ニッポンチ! 国芳一門明治浮世絵草紙
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ニッポンチ! 国芳一門明治浮世絵草紙

小説・文芸
1,683円 (税込)

8pt

3.9

絵師歌川国芳の弟子たちと二人の娘の物語。

明治六(一八七三)年、歌川国芳の十三回忌の施主はただ一人の遺族で〈一勇斎芳女〉と名乗る国芳の次女。だが直前に行方知れずになったりして、どこかつかみ所のない女だ。
追善書画会に顔を揃えた落合芳幾、月岡芳年、河鍋暁斎、歌川芳藤、そして三遊亭圓朝などの弟子たちは、それぞれ新しい時代の生き方を懸命に模索していた。
そして、彼らの心の中には、いつも師匠の国芳がいる。中でも暁斎は、仮名垣魯文と絵新聞を始めると意気盛んだ。のちに日本の漫画雑誌の嚆矢となるこの雑誌は、その名も『日本地(ニッポンチ)』。
結局、弟子たちの生きざまを見届けたのは昭和まで生きたという芳女(お芳)だった。彼女も絵を描いているが、名を残した作品は今のところ三枚続きの錦絵があるだけだ。主に春画や刺青の下絵、皮絵などを描いていたらしい。彼女が最後まで守っていた国芳の遺品とは? そして国芳に終生愛されながら早世した長女の登鯉が、最後に選んだ人生の選択とは?
自身も日露戦争時に『日ポン地』なる雑誌を出していた新聞記者の鶯亭金升は、お芳から話を聞き出していくうちに、思いもかけない〈国芳の孫〉の存在を知る。

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国芳一門浮世絵草紙 の一覧

1~6巻配信中 1巻へ 最新刊へ
1~6件目 / 6件
  • 国芳一門浮世絵草紙1 侠風むすめ
    583円 (税込)
    浮世絵師歌川国芳と娘登鯉をめぐる人間模様 『笹色の紅』で評論家の絶賛を浴びた新鋭作家の、ほのぼのおかしくて、ちょっとせつない書き下ろしシリーズ第1作。  天保の改革で、贅沢なものが次々と禁止になるさなか、見事な戯画で大人気を博した歌川国芳。ついには国芳も奉行所に呼び出され、顔見知りらしかった遠山の金さんと全面対決へ。さて、その顛末はいかなることに!? 国芳と妙ちきりんな弟子たちとが織りなす浮世模様を、国芳の娘の絵師・登鯉の目から格調高く描く。
  • 国芳一門浮世絵草紙2 あだ惚れ
    583円 (税込)
    情と粋がたっぷりの、注目シリーズ第2作! 〈あだ惚れ〉とは、むなしい恋のこと。登鯉の幼なじみの芸者ちょん太が、亡くなった花魁・髑髏太夫の男に恋心を抱く(「裾風」)。13歳の時に天狗にさらわれ戻ってきたという、国芳の女弟子芳玉。その天狗が現れたときの、芳玉の気持ち(「馬埒」)。国芳と北斎とのたった一度の邂逅(「畸人」)。夫婦にと薦められた武士をめぐる登鯉の、心の動き(「桜褪」)。高野長英の脱獄で見せた、遠山の金さんの心意気(「侠気」)。注目のシリーズ第2弾!
  • 国芳一門浮世絵草紙3 鬼振袖
    605円 (税込)
    歌川国芳と娘の登鯉と一門を巡る人間模様 <鬼振袖(おにふりそで)>とは薹(とう)の立った娘の振袖姿のこと。浮世絵師国芳を父に持つ侠風(きゃんふう)な美少女登鯉にも、いつの間にか甘やかな娘時代は過ぎてゆく。初恋の男の凄惨な自死、遠島になった最愛の男との思いがけない再会とその恋の行方、しがらみに縛られて素直になれない若親分への淡い想い……。 一方、相変わらずの即席頓智(そくせきとんち)で発禁覚悟の諷刺画を描きまくって世間の喝采を浴びていた国芳は、遠山が奉行を勤める南町奉行所隠密廻りによって、要注意人物として行状を密かに探索されることに……。昔なじみの金さんがなぜ? 『侠風むすめ』『あだ惚れ』が絶賛された、シリーズ第3弾!
  • 国芳一門浮世絵草紙4 浮世袋
    627円 (税込)
    遠山の金さんと国芳は、恋のライバルだった!? 黒船来航、団十郎(だんじゅうろう)の謎の自殺と揺れる世の中で、江戸っ子浮世絵師国芳(くによし)は吉原でトロロ事件を巻き起こしたりしながらも、機転とユーモアで話題作を次々と生みだしてゆく。 娘の登鯉(とり)は、歌舞伎役者の坂東しうかに刺青(ほりもの)をつけて言い寄られたり、新場の小安とは、素直になれなくてもどかしかったり。 高野長英の娘との思いがけない再会、芸者や花魁の幼馴染(おさななじみ)のじたばた悩んでいる様子には心も揺れる。 そして謎の夜鷹の出現で明かされる登鯉の出生の秘密。 そんな中で、南町奉行所が焼け、遠山の金さんが倒れた! いよいよ佳境の国芳と登鯉をめぐる浮世模様、第四弾!
  • 国芳一門浮世絵草紙5 命毛
    671円 (税込)
    書評家絶賛の書き下ろしシリーズ、完結篇! 世間が開国で揺れる中、登鯉の父である人気浮世絵師の歌川国芳は、一門の弟子たちと、相変わらずの江戸っ子の稚気と覇気でのんびりと暮らしている。  国芳の描いた浅草寺の〈一ツ家〉の奉納額は将軍の上覧にも与り、江戸中の大評判となる。  しかし、そこに安政大地震が発生、その混乱の中で倒れる国芳、ちまたに氾濫する鯰絵、そして国芳の描いた一ツ家の祟りを恐れる不気味な噂も聞こえてくる。  絵筆を握れなくなった国芳、一門を背負うことになった登鯉、そして弟子たちは懸命に活きる道を模索する。さらには登鯉の、もどかしい恋の行方は?  悲しいのに明るくて、笑えるのにせつない、書評家絶賛の書き下ろしシリーズ、ついに感動の完結!
  • ニッポンチ! 国芳一門明治浮世絵草紙
    1,683円 (税込)
    絵師歌川国芳の弟子たちと二人の娘の物語。  明治六(一八七三)年、歌川国芳の十三回忌の施主はただ一人の遺族で〈一勇斎芳女〉と名乗る国芳の次女。だが直前に行方知れずになったりして、どこかつかみ所のない女だ。  追善書画会に顔を揃えた落合芳幾、月岡芳年、河鍋暁斎、歌川芳藤、そして三遊亭圓朝などの弟子たちは、それぞれ新しい時代の生き方を懸命に模索していた。  そして、彼らの心の中には、いつも師匠の国芳がいる。中でも暁斎は、仮名垣魯文と絵新聞を始めると意気盛んだ。のちに日本の漫画雑誌の嚆矢となるこの雑誌は、その名も『日本地(ニッポンチ)』。  結局、弟子たちの生きざまを見届けたのは昭和まで生きたという芳女(お芳)だった。彼女も絵を描いているが、名を残した作品は今のところ三枚続きの錦絵があるだけだ。主に春画や刺青の下絵、皮絵などを描いていたらしい。彼女が最後まで守っていた国芳の遺品とは? そして国芳に終生愛されながら早世した長女の登鯉が、最後に選んだ人生の選択とは?  自身も日露戦争時に『日ポン地』なる雑誌を出していた新聞記者の鶯亭金升は、お芳から話を聞き出していくうちに、思いもかけない〈国芳の孫〉の存在を知る。

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ニッポンチ! 国芳一門明治浮世絵草紙 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    幕末から明治の時代。
    体制も変わるなら、暦も変わる、価値観まで政府主導で変えてしまうといった天と地がひっくり返るような出来事が庶民を襲ったのはこの時代。

    そんな時代の最後の巨匠が、歌川国芳である。

    新聞記者の永井総太郎ことペンネーム鶯亭金升が国芳の娘お芳に聞き語りをしたように書かれているのがこの本。

    その時代の気風も描ききっており、ノンフィクション風小説は記録小説といってもいいほどの仕上がり。

    あまりに膨大な情報が詰め込まれて物語を形成し、読み手にも圧倒的な臨場感を与える。

    幕末〜明治のとんでもない時代、浮世絵師の娘として、才能があるにもかかわらず、あまりに大きな名前の父親を持ったお芳の苦悩にも共感。

    面倒見のいいことで後世にも有名な国芳の個性あふれる弟子たちの生き方も実に丹念に描かれていて、興味は尽きない。

    大満足の1冊だった。

    0
    2020年11月27日

    Posted by ブクログ

     俺が好きな江戸時代の絵師は北斎、若冲、そんで国芳です。

     北斎は画狂の名の通り、様々な描き方のアプローチから、人や自然、風景の本質を描き出す天才肌の変人という見方をしている。
     若冲は、鳥や動物の情景が音まで聞こえてきそうな一瞬の切り取りに長けていると思う。

     そして国芳。
     この人の絵が好きなのは、江戸っ子の粋をビンビンに感じる。
     武者絵のほとばしる躍動感、様々なモチーフに描く猫もかわいい。


     江戸から明治へ、御一新のちの江戸改め東京。
     浮世絵師として名をはせた国芳一門も、時代に乗って活躍する者、時代に取り残される者に分かれていた。

     国芳の弟子たち、月岡芳年、河鍋暁斎、落合芳幾など、国芳亡き後の国芳一門の弟子たちを、国芳の妹娘、お芳の視点から描いている。

     江戸っ子が大事にしてきた価値観が、時代の流れで色あせていく。
     余りに大きかった国芳の背中を思い出す人々には寂しさが残る。


     この本、ホントは国芳と弟子たちを描いた「国芳一門浮世絵草紙」のシリーズものの後日談なのに、いきなり後日談から読んでしまった。
     シリーズを通しで読むべく注文中。

    0
    2020年12月26日

    Posted by ブクログ

    初出 2019〜20年「きらら」

    幕末に没した浮世絵師歌川国芳の弟子たちの、浮世絵が廃れていく明治になってからの歩みを、萬朝報の記者鶯亭金升が国芳の娘のお芳などから聞く。

    1)一勇齊芳女(お芳) 国芳の次女。姉が登鯉の画号を与えられたのに、父の代筆ができるようになっても認められなかった鬱屈を抱える。父の死後は外国人相手の千代紙、春画を書いたり小物の絵付けをし、昭和まで生きた。
    2)芳虎 師匠の作風に似たが破門され横浜絵などを描く。芳藤 おもちゃ絵(工作用)を得意とし、尾張公の若君がお気に入りだった。
    3)河鍋暁斎 幼くして入門したが、狩野派へ行き。維新後は仮名垣魯文と組んで戯作(小説)の挿絵を描き、ポンチ絵の雑誌を出版する。
    4)月岡芳年 輸入された赤絵の具で血みどろ絵を得意とし、上野戦争を見物に行って写生した絵が評判になり、新聞の挿絵などで活躍するが、精神を病む。
    5)芳兼 提灯屋田蝶を経営し、千社札が売れた。
    芳鶴(周延) 高田藩榊原家の家士で、長州征伐、箱館戦争に従軍し、戦争画、風俗画を描く。
    6)三遊亭円朝 噺家の父が出奔し、一時期国芳に弟子入りしたが、父が戻って噺家に。新しい創作噺、怪談噺、芝居噺で人気者に。
    7)芳延 旗本の息子で、浅草で狸茶屋を経営。
    芳春 旗本の息子で芝居好き。新聞挿絵を描く。息子は活動写真のスターに。
    8)芳幾 吉原の茶屋の息子。安政大地震で家と妻を失うが、目撃した情景をスケッチし瓦版と錦絵で大当たり。芳年と競作した無残絵シリーズで人気。時代を見抜く目があり、新聞社設立に参加、写真を模したり器用に取り入れたが、人形制作で失敗。
    9)芳宗(松さん) 最初の弟子で、国芳の助手として色差しをするが、自作が無く国芳の没後仕事が無くなる。娘が売れっ子芸者となったので芸者屋を開業。

    小説というより史実の掘り起こし、評伝の要素が強いのかな。潰しの利く絵師より、彫師、摺師はたいへんだったろうな。

    0
    2020年12月23日

    Posted by ブクログ

    歌川国芳の娘や弟子たちが、まだ江戸っ子気質を残したまま、激動の時代を生き抜いていった。長く生きていれば、様々なことに出合う。悲しいこと愉しいこと、バカバカしいこと、それが人生ってモンだと納得させられる作品。

    0
    2020年12月08日

    Posted by ブクログ

    新聞記者の鶯亭金升が歌川国芳の末娘・お芳に、国芳の十三回忌が行われた明治六年頃を中心に、国芳一門のそれぞれの半生を語るエピソード集。

    同作家さんの「国芳一門浮世絵草紙」シリーズの後日談らしい。シリーズはお芳の姉・登鯉を主人公に据えた騒動記らしいが、そちらを読んでいなくても楽しめた。お侠な登鯉とは対照的に地味なお芳が中年を過ぎて語るスタイルなので落ち着きがあるし、一門の弟子たちの浮き沈みを語りながらもどこか物悲しさもある。

    お芳同様に有名絵師の娘と言えば、お芳に『女絵師なんていうのになったところで、哀れな末路が多い』という例にあげられた北斎の娘・応為。彼女とは対照的に、河鍋暁斎の娘・お豊は『立派な女流画家』になっただけでなく『女で初めての教授』として女子美術大学の教授にも抜擢されるほど出世した。

    お芳の回想の中の登鯉は美人薄命の言葉通り、華やかな人生をあっという間に駆け抜けた女性として描かれている。
    いまだに彼女を想い続ける男たちは多くいて、お芳が惚れて振られた男も後に姉を想い続けていると知る。

    お芳は男性運という点では恵まれていなかったかも知れないが、そんな男たちのせいで困ったときには誰かが助けてくれている。芸術作品としての絵を描く『絵師』ではないが、千代紙など数々の小さな仕事をこなす『絵描き』として身を立てている。
    国芳はじめ一門の人々の思い出と共に絵を描きながら昭和の初めまで生きた彼女と、登鯉の短くも華やかな人生と、どちらが良いかなんて決められない。
    だが有名絵師を父に持つ辛さは応為もお豊も登鯉もお芳も、皆同じだったかも知れない。

    河鍋暁斎と言えば最近読んだ柴田よしきさんの「お勝手のあん」シリーズに登場したのを思い出したが、この作品での暁斎は柴田作品と違って随分やらかしている。
    この時代ならではなのか、国芳一門ならではなのか、暁斎に限らずとかく皆泥酔するまで飲んで大騒ぎして、皆揃って刺青まで入れて遊郭に入り浸って、喧嘩もして、新築の家に絵を描きまくって、めちゃくちゃだ。
    国芳一門の人々は一緒にいたくない人ばかりだが、傍から見る分には楽しい。

    暁斎同様、一門にいたのは僅かな期間だけだったのは落語家の圓朝で、彼の話も別の作家さんで読んだことがあるのだが、こちらでも真面目であちこちに気を使う彼が描かれている。
    絵師も落語家も何がきっかけて売れっ子になるかは分からない。だが売れっ子になったからと言ってずっと上り調子でいられるわけではなく、何がきっかけで落ちぶれるかも分からない。
    圓朝も芳年も思わぬことで足を掬われた。しかし芳年の画の真似ばかりしていた芳幾は仕方ないと言えるかも知れない。

    逆に芳春のようにスパッと絵の道を諦めて別の道に行ったものの、息子が役者として成功して楽隠居出来たり、芳宗のように師匠である国芳の手伝いばかりして自分の絵はパッとしなかったものの、人気芸者となった娘のおかげで一門で一番立派な葬儀まで出してもらった者もいる。
    しかし絵師として成功出来なかったことを本人たちはどう思っているのか。

    結局のところその人の幸福や人生の良し悪しなんて誰にも分からない。本人はパッとしない人生だったと思っていても傍からは十分すぎるほど幸せに見えることもあるし、その逆もあるだろう。

    肝心のタイトルだが「ニッポンチ」とは『日本のポンチ絵(風刺の入った漫画)』を略した造語で、河鍋暁斎と仮名垣魯文が創刊した雑誌らしい。残念ながら三号までしか発刊されなかったそうだ。
    その雑誌のこと自体はエピソードとしてチラッと語られるだけだったが、『ポンチ絵』のように面白おかしく、でもちょっと哀しい皮肉のような一門の人々の人生をパラパラと見せられる作品ということだろうか。

    0
    2021年01月29日

    Posted by ブクログ

    江戸末期〜明治にかけての雰囲気が良く出てますね。おおらか、浮き沈み、個性、粋。有名人が出てくるのもへぇ〜って感じ。もっとこの分野に詳しかったならば、より楽しめたのかもしれません。

    0
    2021年01月21日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「 侠風むすめ」で始まる「国芳一門浮世絵草紙」の愛読者としては,登鯉が小安ではなくその兄に嫁いだことが1章でわかって,すごくショックだったのだけど,最終章でその経緯が明かされて,泣けた.しかも息子が残されたなんて.
    「源助町の親方」が「乃げん」だとわかったときも,はっとしたけど.

    それにしても,時代に翻弄されてみんな哀しい.取り残されても,うまく乗ったように見えても.哀しいけど,国芳の「血」は時代を超えて残っていくんだなあと思った.

    その中で,お芳が「芳」の字をもらったのも,一勇斎を継いだのも,決して考えるのが面倒だった訳じゃなかったと思うよ.

    明治の国芳一門関連では,谷津 矢車「おもちゃ絵芳藤」もおすすめ!

    0
    2021年02月22日

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