松岡完のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
2005年に読んだ本を20年ぶりに再読。米国vs北ベトナムの戦いだけでなく、異なる6つの戦いが同時進行していたという主題。そのうち以下の第2、第3、第4の戦いが「味方こそが敵」という政治的な戦いでおもしろい。特に第2の戦いでなぜサイゴン陥落後のベトコン=解放民族戦線=臨時革命政府があっさりと北ベトナムに消滅されられたのか、かわいそうというか不思議で気になった。
★第2の戦い-北ベトナムvs南ベトナムの反政府勢力
「ベトナム戦争はハノイの共産主義政権とサイゴンの反共政権との内戦だった。しかし勝利の果実を確実に手にすべく、ハノイが本当に粉砕すべき相手は、むしろ南の味方だったのである」(まえがき -
-
-
Posted by ブクログ
初出は2001年だそう。中公新書。著者の専攻はアメリカ中心の国際政治史みたいな感じかと。
「失敗の本質」が面白かったのと同じように、「ベトナム戦争」という物語が、当事者たちの「思惑」と「現実」のずれ、幾多の偶然によって紆余曲折したものだった、という観点がすごくフェアで、一種わくわくしました。
相手があるプロジェクトだし、巨大なプロジェクトだし、誰も一枚岩でもない。お互いに「全然思ったようにいかない」という蛇行の末に、でもなるべきようになったと言うことか。
アメリカにとって、味方(というか傀儡)である南ベトナム政権が、言ってみれば「ほんまに阿保ばかりやった」という苦悩が、巨大な悲劇というの -
Posted by ブクログ
ベトナム戦争自体の通史的な解説書ではなく、ベトナム戦争によって周辺国にどのような影響があったか、国際情勢はどう動いたかを書いた本であり、戦争自体についての記述はほとんどない。第一次インドシナ紛争からカンボジア内戦までのインドシナ史と主要人物くらいはしっかり把握していないと読み通すことすら難しいだろうと思う。そういう意味で★マイナス1。「我々はなぜ戦争をしたのか(原題:Missed Opportunity)」や「Best and Brightest」のようなベトナム戦争通史がわかる本を先に読んでおいた方がいいでしょう。「南ベトナム解放民族戦線」を「民族解放戦線」と書くなどの安易かつありがちなミス
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
米軍の撤退完了から、三十年が過ぎようとし、ベトナム戦争は忘却の淵に沈みかけている。
ベトナムでもアメリカでも、この戦争を知らない世代が増えてきた。
だが一方で、その実像を明らかにし、両国の誤算と誤解の解明を目指す試みも始まっている。
ベトナムは、「民族の世紀」と「アメリカの世紀」が激突した戦場であり、各地に飛び火する地域紛争の原型だった。
広い視野に立つ精密な記述で、ベトナム戦争の全体像が浮かび上がる。
[ 目次 ]
第1章 米ソ冷戦の狭間で
第2章 解放者から征服者へ
第3章 北方の巨人の影
第4章 破綻する国家建設戦略
第5章 地域創造の論理
第6章 二つの「ネバー・アゲイ -
Posted by ブクログ
ベトナム戦争を6つの視点から解説する。
1 冷戦
2 ベトコンと北ベトナムの主導権争い
3 北京とハノイの戦い
4 ワシントンとサイゴンの戦い
5 アメリカと東南アジア諸国との外交
6 米国内における政府と世論
良い本だった。
一つの歴史的事件はこのように繰り返しいろいろな視点から論述するべきであるといえるし、1945年から1975年までの歴史が繰り返し記述されるのも(毎度毎度日本が負けてフランスが帰ってきて・・・)タイムリープものの読み物として面白かった。
ベトナム戦争に限った話ではないし、考えてみればどんな歴史だって複数の側面を持つのだから、この記述はもっとあっても良いように思う。
-
-
Posted by ブクログ
戦争とは、勝っても負けてもとても悲惨なもので、戦争によって植えつけられた人々の心に残る傷跡は長い間きえることはない。映画のように善人悪人がなくお互いの国同士に言い分があり衝突をして戦争を起こす、しかしそれにより多くの犠牲者が出て、こうしている現在でもたくさん苦しんでいる人がいるということを戦争を起こしてしまった国は決して忘れてはいけない、そして人間は枯葉剤のような非人道的な行為を二度としてはいけないと思った。この戦争により幼くて若い子供たちもたくさん死んでいる、この様なベトナム戦争での悲劇をもう二度と繰り返さないでほしい。この本を読みベトナム戦争がとても過酷でつらい戦争だったということが少し