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Posted by ブクログ
王都での攻防戦でスタニス・バランシオンの軍勢を下した王家では、〈王の手〉だったティリオン・ラニスターは重症を負い、代わりに入城した、少年王ジョフリーの祖父にして、ティリオンの父タイウィン・ラニスターが〈王の手〉となり、実権を握る。
そもそも小人症で怪異な容貌の上に、さらに重症を負ったティリオンは何とか回復するも、父親の支配のもと、父のやることに皮肉を差し挟むことしかできない立場に戻ってしまう。ティリオンは遊女を一人囲っており、彼女をたいへん愛しているのだが、それを父や姉の太后サーセイに知られると、父の怒りを買い、姉から弱点として利用される恐れがあり、周到に秘匿している。愛こそが彼の弱点となっているのだが、彼の愛は必ずしもラニスター家に向いているわけではなく、家族の不協和音を体現している。そもそもタイウィンがティリオンを冷遇するのには、彼の最愛の妻がティリオンの出産時に亡くなってしまったことも大きく、ここでもまた愛のテーマが響いているのである。
タイウィンはティリオンにスターク家の長女サンサを妻に迎えるという政略結婚を持ちかける。しかしラニスター家にあって、義の人でもあるティリオンにとってこれは大きな試練となる。もちろん、サンサにとっても。
他方、ティリオンの兄、サーセイの双子の弟のジェイミーは、スターク家の捕囚となっている。夫エダードを失ったキャトリン・スタークは、息子の〈北の王〉ロブが戦死することを恐れている。そこにウィンターフェル城が落とされ、次男ブランと三男リコンが死んだという報を受け、悲嘆に暮れつつ、宮廷にいるはずの長女サンサと次女アリアを救出すべく、人質交換のため、独断でジェイミーを王都に送り出す。ジャイミーの護送を担うのは女騎士ブラウエニー。彼女はもともと前の王ロバートの弟レンリー・バランシオンに忠誠を誓っていたが、レンリーがスタニスの放った魔法の力で殺されると、キャトリンの保護のもとに入ったのだ。
ここにおいて冷酷な貴族風にしか見えなかったジェイミーが視点人物として導入され、ジェイミーの立場が明らかになっていく。すなわち、ジェイミーは姉サーセイへの道ならぬ愛に殉じているのである。その点で彼もまた父タイウィンの忠実な息子ではなく、また愛に囚われた男であることがわかる。
そしてこの旅は彼にも過酷な運命を強要していくのだ。
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