新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙IV

新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙IV

ラノベ
781円 (税込)

3pt

4.4

ウィンフィール王国第二位の港湾都市ラウズボーン。ニョッヒラを出て初めての大都市に心躍らせる賢狼の娘ミューリと、教会変革の使命を胸に燃やすコルだったが、二人を待ち受けていたのは、武装した徴税人たちだった。
ハイランドの機転で窮地を脱した二人。どうやら「薄明の枢機卿」と讃えられるコルの活躍が、皮肉にも王国と教会の対立に拍車をかけていることを知る。
このままでは、戦争を避けられない。打つ手無しの中、コルに助け船を出したのは、ロレンスのかつての好敵手、女商人エーブだった。
神をも畏れぬ守銭奴は、果たして敵か味方か。コルは教会、王国、商人の三つ巴の争いに身を投じる――!

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狼と羊皮紙 の一覧

1~13巻配信中 1巻へ 最新刊へ
1~13件目 / 13件
  • 新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙
    737円 (税込)
    聖職者になる夢を志す青年コルは、恩人のロレンスが営む湯屋『狼と香辛料亭』を旅立つ。ウィンフィール王国の王子に誘われ、教会の不正を正す手伝いをするのだ。そんなコルの荷物には、狼の耳と尻尾を有した美しい娘ミューリが潜んでおり――? かつて賢狼ホロと行商人ロレンスの旅路に付き添った放浪少年コルは青年となり、二人の娘ミューリと兄妹のように暮らしていた。だがお転婆なミューリはコルの旅立ちに反対し、こっそり荷物に紛れ込み家出を企てたのだ。『狼』と『羊皮紙』。いつの日にか世界を変える、二人の旅が幕を開ける!
  • 新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙II
    759円 (税込)
    港町アティフでの聖書騒動を乗り越えた青年コルと、賢狼の娘・ミューリ。恋心を告げて開き直ったミューリから、コルは猛烈に求愛される日々を送っていた。そんな中、ハイランド王子から次なる任務についての相談が。今後の教会勢力との戦いでは、ウィンフィール王国と大陸との海峡制圧が重要になってくる。そのため、アティフの北にある群島に住む海賊たちを、仲間にすべきかどうか調べて欲しいというのだ。海賊の海への冒険に胸を躍らせるミューリであったが、コルは不安の色を隠せない。なぜなら海賊たちには、異端信仰の嫌疑がかけられていたのだ。彼らが信じるのは、人々が危機に陥ると助けてくれるという“黒聖母”。不思議な伝説が残る島で、二人は無事任務を遂行することができるのか――。
  • 新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙III
    737円 (税込)
    聖職者志望の青年コルの旅の連れは、「お嫁さんにしてほしい」と迫ってくる賢狼の娘ミューリ。海賊の島から出た二人は、嵐に巻き込まれウィンフィール王国の港町デザレフにたどり着く。教会が機能していないその町で、コルは「薄明の枢機卿」と呼ばれ、まるで救世主のような扱いを受けることに。そしてコルはミューリの求愛に向きあうべく、自らを「兄様」と呼ぶことを禁止し、関係を変化させようとするのだった。そんなコルたちの前に、イレニアと名乗る商人の娘が現れる。彼女はなんと羊の化身であり、“ある大きな計画”に協力してほしいと持ちかけてきて――?
  • 新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙IV
    781円 (税込)
    ウィンフィール王国第二位の港湾都市ラウズボーン。ニョッヒラを出て初めての大都市に心躍らせる賢狼の娘ミューリと、教会変革の使命を胸に燃やすコルだったが、二人を待ち受けていたのは、武装した徴税人たちだった。  ハイランドの機転で窮地を脱した二人。どうやら「薄明の枢機卿」と讃えられるコルの活躍が、皮肉にも王国と教会の対立に拍車をかけていることを知る。  このままでは、戦争を避けられない。打つ手無しの中、コルに助け船を出したのは、ロレンスのかつての好敵手、女商人エーブだった。  神をも畏れぬ守銭奴は、果たして敵か味方か。コルは教会、王国、商人の三つ巴の争いに身を投じる――!
  • 新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙V
    737円 (税込)
    神をも畏れぬ女商人エーブの謀略を見事に退け、王国と教会による戦争の危機を回避したコルとミューリ。  騒動も落ち着く頃、コルは自らを慕ってくれるミューリとの関係をはっきりさせなければとあれこれ知恵をひねり、ある方法を思いつく。  そして調べもののため、かつて訪れたブロンデル修道院を目指す道中、コルとミューリは行き倒れの少年ローズと出くわすことに。彼はミューリの尻尾が飛び出るほど高名な聖クルザ騎士団の見習い騎士で、世界最強の騎士団が、悪名高い“薄明の枢機卿”のせいで壊滅状態だと訴えてきて――!?  一時の休暇のはずが、またしても大事件勃発のシリーズ第5弾!
  • 新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙VI
    759円 (税込)
     破滅へと向かう聖クルザ騎士団の窮地を救ったコルとミューリ。彼らの騎士としての在り方に絆の答えを見つけたコルたちは、二人だけの騎士団を結成する。  憧れの騎士という肩書きに夢中になるミューリだが、立場上コルに素直に甘えられなくなり、頭を悩ませることに。そこにハイランドから、麦の大生産地・ラポネルの調査依頼が舞い込む。  賢狼の娘ミューリは麦の産地と聞いて意気込む。しかしその地の元領主ノードストンには、悪魔と取引しているという不穏な噂があった。そして、王国と教会の争いを解決する可能性を秘めた新大陸発見への手助けを“薄明の枢機卿”コルに持ち掛けてきて――!?
  • 新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙VII
    803円 (税込)
     死者の乗る船が渡来する港町・ラポネルでの騒動を後にして、コルとミューリは再びラウズボーンへの帰路につく。  教会の不正を糺し、王国との争いを収める決意を新たにするコル。賢狼の娘ミューリはというと、理想の騎士冒険譚を執筆するのに大忙しな様子で。  そして、ラウズボーンへと戻った二人を待っていたのは、ハイランドと教皇庁の書庫管理を務めるカナンだった。カナンは“薄明の枢機卿”コルによる聖典俗語翻訳をさらに世に広めるため、教会が禁じた印刷術の復活を持ち掛ける。  さっそく職人を探すこととなったコルとミューリ。だが、教会から追われる身の職人は協力する代わりに、『心を震わせる物語』を要求してきて――!?
  • 新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙VIII
    748円 (税込)
     いがみ合う王子たちを馬上槍試合をもって仲裁したコル。ウィンフィール王国内での争いが終息したのも束の間、コルたちの前に使者が現れる。使者の目的は八十年ぶりに開催される公会議に、“薄明の枢機卿”の出席を請うものだった。  公会議開催の真偽確認をカナンに任せ、コルとミューリは聖典印刷の計画を進めるべく、資材の確保と新大陸の情報を求めて大学都市へ向かう。  そこはかつてコルが放浪学生として過ごした街。だが、その街を二分する大騒ぎが勃発し、その中心には”賢者の狼”と名乗る人物までいて――!?
  • 新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙IX
    726円 (税込)
     狼の化身ルティアが抱えていた心の呪縛を解き、教科書を巡るアケントでの争いに終止符を打たせたコル。目的であった聖典印刷の目処も立ち、いざ公会議に向け、コルたちは準備を始めるのだった。  全世界の聖職者が集う公会議、来るべき論戦を優位に進めるべく、一人でも多くの味方集めが重要となる。だが、その出鼻をくじくように“薄明の枢機卿”の名を騙る偽者が現れたとの報せが届く。  聖堂都市エシュタットの圧政に立ち向かう“薄明の枢機卿”の名の許に建てられた希望の街オルブルク。かねてからの謙遜が仇となり、自分が本人であると証明できないコルは決断を迫られる――。
  • 新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙X
    770円 (税込)
     エシュタットを騒がせた“薄明の枢機卿”を騙る偽者を成敗し、身に余るふたつ名を背負う覚悟を決めたコル。傍らに並び立つ、人呼んで太陽の聖女・ミューリもどこか誇らしげな様子。  公会議に向けた準備も大詰めのところ、二人の下にエーブの部下で羊の化身・イレニアが投獄されたとの報せが届く。  しかも投獄先は山岳都市ウーバン、七人の選帝侯のうちの一人、傭兵王を名乗るデュラン選帝侯が治める要害の地。  姉と慕う彼女の窮地を救わんと鼻息荒いミューリは、早速イレニアを助けに行こうと計画を練るが、どうやらイレニアは選帝侯お抱えの天文学者を誘拐した罪に問われていて――。
  • 新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙XI
    770円 (税込)
     蝕の予言を巡り争ったルウィック同盟を説き伏せ、見事に天文学者アマレットの奪還を成し遂げたコルとミューリ。  しかしそれは、デュラン選帝侯の威信をかけた計画が白紙に戻ることを意味していた。苦難の中、アマレットがもたらした一縷の希望――かつて古代帝国軍の北への行軍を阻んだとされる月を狩る熊が月を落とした地の伝承だった。  もし教皇庁まで通ずる新道の開削が為せば、侯の権威と命脈を保ち、教皇庁の喉元に刃を突きつけることとなる。  ゴブレアとバーリンドの選帝侯も加わり、南北に分断する要衝の調査に乗り出したコルとミューリ。だが、二人の前に月を狩る熊の伝承者が立ちふさがる――!
  • 新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙XII 羊たちの宴<上>
    792円 (税込)
    コルを殉教者に仕立て上げようとした異端審問官ローシェと選帝侯たちの非道な計画は、空から駆け付けたディアナの協力により砕かれた。  無傷の生還という偉業は、帝国内に薄明の枢機卿の名声をますます轟かせ、コルを一目見ようとウーバンは謁見を願う者たちで溢れかえることに。  そして、多忙な兄を支えるミューリの下にも真面目で頑固なコルを説得してほしいと陳情が集まり……。  そんな中、薄明の枢機卿の暗殺計画が再び持ち上がって!?  上下巻でお贈りする、賢狼の娘と若き羊皮紙が世界を変える運命の前夜祭!
  • 新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙XIII 羊たちの宴<下>
    924円 (税込)
     教会の改革を誓ったコルの決意は、ともに歩んできたミューリやハイランド、そして旅の途中で出会った仲間たちの支えによって揺るぎない意志へと変わった。  しかし、薄明の枢機卿に寄せられる民衆の期待が高まる一方で、教皇庁に潜入していたルティアとカナンは静かに蠢く異変に気付く。それは改革を快く思わぬ旧勢力による、禁断の聖遺物≪神の錫杖≫を用いた策謀だった。 「では、行きましょうか、羊たちの宴へ」  それぞれの思惑が渦巻く公会議、新たな時代を告げる舞台の幕が上がる――。  聖職者コルと賢狼の娘ミューリ、世界を変える冒険譚、堂々完結!

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新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙IV のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ウィンフィール王国の港湾都市ラウズボーンで、王国公認の徴税人と教会の対立を知る。「薄明の枢機卿」コルとミューリは、徴税人、教会、商人らの争いに、ハイランド、エーブらと介入する。
    徴税人の副組合長で鷲のシャロンは大司教を父にもち、捨てられたことで教会に恨みを持っていた。エーブは王国と教会の対立の中で商売を一手に引き受け利を得ようとしていた。
    王の軍勢がラウズボーンに向かいつつあり、徴税人たちは武器をもって教会に押しかける。
    大聖堂から空を飛ぶ鳥にひかれて紋章旗が飛び出し、野良犬や豚や鶏が集まって祝福するという演出の中、大司教ヤギネからクラークは修道院をひらくための特許状を下される。

    0
    2019年04月06日

    Posted by ブクログ

    いやあ、すごく良かった!
    シリーズ4作目にしてもっとも胸に来る面白さだった。

    コルとミューリの旅の4話目。
    本作ではあのエーブが登場する。
    前シリーズで何十人と登場した人物たちの中で、主人公たち以外で最も強烈な印象を残した人物。
    ロレンスと命を懸けたやり取りをしたある意味ライバルだ。
    帯の「神をも畏れぬ守銭奴」はまさに彼女のことを的確に言い表している。

    そして、そんなエーブとコルとのやり取りは、毎回ヒリヒリするような緊張感と一瞬先は奈落かもしれない恐れに満ちていて、毎回息が詰まった。
    いやこのやり取りこそ、前シリーズ含めこのシリーズの醍醐味だよ。
    けれどロレンスさえ手玉に取ったエーブにコルが普通の方法で勝てる訳がないのだ。
    金の為なら自分の命さえ掛ける商人の天秤をコルが動かすことなんてできはしない。
    そして追い詰められて追い詰められて負ける寸前での大逆転。
    コルは商人とは全く違う方法で傾く天秤の脇をすり抜けて見せた。
    いやあ、これだよ! うん、実にいい。
    ラストの希望に満ちた明るさが心地いいね。

    さて、なんだかここで一区切りでもよさそうな展開だけど、次はどんなお話が待っているのか、期待したい。
    そしてエーブのさらなる登場も期待したい。
    ​

    0
    2019年04月03日

    Posted by ブクログ

    面白かった。ミューリがどんどん可愛く賢くなっていくのが見ていて飽きない。相変わらず話の筋は簡単なことを難しく書いてるようで煙に巻かれている感じはちょっとするが、それでもどんどん先が気になってしまう。

    0
    2019年03月29日

    Posted by ブクログ

    1、2巻がかなりあかんかったが、3巻から面白くなってきたなと思っていたら、この4巻。大変エンジョイした。個人的には、話だけではなくちょっとでもロレンス夫妻に登場してほしかったが、それは叶わず。コルとミューリのバランスもよくなってきて、良くも悪くも香辛料の香りが漂うが、吉本新喜劇みたいで大変安心安定の良さ。今回のシャロンなど、多くの人間でないキャラクターが出てくるのが大変好ましい。

    0
    2019年05月15日

    Posted by ブクログ

    前の巻から1年半も間隔が開いて、もしかして打ち切り?なんてちょっと心配になったシリーズ第4巻。作者が「狼と香辛料VR」を作っていたからだそうなので一安心です。作者のシリーズに対する熱意や思い入れは大事です。

    ていうか、帯に「コミカライズ始動」ってありますがマジですか。打ち切りどころではないじゃありませんか。もしかして再度アニメ化されたりして(さすがにないか)。楽しみにしておきます。

    待たされた分、貪るようにラストまで読み進みました。

    この巻で化けたのはコルです。
    ダメンズだったコル坊は成長しました。世界の3/4が見えていないことを正直に認め、恥ずかしい二つ名が一人歩きしていることすら利用しながらも、自分の正義は曲げないコルなりの強さをミューリにも、そしてエーブ・ボランおばさまにも見せ付けています。
    ボランおばさまに翻弄されつつ、その切り札を見破る鋭さは義父(候補)のロレンスに肩を並べることができたかもしれません。

    一方ミューリは、今回は荒事担当でした。
    照れてしまって「兄様」呼びを変えられないまま(母の「のう、ぬしよ」呼びはは偉大です。「ねえ、あなた」はミューリには20年早そうですし)、コルには見えない世界の残り3/4を見通し、兄さまの剣となり盾となって活躍します。
    …ただ、ミューリの可愛いところが今回少ないのです。ハイランドやらエーブ・ボランに焼き餅焼いているか、狼になっているかのどちらかです。1巻の頃の「銀色のモフモフが飛び跳ねている」ようなところをもっと増やして欲しいかな。

    そして今回のゲスト(ゲストなのかな?もしかしたら今後物語に深くかかわってきそうな感じもありますが…)、エーブ・ボラン。
    上のほうでおばさま呼ばわりをしてしまいましたが、もともと持っていた危うさはそのままに、金の力で妖艶さを加えて魅力に磨きをかけています。今回は、王を脅しつつ商人を取りまとめて全員で教会を裏切り、さらに取りまとめているはずの商人を裏切って切り捨てる算段までした上に裏切っているはずの教会の司教を脱出させる準備までしているという底知れなさは相変わらずです。

    今回あっさり青二才のコルに出し抜かれたのは、もしかしたら過去の思い出とコルが手元に欲しい思いが邪魔をしたのか、それとも意図的に手抜きをしたのかもしれません。金以外に信用できるものとしてコルを欲し、人ならざるものたちの真実を知る彼女は、今後もしコルたちが新大陸を目指す展開になるのであれば金主になるのかもしれません。

    さて、宗教改革の炎が上がり、コルの後ろ盾になっているハイランドの本拠地であるウインフィール王国。コルとミューリはいよいよその国の第二の都市に上陸しました。
    この後、王都で王に謁見することになれば、宗教改革に関する話はクライマックスを迎えることになるのでしょうけれど、第二の都市から王都までは(距離的には)目と鼻の先です。
    旅という視点からは、もう目的地に着いちゃった、あんまり旅してないなあ、呆気ないなあという感じがあります。
    今のところ「香辛料」シリーズと並行して4冊ずつ刊行されていますが、仮に同じ労力を「羊皮紙」だけを出すことに使っていれば今の2倍の8巻が出ている(乱暴な仮定ですが)勘定です。これは物語中盤としてふさわしい冊数のはずです。「香辛料」の8巻ではまさにそのボランと裏のかきあいと大立ち回りをやって盛り上がっていた頃。「羊皮紙」は半分のボリュームで同じところまで来ちゃったのかなと物足りなく思います。もう少し、いえ、もっともっと、旅を続けて欲しい。

    そして、気になるのが今後の展開です。
    新大陸と月を狩る熊の話が繰り返し出てきて、本当にミューリとコルの二人、もしかしたらホロとロレンスを含めた4人で新大陸に渡る展開があるかもと期待してしまっています。前にも書きましたが、プロテスタントの神父は結婚できるようなので、ミューリの懸念も解消します。
    そんな中、意外だったのは「月を狩る熊」の足跡が海底にあるという話。大きさやその強さなど、もしかしたら「熊」は何かの例えや象徴(未来の科学技術とか、環境の大変化とか)かもしれないと思っていたのですが、海底に足跡があるのであればやはり人ならざるものなんでしょうか。なぜ他の人ならざるものを滅ぼしたのか、新大陸に渡って何をしているのか、そしてそんなところまでこの物語が語り継がれるのか。

    ぜひ、次の巻は半年くらいのインターバルで出してください。お願いします。

    0
    2020年10月30日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    この第四巻では物語も序盤の導入を終え、いよいよ王国側と教会側の対立が本格的に描かれ始めている。内容も「ここから話が一気に動きそうだな」と感じさせる展開で、先の展開が気になってくるところだ。とは言っても、全体の雰囲気はライトノベルらしく明るさが保たれているので、重くなりすぎず、安心して読み進められるのがこのシリーズの良さでもある。

    スピンオフの元となった『狼と香辛料』シリーズは、行商人のロレンスと相棒のホロが旅をしながら、行く先々で事件に巻き込まれていく物語だった。一方で、この『狼と羊皮紙』シリーズは、最初から「教会改革を成し遂げたい」という大きな目標が置かれている。そのため、物語を読み進めていると、冒険というよりも政治的な駆け引きが前に出てきたな、という印象を受ける。『香辛料』シリーズとはまた違った読み味になっているのは、こうした前提の違いが効いているのだと思う。背景として登場するのも『香辛料』では商会だったが、『羊皮紙』では王国や教皇庁といった固い組織になった。

    そしてこの第4巻では、物語の空気がさらに一段階変わってくる。劇中の言葉を借りるなら、コルの活躍によって、これまで危ういながらも保たれていた王国と教会のバランスが、少しずつ崩れ始めてしまった、ということになる。読んでいても、「ああ、もう元には戻れなさそうだな」と感じさせる。

    こういったストーリでは、主人公が自分の得意なことをしているだけなのに、いつの間にか大きな騒動に発展してしまう、というのはよくある展開だ。ただ本作の場合、視点が終始コルとミューリに固定されているせいか、当人たちはそこまで事態を深刻に捉えていないのに、周囲だけがどんどん盛り上がっていってしまう。その温度差が読んでいて少し怖くもあり、同時に面白くも感じられる。これが映画や硬めの小説だと、別の場面・別の時間の出来事が神の視点から挟み込まれたりするだろう。

    そしてさらに話をややこしくしているのが、コルの背後にロレンスとデバウ商会という大きな後ろ盾があることだ。本人はあまり意識していないものの、その影響力は想像以上に大きい。本作で再登場し、相変わらず裏で動き回っているエーブ・ボランとの関係も、ロレンスやホロの存在がなければ成立しなかったことを思えば、二人はロレンスの見えない大きな庇護のもとで活動しているとも言える。



    今回はこの再登場したエーブが裏で糸を引く商人たち、教皇庁と現地の教会、そして王国内の権力争いが入り乱れ、話はかなり複雑になっていく。正直なところ、これまでのシリーズ以上に情報量が多く、Audibleで途切れ途切れに聞いていると、「あれ、今どことどこが争っていたんだっけ?」と立ち止まってしまう場面もあった。それでも、少しずつ状況が整理されていく過程は読みごたえがある。



    最終的には、いつものように「人ならざるもの」たちの力とコルの機転によって、物語はなんとかハッピーエンドに収まる。ただ、そこに至るまでの道のりはこれまで以上に険しく、文字通り危機一髪の連続だった。読み終えたあとには、「今回は本当に危なかったな……」という感想がまず浮かぶ。

    その一方で、このまま進めば、いつかどこかで大きな戦争が起きてしまうのではないか、という不安も感じさせられる。ただ不思議なことに、このシリーズに関しては、「まあ最終的には何とかなるだろう」という安心感も同時にある。そのバランス感覚が、この作品らしさなのかもしれない。次の巻では、王国内の権力争いがさらに激しくなっていきそうで、今から少し身構えている。

    最後に気になった点として挙げたいのが、ミューリがかなりあっさりと自分の正体をエーブに明かしてしまったことだ。これまでのシリーズでは、エーブはホロの正体に薄々気づいていながらも、実際に狼の姿を目の前で見ることはなかったように思う。

    百戦錬磨のエーブのことだから、ホロやミューリが「人ならざるもの」だと知っても動じないのは分かる。それでも、「こんなに簡単に正体を明かしてしまって大丈夫なのだろうか」と、少し心配になってしまった。このあたりは、落ち着いているように見えるコルよりも、やはりロレンスの方が大人としての慎みや思慮深さを持っていたのかもしれない、などと思いながら読み終えた。

    0
    2026年01月06日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     舞台はウィンフィール王国の大都市ラウズボーン。
     教会(腐敗してるけど、万国共通の権威であり商人としてはメリットもある)・王国(商人が信頼を寄せるにはまだまだ頼りない。国際法も主権国家体制もありはしない)徴税人(商売の邪魔だけど、教会の腐敗を糺す存在かも、との期待もある)、これらをうまく操り利益を貪ろうとする商人が物語を引っ掻き回し、コルたちは翻弄される。

     いちいち言うまでもないが、腐敗した教会の〇〇をぶっ殺せ的な考えは広い視野で見たらまあそうあってほしいという物語であって、結局は長い歴史の中で成立した、ベストではないにせよ成り立っている制度だ。qwertyキーボードのような。
     そこに正しいキリスト教(キリスト教とは名言されていないが、宗教改革とか西方の新大陸とか、16世紀をイメージしているのは明らかだろう。ニーチェの引用とかあるし、あくまでファンタジーだけど)のあり方とは?と一石を投じ(てしまっ)たコル。それは教義に沿ったあり方を求めれば清いことなんだろうけど、教義に沿ったあり方が人間にとってタイヘンだから解釈を変更するなり抜け道作るなりして折り合いをつけてゆく、というのが従来の後ろ向きかつ現実的な解決手段だった。聖職者だってエッチなことはしたいわけで。
     そういった意味じゃ教義と人間の欲望が割とマッチしてる資本主義ってすごいなって思った。この物語では商人が滅茶苦茶強いけど、実際の16世紀には資本主義なんて言葉すらないわけで、実際のところ商人の力というのはどんなもんだったんだろう。経済史として調べてみるのも面白いかも(そもそもこの辺りの時代は知識がないし)。

     現実の世界史においては、宗教改革はここから17世紀まで血みどろの宗教戦争を巻き起こす。本作がライトノベルである以上、虐殺事件なんてそうは描かないだろうし、ウィンフィール王国が地理的にイギリスっぽいこと考えたら(国名はオーストリアっぽいけど)うまいこと平和裏にウィンフィール国教会ができあがったりして、しかもそれが商人も各国もうまくやっていける教義になって、良い感じに大陸側にも伝播していくみたいな超ハッピーエンドもあったりするのかな?なんて思ったんだけど、そんな歴史的大風呂敷を畳めるのはそれこそ神くらいだろう。

     全く関係ないが、3巻と4巻冒頭に出てきた羊の化身イレニア・ジゼルは、おっとり系ゆるふわショートボブで、しかも揺るぎなき強い心があって若干年上のお姉さん的なオーラも醸し出しており、とどめに数少ない挿絵も可愛くて非の打ちどころがなかった。
     西にあるという未知の大陸というのは現実でいうところのアメリカ大陸を意識しているのだろう。ラウズボーンという街の名前も、モデルは大航海時代に世界商業の中心だったリスボンだろうし。
     現実においては迷える子羊がコンキスタドールとなり、捉え方によっては歴史的な文化破壊行為及び大虐殺を行った。『狼と羊皮紙』の世界では彼女の「人ならざる者たちの国をつくる」という壮大な夢がどのように紡がれるのか。コルテスやピサロのような大虐殺を行い果ては悪名高き三角貿易に手を染めるイレニアも見たいし、平和な国を築き上げるイレニアも見たい。外伝か何かで読んでみたいなと思った。『羊と狼皮紙』とか。……本編より展開速そうだし。


    ……以下は残念に思ったこと。
     今回は、あんまりコルが良いところがない。というか、
    「よし、こうしよう。きっとうまくいくぞ」→「薄明の枢機卿さま、現実が見えておられない」→「そんな……」という展開が10回くらい延々と繰り返され、かなり苦痛だった。物語がさして前進するでもなし。論理で詰まったと思ったら力業、からの取って付けたような狼変化シーン。
     『狼と香辛料』時代でも確か4巻辺りは踊り場的な物語だったと記憶しているが、本シリーズでは1~3巻でアクセルを踏んでいるわけではない。次から面白くなると思って4巻まで読んできたが、そろそろしんどくなってきたというのが正直な感想なのだった。5巻も買うけど。

    0
    2019年03月12日

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