イギリスに暮らす悦子は、娘を自殺で失った。喪失感に苛まれる中、戦後混乱期の長崎で微かな希望を胸に懸命に生きぬいた若き日々を振り返る。新たな人生を求め、犠牲にしたものに想いを馳せる。『女たちの遠い夏』改題。

ジャンル
出版社
早川書房
掲載誌・レーベル
ハヤカワepi文庫
ページ数
280ページ
電子版発売日
2012年03月30日
コンテンツ形式
.book
対応端末
  • Lideo
  • Win PC
  • iOS
  • Android
  • ブラウザ
  • DB50

遠い山なみの光

Posted by ブクログ 2018年07月08日

物語は、イギリスに住む日本人の悦子とその次女ニキとの会話、そしてニキが帰省したきっかけに思い出した、まだ長崎に住んでいた、朝鮮戦争の頃の出来事で進む。回想部分の遠い終戦直後は、当事者の古式ゆかしい上品な日本語の会話で進み、読み終わるとなにか圧倒する昔の風景や息遣いが周りに満ちてきて、一瞬その風景の中...続きを読む

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遠い山なみの光

Posted by ブクログ 2017年07月13日

悦子:原節子
佐知子:岩下志麻or岸田今日子or久我美子(←キャラ的に微妙)
緒方:佐分利信
二郎:中村伸郎or佐田啓二(←離婚した経緯による)
藤原:杉村春子
こんなキャストの小津映画を観ている錯覚に陥った。

でもそれ以上に真里子のキャラが一番気になった(サラバ!の姉に匹敵する位)。
読後は「景...続きを読む

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遠い山なみの光

Posted by ブクログ 2015年09月17日

とても海外の作家が書いた作品とっか思えないくらい鮮やかあ日本の原風景であり、敗戦によって価値観の大きな変化に翻弄されて混乱する人々の心情を見事に描いていると思う。小野寺先生の翻訳の質の高さという面もあるのかもしれないが。

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遠い山なみの光

Posted by ブクログ 2018年06月17日

登場人物が淡々と過去を振り返るのが著者の作風だけど、デビューからそれは一貫してるんだな。悦子の過去の語られていない部分が怖そうで、知りたいような知りたくないような。

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遠い山なみの光

Posted by ブクログ 2018年05月24日

カズオ・イシグロによる超傑作です。
個人的には「日の名残り」の次に思い入れのある作品です。
舞台は第二次世界大戦直後の港町の九州・長崎。主人公は若夫婦の悦子。誰もが苦汁を味わった時代において、登場人物同士の会話が見事に噛み合わない。果たして、現実はその通りだと思います。
見返りを求めない、自分の考え...続きを読む

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遠い山なみの光

Posted by ブクログ 2018年01月15日

遠い記憶の中の会話が延々 暗くぼかされながら うんざりするほど続く

中断 休憩 作者について読んでみる 

作者は1954年生まれ
薄れていくあの頃の記憶を残しておくためにこの本を書いたという。

ほぼ同世代の自分も当時の思い出に心地よくひたることがある まわりの大人から聞かされた話しも含めて ...続きを読む

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遠い山なみの光

Posted by ブクログ 2018年01月04日

一気読み。
一気に読まなかったらきっと怖さが増していたに違いない。ぞぞぞぞ…と後から来る寒気に似た恐怖。
会話のざらざらした感じがとてもリアル。ホラーすぎる。こわいー。
書かれてないところ多いんだけど、そのあえての空白がうまいと思った。なんともなしに読み終えても考えてしまう。その空白がこわい。次へ次...続きを読む

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遠い山なみの光

Posted by ブクログ 2017年11月01日

最初の長編で、主人公が日本人で長崎が舞台だから読みやすい、というのを受けて読んだ、初めてのカズオイシグロ作品。
なんなんだろう、この独特の感覚は。はじめは、戦後という時代背景や、当時の女性の言葉遣いとか、あるいは翻訳によるニュアンスなどと感じていた独特の薄暗い(でもほの明るい)印象が、徐々にこの作者...続きを読む

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遠い山なみの光

Posted by ブクログ 2017年10月09日

ノーベル賞おめでとう記念で読み直し。

噛み合わない会話がずっと続く。
読んでる間中、不安な気持ちが続いて気持ちが悪くなる。

一瞬の間に色々なことが変化するけど、その変化に適応するのは大変だし、対応しないのも苦しいし。
いったいどうすればいいのかはわからない。

苦い気持ちになって終わった。
結局...続きを読む

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遠い山なみの光

Posted by ブクログ 2017年08月19日

カズオ・イシグロは小津映画を観ていたのだろうか。
この物語は徹頭徹尾、会話により展開される。悦子と隣人の佐和子、悦子と義父の緒方、そして後年の悦子と娘のニキ。それぞれの会話展開に、佐和子の娘の万里子、夫の二郎、死んだ長女の景子が影を落とす。影を落とすだけでなく、家族関係が絡まってすれ違いトークが繰り...続きを読む

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