「痴呆老人」は何を見ているか

「痴呆老人」は何を見ているか

660円 (税込)

3pt

「私」とは何か? 「世界」とは何か? 人生の終末期を迎え、痴呆状態にある老人たちを通して見えてくる、正常と異常のあいだ。そこに介在する文化と倫理の根源的差異をとらえ、人間がどのように現実を仮構しているのかを、医学・哲学の両義からあざやかに解き明かす。「つながり」から「自立」へ――、生物として生存戦略の一大転換期におかれた現代日本人の危うさを浮き彫りにする画期的論考。

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「痴呆老人」は何を見ているか のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    新書やビジネス書を読むときは、面白いと思った箇所に
    付箋を貼ったりするのだけれど、これほどたくさんの付箋
    を貼った新書はこれまでになかったと思う。気づきを与えて
    くれた点や、思わず唸って納得したりする点が随所にあって、
    得るものが多かった一冊。

    この本の内容をタイトルだけで推測するのは早

    0
    2018年12月08日

    Posted by ブクログ

    タイトルの付け方がうまいが、内容も高齢者だけでなく、人間万人に通じる深さを持っている。知性にもました情動の大切さ、自立の強調の偏狭さの指摘は身につまされた。一種の文明論である。痴呆老人やひきこもりだけでなく、乳幼児、知的障がい者からも同じ様な洞察が導かれるのではないかと感じた。「つながり」から「自立

    0
    2012年12月21日

    Posted by ブクログ

    認知症という抽象的な呼び名で、その実態を不明確にしてしまった高齢者の痴呆を赤裸々に描写しつつ、そこにある種の愛情さえも感じさせられる著者の眼差しに共感を覚える。

    0
    2012年08月06日

    Posted by ブクログ

    認知症であると診断された肉親などを持つ方々だけでなく、多くの人に読んでもらいたい本だと思いました。老人だけでなくひろく人間というものに必要なものがなにかを教えてくれます。
    この本を読んでいるのといないのとでは、身内に認知症患者やその他引きこもりや統合失調症などの精神疾患患者が出た時のショックの度合い

    0
    2010年11月14日

    Posted by ブクログ

    この本を読むと、きっと人に優しくなれる。
    改めて人の一生を考えさせてくれる一冊。

    前半は痴呆老人の現実。
    後半はそれをもたらす深層心理についてで、
    ユングや池田晶子を簡単にしたような感じ。
    すごくわかりやすい。

    自分たちの思考回路が、
    日本人という人間であることに深く起因していることに気づく。

    0
    2010年08月29日

    Posted by ブクログ

    ただの認知症解説の本ではありません。痴呆を入口として自己のあり方、日本文化へと広がっていきますので読み手は後半考えさせられますね。第5章あたりから。終末期医療で無力感を感じるときに。噂には聞いてたけどこの著者はスゴイ方です。

    0
    2010年04月18日

    Posted by ブクログ

    痴呆老人への診療体験を通して「自我」について考察.人が「私」をつくる過程では社会•他者とのつながりが重要で,認知症の老人にも何かしらつながりを与えると自我を捉えることができ落ち着くらしい.認知症への不安についての問いかけで,欧米人は自分の自立性がなくなることが不安と答えるのに対して,日本人は他者への

    0
    2011年12月25日

    Posted by ブクログ

    [ 内容 ]
    「私」とは何か?
    「世界」とは何か?
    人生の終末期を迎え、痴呆状態にある老人たちを通して見えてくる、正常と異常のあいだ。
    そこに介在する文化と倫理の根源的差異をとらえ、人間がどのように現実を仮構しているのかを、医学・哲学の両義からあざやかに解き明かす。
    「つながり」から「自立」へ―、生

    0
    2011年05月21日

    Posted by ブクログ

    痴呆老人の奇異な言動の背景には、痴呆老人独特の世界の解釈方法が存在する。というのは、痴呆老人はそれまでの人生におけるアイデンティティを発揮できるような環境の構造を、そのまま今の状況にあてはめ、それに沿った行動をとることが多い、ということ。以上が筆者の痴呆に対する考察だと思われる。(人間とは、自分の置

    0
    2010年10月28日

    Posted by ブクログ

     著者の大井玄さんは、医者で、終末期医療や痴呆(「認知症」という言葉は使わないそうです)について見識の深い方。
     その著者が、この本では、痴呆の要因や、痴呆老人がどのように現実の世界と関わっているかについて考察しています。 また、そこから派生して、“「私」とは何か”“多重人格”“ひきこもり”について

    0
    2010年07月27日

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