作品一覧

  • 完璧な夏の日 上
    4.1
    1~2巻1,100円 (税込)
    1932年、突如として世界各地に現われた異能力者たち。ユーバーメンシュ――超人ともヒーローとも呼ばれる彼らは、第二次世界大戦を前に各国の情報機関や軍に徴集され、それぞれの能力を駆使して死闘を繰りひろげた。そして現在。戦時中にイギリスの情報機関に所属していたユーバーメンシュのひとりフォッグは、かつての上司と同僚に呼び出され、過去の回想をはじめる。レニングラード、ノルマンディ、ベルリン、そしてアウシュヴィッツ……やがてかれらは〈完璧な夏の日〉と呼ばれた少女にまつわる、歴史の陰に隠された事件の真相に迫ってゆく。新鋭の世界幻想文学大賞作家が放つ、最先端の“戦争×SF”。ガーディアン紙2013年ベストSF選出作。
  • ロボットの夢の都市
    3.8
    1巻2,600円 (税込)
    太陽系を巻き込んだ大戦争から数百年。宇宙への脱出を夢見て時間膨張爆弾の殻の買い手を探しているジャンク掘りの少年、それ自体がひとつの街のような移動隊商宿で旅をつづける少年、そして砂漠の巨大都市の片隅で古びた見慣れぬロボットと出会った女性。彼らの運命がひとつにより合わさるとき、かつて一夜にしてひとつの都市を滅ぼしたことのある戦闘ロボットが、長い眠りから目覚めて……。世界幻想文学大賞作家が贈る、どこか懐かしい未来の、ふしぎなSF物語。/解説=渡邊利道
  • 黒き微睡みの囚人
    -
    1巻1,320円 (税込)
    私立探偵ウルフ。ドイツで総統になるはずだった男。 作家ショーマー。アウシュヴィッツで総統の夢を見る男。 かつてウルフはドイツで有力な政治家だった。 しかし、“大転落”と呼ばれる政変が起こり、 権力を失った彼は、ロンドンに逃れ私立探偵をしていた。 ユダヤ人嫌いのウルフだが、金のためにユダヤ人女性の行方を探すことになり、 さらに娼婦連続殺人事件にも巻き込まれてしまう。 そして調査を進めるうちにウルフは 元同志たちが暗躍するイギリスの暗部へと足を踏み入れる。 時間と場所を隔てた別の世界。 アウシュヴィッツで、作家が夢を見ていた。 自分から、ユダヤ人から、すべてを奪ったあの男の夢を。 夢の中では男は私立探偵をしていた――。 ひとから想像力を奪うことはできない。 だが、すべてを奪われ想像力だけが残されたとき、それはひとに何をもたらすのか。 ホロコーストを新たな視点で描いた、歴史改変奇想ノワール。
  • 完璧な夏の日(上下合本版)
    -
    1巻2,200円 (税込)
    1932年、突如として世界各地に現われた異能力者たち。ユーバーメンシュ――超人ともヒーローとも呼ばれる彼らは、第二次世界大戦を前に各国の情報機関や軍に徴集され、それぞれの能力を駆使して死闘を繰りひろげた。そして現在。戦時中にイギリスの情報機関に所属していたユーバーメンシュのひとりフォッグは、かつての上司と同僚に呼び出され、過去の回想をはじめる。レニングラード、ノルマンディ、ベルリン、そしてアウシュヴィッツ……やがてかれらは〈完璧な夏の日〉と呼ばれた少女にまつわる、歴史の陰に隠された事件の真相に迫ってゆく。新鋭の世界幻想文学大賞作家が放つ、最先端の“戦争×SF”。ガーディアン紙2013年ベストSF選出作。

ユーザーレビュー

  • ロボットの夢の都市

    Posted by ブクログ

    〈「わたしの話はここで終わります。わたしは地球に帰ってきました。ふり返ってみれば、わたしの人生に語るべきものなどありません。わたしはなにも生み出さなかったし、なにも残していないのですから。それでもわたしは、まだなにかやれるような気がしました。そこで、花を一輪だけ持ってあの砂漠に戻り、穴を掘りはじめたのです」〉

     戦争の後について、ロボットが語り出すシーンが特に好きでした。戦闘用のロボットはそこで何を見たのか。色彩豊かな作り込まれた遠い未来を背景にして綴られる、美しい愛の寓話。遠く、自分のいる場所を求める少年の冒険譚としても楽しむことができました。その世界を私の拙い脳味噌が、しっかりと辿れるこ

    0
    2025年01月09日
  • ロボットの夢の都市

    Posted by ブクログ

    SF仕立てのファンタジー。
    イスラエルの作品だけあって、砂漠が舞台であり中東の紛争が垣間見える。さまざまな登場人物(人間だけでなくロボットもいる)たちが終局に向かって収斂していく様に読み応えがある。自爆兵器や大量破壊兵器が登場人物だったりするのに、なぜかホンワリしたストーリーになっていて微笑ましい。

    0
    2024年06月24日
  • ロボットの夢の都市

    Posted by ブクログ

    久々5つ星。SFとして秀逸且つ、宇宙時代の聖書として読んでもおもしろい。描かれている人間、ロボット、サイボーグ、バーチャル生物などなど、さまざまな由来の存在達が共存する未来社会(第四次世界大戦後だ)のあまりのリアルさに、すんなり納得してしまった(説明したらぶっ飛んでるけど、読んだら納得できるでしょう)。意思を持った(持たされた?)「生命体」たるロボットが、存在する未来に起こり得る予言の書とも言えるかもしれない。イスラエルにルーツを持つ作家さんがこれを書いたというのもなんだか震えるものがある。おすすめ。

    0
    2024年03月20日
  • 完璧な夏の日 上

    Posted by ブクログ

     第二次世界大戦を戦った趙能力者たちのお話。現在と過去が交錯する。「霧」と「忘却」が、ともにいい味を出している。

    0
    2018年08月16日
  • 完璧な夏の日 下

    Posted by ブクログ

    上巻に引き続き、第二次世界大戦におけるユーバーメンシュたちの戦いの様、そして、東西冷戦時代を経て現代にいたるまでの彼らのその後が描かれます。

    上巻の冒頭で、オブリヴィオンがフォッグと会ったのは、彼らの上司オールドマンの元に呼び寄せ、フォッグの戦時中の報告書で語られていなかった事柄について、真相を聞き出すためでした。

    オールドマンの事務室と過去がテンポよく切り替わりながら物語は進みます。
    そして思いがけないエンディング。

    フォッグ、オブリヴィオン、オールドマンのそれぞれが抱える様々な苦悩や願望が絡み合い、ややほろ苦くもありつつ、爽やかな幕切れに大きく息をつきました。

    0
    2015年03月29日

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