さながら冒険小説である。
化石を発掘していた知られざる女性メアリー・アニングを追いかける。少ない資料から謎が解かれていき、遥か昔のメアリー・アニングが「発掘」されてゆく。
ダーウィンの『進化論』の約200年も前のことと言うから、まだ天地創造が信じられていた頃。
イギリスの片田舎で多くの化石を発掘し
...続きを読む、研究に多大に貢献しビジネスにもしていたメアリー・アニング。しかし階級社会にあって労働者階級に属し、しかも女性であった彼女のことは公的な記録には残されておらず、古生物学界でもあまり知られていなかったという。
その彼女に焦点をあて、彼女を追いかけていったこと自体が「発掘」であり、その筆致は、さながら冒険小説のようにスリリンで、どきどきハラハラする。
いつぞや瀬名秀明さんがこの本のことを語っておられてびっくり。
また、ジブリでも狙っているという話を聞いたことがあるような気がするが、そしてもしそれが本当なら、かなりぴったりな素材ではないかと思うが、はてさてそれはどうだったか。