辞めた女性が、ネロと出会ったことをきっかけに、自分の新しい道を見つけていくぶどうのタルト。職場体験にやってきた中学二年生の女の子が、母に感謝を伝えるために一緒に食べるビーフシチュー。新しい一歩を踏み出す人々の姿を描く、全5話。
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Posted by ブクログ
2026/09/29
良い話。優しい空気に包まれて癒しと前向きな気持ちを貰える。いつもそうだけど、今回は全話が心に沁み入った。
本って読むタイミングがあると思うんだけど、いま私はこの柔らかい優しさを求めているのだと思う。
嫌な人が一人も出てこない小説を読みたい時もある。
コーンクリームコロッケの話、千早が自然に持ってる優しさにくるみは本当に救われたと思う。「くるみちゃん、お店を手伝ってるとき楽しそうだもんね。お店屋さんするの向いてると思う」とか「うちの学校に転校してきたらいいのに」をさらっと言える千早の素直さに、くるみは閉じこもっていた世界から一歩を踏み出す勇気を貰った。
千早の優しさが今のくるみの優しさに繋がっているように思った。
優しさの連鎖。
広場恐怖症と診断された深月の辛さがわかる。
私も適応障害で仕事を辞めたから。
目眩、吐き気、動機、いろいろな症状に苦しんだ。
深月が少しずつでも前進していってるのが自分のことのように嬉しい。
優しい人の周りには優しい人が集まる。
そうやって『洋食屋オリオン』には優しさの輪が広がっている。
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