柳下毅一郎の作品一覧
「柳下毅一郎」の「クィア」「あなたの知らない映画の世界 皆殺し映画通信 地獄へ行くぞ!」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
魔法や神のあり方を、この世ならざるものの論理(カバラ神秘学?)でロジカルに説明し、それが「芸術」や「創作」、さらには「想像力」の賛歌になっているという。なに、この離れ業。
意外なのは、「セックス、スター、スネイク」の章。邦訳があるアラン・ムーア作品でのセックスって、人の愚かしさの側面を描くことが多かったように思う(ウォッチメンの火星シーンは例外)。こんなストレートなセックス賛歌を書いているとは。プロメテアと「想像力」と「戦争」について語るシーンもすごい。
破天荒なストーリー、宗教的(?)な意匠で飾られた美麗なコマや絵、引用されている元ネタの多様さや密度、どれもすさまじい。「BOOK 1」なので、続きが出るんだよな。楽しみ!
Posted by ブクログ
異形、というと高級感すらあるが、ゲテモノ、見世物芸人、不適応者、エグい、どうしょうもない、といった重層的意味を持たせているはずだ。
(オタク、マニア、といったニュアンスはまだなかったころの小説だ。)
「存在しているだけで稼げる」という素晴らしいアイデアから畸形を作り上げる、という奇矯な家族小説からスタート。
フツウを見下すという価値の顛倒。囲いの中でのマジョリティとマイノリティ。
やがて カリスマへの傾倒が始まる。
躰の歪みだけでなく、家族の兄に対する/フツウのフリークスに対する傾倒という精神の歪み(内面のフリークス)でもある。
ここにおいて話は家族を超えて集団心理を描き出す。
その反面、語り手オリーのうちでは、愛される、から、愛する、へ思考が変容していく。
彼女だけは家族小説を醸成し続けていたのだ。
訪れる悲劇。
時間を経て、移動し続ける生活から、定住生活へ。
最後には娘を思う母、兄を卑小に再現する女から娘を守りたい、という家族小説に、見事着地。
奇想と構成の奇跡的な融合が、この素晴らしい小説を成立させた。