作品一覧

  • 日本海海戦の深層

    日本海海戦の深層

    小説・文芸

    3.7
    1巻880円 (税込)
    連合艦隊が勝利した最大の要因は軍事技術の合理的で正確な運用にあった。日本は近代砲術の基礎となる「斉射法」を世界に先駆けて用いただけでなく、独自の砲術計算によって精度を高めていったのである。その後の海上決戦の範となった日本海海戦の全貌を検証し再現する。『坂の上の雲』では分からない日本海海戦の真実!
  • 第一次世界大戦はなぜ始まったのか

    第一次世界大戦はなぜ始まったのか

    ビジネス・実用

    3.8
    1巻815円 (税込)
    第一次世界大戦の開戦から100年。戦争とは、自らの意思に関係なく巻き込まれることがある――。オーストリアとセルビアによる「限定戦争」のはずだった戦いは、なぜヨーロッパ文明を破壊するに至る大戦争となったのか。ドイツを軸にした各国の動きを、軍事史の鬼才が存分に描く。尖閣、西沙諸島における中国との緊張、ロシアとウクライナの衝突を目の当たりにした今、第一次大戦の起源を考えることは、日本の外交や安全保障を考えるうえで多くの示唆に富む。集団的自衛権に関する世界史の教訓、最良のテキスト。
  • 誰が太平洋戦争を始めたのか

    誰が太平洋戦争を始めたのか

    ビジネス・実用

    3.6
    1巻726円 (税込)
    戦争を始めるためにはなにが必要か? それは膨大なペーパー・ワークを伴う「戦争計画」に基づいた動員・集中・開進・作戦という兵力の運用である。では、太平洋戦争はどう準備されたのだろうか。支那事変から真珠湾攻撃までの経過を検証し、「縄張り意識」と「無責任」が支配する官僚国家が引き起こした悲劇の内幕に迫る。
  • 旅順攻防戦の真実 乃木司令部は無能ではなかった

    旅順攻防戦の真実

    ビジネス・実用

    4.3
    1巻709円 (税込)
    日露戦争の最終的な勝敗を大きく左右した“旅順要塞”をめぐる激闘――。第三軍司令官として、かつてない予想外の一大消耗戦を指揮した乃木将軍は、その陥落までに夥しい味方の犠牲を払ったことから、歴史的に非難されるケースが多い。だが、その評価は本当に正しいものだろうか?本書は、露土戦争や第一次世界大戦で起こった、ヨーロッパの要塞攻略戦・築城学をふまえながら、旅順攻防戦と乃木希典を再評価していく画期的な一冊。「旅順要塞はブリアルモン式要塞である」「歩兵の突撃だけが要塞を落とせる」「独創的な乃木司令部の突撃壕」「海軍がまた騒ぎはじめた」「重要なのはどこを攻めるかではなく、どれだけ敵を消耗できるか」「軍司令官の評価はどうあるべきか?」など、決戦場となった二〇三高地戦の真の狙いと、その後の戦いに大きな影響を与えた乃木司令部の“革新的戦術”を明らかにする!『「坂の上の雲」では分からない旅順攻防戦』を改題。
  • 技術戦としての第二次世界大戦

    技術戦としての第二次世界大戦

    小説・文芸

    3.8
    1巻709円 (税込)
    戦前の日本軍のイメージとして、「精神主義」「白兵思想」がよく挙げられるが、果たして本当だろうか?技術力を軽視し、「明治に制定された38式歩兵銃をいつまでも使い続けた」という批判は今でも根強いものがある。しかしそれは当時、世界的に見ればごく普通のことで決して日本軍だけの珍しい例ではなく全くの誤解である。本書は、「第二次世界大戦での日本の軍事技術力はいかなるレベルにあったのか?」「戦争の敗因は一体どこにあったのか?」を、“技術戦”という新たな視点で説き明かした白熱の対談だ。戦車・飛行機・大砲・小銃・自動車など陸戦兵器を中心に、その性能や戦略、開発の背景を、主な対戦国である“米英中ソ”の4ヵ国と徹底比較していく。「誤解された38式歩兵銃」「手榴弾を愛した敵軍」「日本製戦車のセンス」「インパール作戦は『悪い見本』か?」など、激戦の意外な真実が見えてくる!『技術戦としての第二次大戦』を改題。

ユーザーレビュー

  • 第一次世界大戦はなぜ始まったのか

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    安定の読みにくさです。この著者の文章はクセが強くて好き嫌いがはっきり分かれると思います。しかし私にとっては読ませる文章なので、別宮本は大抵目を通しています。

    第一次大戦は一見してよくわからない戦争です。サラエボ事件をきっかけにオーストラリアがセルビアに宣戦布告したが、この戦争はあくまで局地戦です。
    しかしその後なぜかロシアが総動員を発令する。セルビアはどの国とも攻守同盟は結んでいないにも関わらず。
    これに対してドイツが反応する。ロシアとともになぜかフランスにも最後通牒を突きつけ、挙句に宣戦布告する。
    しかしドイツ軍の飛び込んだ先はなぜかベルギーで、これになぜかイギリスが反応してドイツに宣戦布告する。
    知らない人から見れば「なぜ?」のオンパレードですが、本書を丁寧に読み解けばおおよその事情がわかってきます。
    はっきり言えることは、サラエボ事件は原因ではなく単なるきっかけに過ぎず、それまでには長い長い布石がいくつもあった、ということです。サラエボ事件だとか同盟、協商間対立など学校で習った説明がいかに薄っぺらいものかがわかるでしょう。

    大戦勃発前夜の各国外交官らの緊迫のやり取りは本書の大きな見所です。同時に当時の在外駐在大使の権限がいかに大きかったがわかります。

    また本書だけでなく、他のWW1本も合わせて読むことをお勧めします。両者が補い合うことが多々あります。個人的にはバーバラ・タックマンの『8月の砲声』がオススメ。

    0
    2017年06月05日
  • 日本海海戦の深層

    Posted by ブクログ

    久しぶりに面白い本読んだ。
    司馬遼太郎の小説が史実と誤解され、乃木希典を筆頭に低い評価しかされない先人の名誉回復と(恐らく)歴史の真実の把握という意味で非常に良い本だと思う。
    小説の主人公の行動を元に戦略論や人生論を語るのは大間違い。要注意。
    2005年の本なので最新というわけではないが、初めて聞く話の連続。連結機雷にマハンと秋山の評価も面白い。関連本を読み直ししなくては。

    0
    2012年03月18日
  • 旅順攻防戦の真実 乃木司令部は無能ではなかった

    Posted by ブクログ

    近代史を知るには、軍事的知識が不可欠であることがよく分かる本。旅順攻防戦は無駄に兵士の命を犠牲にした愚かな戦いだったのか。否、塹壕戦では攻守ともに多大な犠牲を要する。その消耗戦に耐えた方が勝利者となる。 日露戦争と言えば、『坂の上の雲』が最も有名だが、司馬遼太郎の軍事的知識の欠如と思いこみ、乃木希典への私怨のようなものが、戦史の記述をゆがめてしまっている。『坂の上の雲』を読むのなら、本書も読まねばならない。

    0
    2011年01月26日
  • 旅順攻防戦の真実 乃木司令部は無能ではなかった

    Posted by ブクログ

     「乃木無能」論と言ったら、陸軍に恨み骨髄の元戦車兵著すところの国民的名作『坂の上の雲』だけれども、本当か。
     戦争体験のない我々は、戦争を対象化して捉えることが可能になるので、本書辺りを参考に要塞戦の目的とするところは何か、とか、当時の水準は那辺にあるのか、とか、詰まるところ今世紀に入って俄に解放された「戦後イデオロギの呪縛」抜きに考えることができるのである。

    0
    2009年11月03日
  • 旅順攻防戦の真実 乃木司令部は無能ではなかった

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     既に5,6回読んでいますが、再読。

     読めばすぐにわかりますが、本書の目的は司馬遼太郎による乃木評価への論駁です。目的というかそれがすべてと言っていい。
     そのため、ある個所では明確に、ある個所では暗黙裡に司馬遼太郎の言葉(『坂の上の雲』や『殉死』など)を引用して、それに対する反論が述べられます。

     司馬遼太郎に限らず、乃木への批判は旅順戦の当時からありました。戦中は乃木家に批判者が殺到したと聞きます(それがすぐに喝采に変わったという事実は、人間の「無責任さ」をよく表していますが)。
     要塞陥落に1年近くを要したことも朝野に漠然とした敗北感と反感をもたらしたと思います。しかし乃木批判の最たる理由はその損害の規模でしょう。

     旅順攻囲戦における日本軍(海軍を除く)の損害は、戦死者 15,500名、負傷者 44,000名、合計約 59,500名に上りました。日本にこれほどまでの損害を強いた戦闘は過去になく、その数字も恐慌をきたすものでした。
     司馬遼太郎はこれを乃木とその参謀たちの「無能」に帰結させます。しかし著者は司馬氏の誤りを戦闘スキームの進化と絡めて説明します。

     本書を読んでわかるのは、日露戦争、特に旅順戦は様々な意味で戦闘スキームの変遷に真っ先に直面した戦いだったということです。
     両軍ともにボルトアクション小銃が集中的に運用され、機関銃も本格的に運用されました。要塞はそれまでの城塞都市型から独立堡塁を塹壕戦で連絡する近代的な容貌に変化しました。
     これらがどういった結果をもたらすのかを当時正確に予測できた人間は誰もいませんでした。実際に戦った結果分かったのです。それは兵士の大量死でした。

     本書ではこの旅順戦の特質を詳細にわたり解説しています。またその特質の一つ一つにフォーカスした個別事例(プレブナ攻防戦やプルゼミスル攻囲戦、ヴェルダン戦など)を具体的に紹介しているので大変わかりやすいし参考になります。
     また同時に、当時の陸軍参謀本部及び海軍がいかに利己的な主張を行い、乃木第三軍に理不尽な重圧をかけ続けたのかもわかります。

     個人的に、乃木将軍が無能だったかどうかはそれに続く近代戦の様相を見ればすぐに判断がつくと思います。
     第一次世界大戦ではおよそ850万人にのぼる青壮年の生命が失われました。
     ヴェルダン戦では独仏あわせて72万名(!)の死傷者を生み、ソンムの戦いでは英軍の約2万名の生命が「たった1日」で失われました。
     これらの戦闘を指揮したペタンやファルケンハイン、ヘイグは無能どころか当時の各国軍のエリートであり、例外なく有能と評された人物たちでした。
     一方で乃木は旅順戦が「一発本番」でありながら、随所で非凡な判断力を見ています。


     著者は司馬遼太郎の独善的で狭量な物言いが不満だったのでしょう。
     様相が類似する近代戦を参考とするのではなく、ナポレオン時代の築城法や日本戦国時代の戦法を持ち出して乃木を無能と評するのですから「一体どちらが無能か」と指弾したくもなります。

     確かに乃木は損害を軽微にできるほど戦略的に天才ではなかったかもしれません。
     3回におよぶ総攻撃の失敗にうろたえた気配もあり、勇気という点でも疑問が残ります。
     しかし天才でなければ非難されるべきでしょうか。天才とは義務ではありません。
     また自身が責任を負う6万もの将兵が傷つき、倒れる様を目の当たりにしてうろたえない人間が果たしているでしょうか。

     私はどちらが正しいかを評価できる知識も資格もありませんが、本書の著者の方が(司馬氏よりも)乃木という人間やその置かれた立場をよっぽど理解してあげているし、真心がこもっていると感じます。
     著者は冒頭で次のように言います。

    「・・・いずれにせよ、現代日本人はこのような歴史はほとんど忘却した。・・・あるいは、忘却しても構わないかもしれない。だが忘却と軽蔑は別の話である。事実を観察せず、旅順攻防戦を過小なものとみなし、義務に従い勇気を持って戦った将兵を率いた乃木希典を軽蔑することが本当に正しいことなのか、もう一度考えて欲しいと思うのである。」

     私はこれをその通りだと思います。

    0
    2020年08月25日

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