ニーアル・ファーガソンの作品一覧
「ニーアル・ファーガソン」の「大惨事(カタストロフィ)の人類史」「キッシンジャー 1923-1968 理想主義者 1」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「ニーアル・ファーガソン」の「大惨事(カタストロフィ)の人類史」「キッシンジャー 1923-1968 理想主義者 1」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
膨大な資料(キッシンジャーから提供された)を基に、英国の歴史家ニーアルファーガソンが描く、キッシンジャーの評伝であります。1960年に発足したケネディ政権が直面したベルリン、キューバ、そしてベトナム等への危機対応が、いかに危ういものだったか、良く判ります。ハルバースタムが名付けた、ベスト&ブライテスト達の失敗も多々垣間見えます(マクナマラ国防長官、マクジョージバンデイ補佐官等)。様々な失敗の積み上げがベトナム戦争の泥沼を惹起する辺り、昨今のトランプ政権によるイラン攻撃の危うさと重なります。当時の危機には、キッシンジャーがいたのですが、今は、誰が居るのか、と、あれこれ想像をめぐらしながら、読み進めております。☆五つであります。
Posted by ブクログ
歴史的な大惨事(カタストロフィ)は予測不能である。これが本書の要点だろう。ほとんどの惨事は正規分布しておらず、ランダムもしくは冪乗分布している。
もちろん、ある程度予測できる出来事(灰色のサイ)もある。また、予想を超えた惨事(ブラックスワン)がある。そして、手のつけられない大惨事(ドラゴンキング)・・。これらを予測することは不可能だ。そしてこれらの災害は、「天災」とも「人災」とも区別がつかず、重層的に絡み合っていることが多い。所謂複雑系であり、完全に防ぐことはもとよりできない。
人類の歴史は、まさにカタストロフィの歴史であったわけだが、我々の未来はどのような展望を描くのか。当然の帰結として、予測不能だということだろう。著者は、せいぜい社会や政治制度がレジリエンスのあるものにすることくらいだ、と述べている。
平和な世の中で過ごしていると、人類の歴史は良い方向に進歩しているような感触を知らず知らずのうちに持ってしまいがちだ。そう思うのは私だけだろうか。本書はそのような考えに一石を投じているように思う。振り返るに、我々の世代もブラックスワン級の災害を経験している。その時の社会を支えている私たちの在り方が、突如現れるカタストロフィに対してもある程度のレジリエンスを持って社会を維持していく鍵になるのだろう。
Posted by ブクログ
数ある経済史や経済人類学の本は多数あったが、これはとても読みやすい本である。最新の「リーマンショック」にも触れつつ、古代の貨幣社会までもを論じている。利子の起源や債券の起源など、保険の起源など具体例を挙げつつ解説する。
我々はマネーを憎みつつも、マネーから離れられない状況に来ていることを痛感した。マネーのない社会を最初に触れているが、即殺し合いの社会になり、男性の六割が戦闘で死に、女性の略奪が横行する社会になるという。そんな世に、もう戻れない。
後半では、著者の市場に対して非常に冷めた目で論じている。それを昨今の金融市場の混乱、ヘッジファンドの抬頭に翻弄される各国政府・・・それに対する処方箋は、すぐに出るものではないようだ。情報に対して人間は必ずしも合理的判断を下すことが出来ず、主観やマジックに踊らされやすい、ということを彼は看破して、本を終えている。
Posted by ブクログ
キッシンジャーの傑作評伝の下巻。舞台となるのは、ハーバード大学の教鞭を取りながら、大富豪ロックフェラーの大統領選の参謀として徐々に政治の世界に足を踏み入れる1958年から。そして下巻の中心となるベトナム戦争の和平工作に足を踏み入れながらも、ジョンソン政権下で結果としてはうまくいかずその営みが徒労に終わるも、ジョンソンに次ぐ大統領に就任したニクソンの元で、 NSA/国家安全保障局の大統領補佐官に就任するところまでが描かれる。
キッシンジャーが問題視したのは、ジョンソン政権下での外交問題が、様々な部局の縦割りで統一的な戦略や意思決定プロセスを経ぬままに迷走していた点である。彼がニクソンの元で政権入りして取り組んだのは、膨大な外交に関するデータの分析手法、大統領への判断の仰ぎ方等の統一的なプロセスに関するシステムを構築することであった。その背景として、実際にどのような迷走がジョンソン政権下で行われていたのかが、この下巻では克明に描かれ、アメリカのベトナム戦争でのゲリラとの戦いが文字通り、底なし沼にはまり込んでしまっているという点を、痛切に理解することができる。
キッシンジャーという稀代の人物を通じて、20世紀の歴史を振り返ることができる一冊。