別宮暖朗のレビュー一覧
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ネタバレ安定の読みにくさです。この著者の文章はクセが強くて好き嫌いがはっきり分かれると思います。しかし私にとっては読ませる文章なので、別宮本は大抵目を通しています。
第一次大戦は一見してよくわからない戦争です。サラエボ事件をきっかけにオーストラリアがセルビアに宣戦布告したが、この戦争はあくまで局地戦です。
しかしその後なぜかロシアが総動員を発令する。セルビアはどの国とも攻守同盟は結んでいないにも関わらず。
これに対してドイツが反応する。ロシアとともになぜかフランスにも最後通牒を突きつけ、挙句に宣戦布告する。
しかしドイツ軍の飛び込んだ先はなぜかベルギーで、これになぜかイギリスが反応してドイツに宣戦布 -
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ネタバレ既に5,6回読んでいますが、再読。
読めばすぐにわかりますが、本書の目的は司馬遼太郎による乃木評価への論駁です。目的というかそれがすべてと言っていい。
そのため、ある個所では明確に、ある個所では暗黙裡に司馬遼太郎の言葉(『坂の上の雲』や『殉死』など)を引用して、それに対する反論が述べられます。
司馬遼太郎に限らず、乃木への批判は旅順戦の当時からありました。戦中は乃木家に批判者が殺到したと聞きます(それがすぐに喝采に変わったという事実は、人間の「無責任さ」をよく表していますが)。
要塞陥落に1年近くを要したことも朝野に漠然とした敗北感と反感をもたらしたと思います。しかし乃木批判の最 -
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第一次世界大戦の発端として、サラエボ事件は有名ですが、この一見小さな事件が、なぜあのような大きな戦争を起こしてしまったのか。第一次世界大戦が起こるまでの背景を、その重要な要素であるドイツの歴史的背景からサラエボ事件の詳細、外交官達のやりとりなどを中心に書かれています。
事態は想像以上に複雑で、いちど読んだだけでは分かりにくく、またある程度の前提知識を要求されます。ちょっと難しいです。雰囲気だけでも頑張って読み通せば、この世界大戦は、だれも起こしたくなく、得もしなかった戦争だったのだと、改めて戦争の愚かさを感じずにはいられませんでした。争っている方々に言いたい、外から見たら喜劇ですよと。 -
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ネタバレ誰が始めたのか?それを言ってしまうとミステリの落ちをばらしていしまうようで良心が痛むが、あえて言うなら「犯人」自体に目新しさはない。本書の目新しさは、東条英機というリーダーを輩出しその無責任ぶりが戦後も繰り返し批判される陸軍ではなく、主に海軍の責任を、それも太平洋戦争の開戦という点に絞って批判的に検討している点である。ハワイ作戦という手段に縛られ「何のために戦うのか」という戦争の目的や理念が置き去りにされたという指摘は一理あるといえる。
数多くの歴史家の論を袈裟懸けにして断定的に議論を進める反面、論理の飛躍や見過ごせない矛盾も多い。(たとえば著者は緒戦での首都の炎上程度では国民の士気が阻喪する -
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先の大戦等とも云うけれども、日米戦をどう考えるのかと云うことは、一旦国が滅んだのだから大変重要だと思うのだ。重要なのだが、時期が近いこともあって、歴史として充分に教訓なり未来に向けた改善点なりを見いだす以前に、イデオロギ的に利用され尽くしているようにも思う。
別宮暖朗の論は、軍事学的に見て戦争の開始は動員から始まりこれだけ大きな歯車は動かし出すと止まりにくいのだという見解からスタートしている。その視点は重要で、個人の暴走を防ごうとして構築された「近代的」システムは、その動作に不可逆性を持っている、つまり動き始めた機関車は止められないという現実を充分に言い表していると思う。 -
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「「坂の上の雲」では分からない日本海海戦」というタイトルで出版された本の文庫版です。
ただし、本書がとりあげているのは日本海海戦だけではありません。普墺戦争にともなっておこったリサ海戦や、米西戦争における海戦などに言及し、近代における海戦の発展を叙述したうえで、黄海海戦と日本海海戦における日本の勝利が、どのような歴史的文脈のなかで理解されなければならないのかという問題について考察をおこなっています。
著者は、司馬遼太郎の『坂の上の雲』における叙述が、日本海海戦の真相と異なっていることを指摘し、歴史の真相を明らかにするというスタンスをとっています。ただ著者の司馬に対する批判は、いわゆる「司馬 -
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シンプルな内容
良くも悪くもないという感じでしょうか。第一次世界大戦に向かって進んでいく各国の思惑が分かりやすく記載されています。
ただ、簡潔に記載されている部分が多いだけに、ある程度の予備知識がないと話がボヤける可能性はあるのかもしれません。 -
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帯に開戦論の常識を覆すとあります。歴史には定説があります。太平洋戦争史は、良くも悪くも東京裁判を基準に論じられています。本書を読むと、別の視点から見ることができ、今までと見方が変わる部分もありました。
例えば、一般的に真珠湾攻撃に先立ち開戦通告が遅れたことが問題とされていますが、本書によれば、「そものも国際法規によれば、戦争は自衛でしか開始できず、自衛とは攻撃を受けた場合の反撃である」とあります。この場合、通告の手順といった次元ではなく、前提として戦争開始の要件を満たしていなかったことになります。
本書の見方が正しいのかはわかりませんが、発想の転換が図れるのでお勧めです。 -
Posted by ブクログ
司馬史観に侵されている私にとっては『坂の上の雲』『殉死』を読むかぎり、乃木希助将軍を「無能」「ダメ上司やん」「俺の会社にはいらん」的な印象をずっと持っておりましたが、やはり歴史認識は一方通行では駄目でして、まずは疑ってみる事が大事だと思いこの本書を選択したんですが、確かに筆者さんは軍事・兵法に詳しい方らしく、日露戦争当時の状況から的確に戦況を分析し、乃木将軍の判断は間違ってなかったよ~って説明してます。はい。
んで、当の私は戦況を読めない上に地名も読めず(ルビふってよ、も~)どっちがロスケでどっちがナデシコジャパンなのかワケカメになってしまう時も時々ありましたが、とにかく筆者さんの言うと