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現代社会を覆う閉塞感は,どこからくるのか.大澤自由論の理論的な輪郭が最もクリアに提示される主著が文庫に.「自由の牢獄」「責任論」「〈公共性〉の条件」の三つの章と,ドストエフスキーも援用しながら自由の困難の源泉を探り当て,〈自由〉の新しい概念を提起する章とで構成.河合隼雄学芸賞受賞作.
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Posted by ブクログ
特に深い動機もなく、書店で「新たな【自由】の概念を創造する」というオビに惹かれ購入しました。本書では4つの論文が掲載されていて、それぞれ「自由論」「責任論」「公共論」「資本主義論」と解釈しました。それぞれの論文が実は深いところで繋がっているので全部読むことをオススメしますし、世界中の賢者のアイデアを...続きを読む借用しつつも、著者独自の用語を紹介しながら「大澤ワールド」を展開されていました。 内容ですが、私は哲学や社会学などの専門家ではないため、正直読み進めるのがかなりきつく、1回読み通しただけでは表面をなぞっているだけかもしれないと感じ、さっそく2度目を読み始めました。ただしじっくりではなく折り目をつけたページだけを再び重点的に読む方法です。その意味では良質(最高級と言わないと失礼かもしれません)のスルメのような書籍かもしれません。 著者が冒頭にも述べているように、1章の自由論と4章の資本主義論が比較的読みやすいのに対して、2章の責任論、3章の公共論はややハードルが高く感じました。ただ一貫して感じたのは、著者による陰陽的というか仏教的な論理展開でしょうか。つまり光なくして影はないというか、色即是空のような展開です。一例を挙げると、自由と拘束は対立的だと考えられているが、実は拘束のない自由は存在できないのだ、という主張です。そしてゆきすぎた自由は牢獄になってしまうこと(ミヒャエル・エンデの寓話を使って解説)、よって人間は環境保護倫理のように自由を拘束する存在を望んで求めるようになる、ということでしょう。このパターンは随所に見られました。また自分の中に実は他者性も内在している、という主張がなされていますが、これも個人的には仏教的(特に密教的)なニュアンスを感じました。 繰り返しになりますが、この手の書籍に慣れていない人はかなり苦戦する可能性もありますが、それこそ最高級のスルメを手に入れたと思って、何度も噛んでいると深い味が出てくる本なのだと思います。とても満足しています。
近代は変化が常態化してる社会。 リベラリズムと環境志向主義は真っ向から対立する。 労働する体はその故人に所属することが自明である。 求心化と遠心化 意識的に選択していない行為こそがまさに自由に選択しているように見える 選択は既に好意がなされているときには終わっている。先験的な過去。 そもそ...続きを読むも人間は生まれてくることに対して無責任であり、後続の生きるということは無責任である。 自己の同一性と責任はセット。 根源で奇遇優性。 固有名が偶有的であり、それは他者の承認が必要。 3章 公共性とは、自由と平等な開放性が満たされる社会的な状態。 生命維持のゾーイと、徳を持って生きるビオスがある。 資本主義とは広義の徴用である。 多すぎる差異ではなく、単一の際にこそ固執すべきである。 資本主義の特緒は資本蓄積の無限制であり、余剰価値への欲望である。 他人への意識が自由に大切。
とてもわかりやすい文章。 サクサクと頭に入る。 理解がしやすく、その上、あたらしい。 感動の一冊でした。
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自由という牢獄 責任・公共性・資本主義
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大澤真幸
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