松岡完の作品一覧
「松岡完」の「ケネディという名の神話 なぜ私たちを魅了し続けるのか」「ベトナム戦争 誤算と誤解の戦場」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「松岡完」の「ケネディという名の神話 なぜ私たちを魅了し続けるのか」「ベトナム戦争 誤算と誤解の戦場」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
2005年に読んだ本を20年ぶりに再読。米国vs北ベトナムの戦いだけでなく、異なる6つの戦いが同時進行していたという主題。そのうち以下の第2、第3、第4の戦いが「味方こそが敵」という政治的な戦いでおもしろい。特に第2の戦いでなぜサイゴン陥落後のベトコン=解放民族戦線=臨時革命政府があっさりと北ベトナムに消滅されられたのか、かわいそうというか不思議で気になった。
★第2の戦い-北ベトナムvs南ベトナムの反政府勢力
「ベトナム戦争はハノイの共産主義政権とサイゴンの反共政権との内戦だった。しかし勝利の果実を確実に手にすべく、ハノイが本当に粉砕すべき相手は、むしろ南の味方だったのである」(まえがきvii)
★第3の戦い-北ベトナムvs中国
「一千年に及ぶ中越両国の支配と抵抗の歴史からすれば、むしろハノイの本当の敵は北方の巨大な隣人だった。」(まえがきvii)
★第4の戦い-米国vs南ベトナム
「なるほど戦後言われたように、アメリカは北ベトナムにもベトコンにも一度も負けなかったかもしれない。だがたとえそうでも、南ベトナムとの政治的な戦いにだけは、とうとう勝てなかったのである。」(p152)
全体的に文章のテンポが良くて読みやすい。あと当時言われていたジョークや皮肉をたくさん引用していてわかりやすい。このスタイルは真似してみたい。例えば、
「監獄はむしろ共産主義者を次々と生み出したことから、『ホー・チ・ミン大学』とあだ名された」 (p67)
「昼間は政府の統治が存在しても、夜になると消滅した。戦場を訪れた記者たちはこれを『共同管理』だと皮肉った」 (p180)
「ジョンソン大統領こそ北ベトナムの勝利をめざす最高指揮官だと、米軍パイロットたちは皮肉をいいあった」 (p258)
Posted by ブクログ
初出は2001年だそう。中公新書。著者の専攻はアメリカ中心の国際政治史みたいな感じかと。
「失敗の本質」が面白かったのと同じように、「ベトナム戦争」という物語が、当事者たちの「思惑」と「現実」のずれ、幾多の偶然によって紆余曲折したものだった、という観点がすごくフェアで、一種わくわくしました。
相手があるプロジェクトだし、巨大なプロジェクトだし、誰も一枚岩でもない。お互いに「全然思ったようにいかない」という蛇行の末に、でもなるべきようになったと言うことか。
アメリカにとって、味方(というか傀儡)である南ベトナム政権が、言ってみれば「ほんまに阿保ばかりやった」という苦悩が、巨大な悲劇というのが喜劇でしかない色合いが濃ゆい。