作品一覧

  • 愛が扉をたたく時
    値引きあり

    愛が扉をたたく時

    小説・文芸

    -
    1巻462円 (税込)
    アパートの一室で、歌手の朱実は自殺した。彼女の突然の死は謎につつまれていた。朱実の死の翌日にその部屋を訪れる人が、朱実のほんとうの恋人なのだと、妹のみどりは言う……。男たちの欲望の渦の中を生きる美しい姉妹と、転向という過去を持つ中年の作家との交渉を描きながら、真実の愛の成り立ち難い戦後の暗さを追求した力作長篇。
  • 如何なる星の下に

    如何なる星の下に

    小説・文芸

    3.3
    1巻1,540円 (税込)
    昭和十三年、自ら浅草に移り住み執筆をはじめた高見順。彼はぐうたらな空気と生存本能が交錯する刺激的な町をこよなく愛した。主人公である作家・倉橋の別れた妻への未練を通奏低音にして、少女に対する淡い「慕情」が謳い上げられるのだった。暗い時代へ突入する昭和初期、浅草に集う人々の一瞬の輝きを切り取り、伊藤整に「天才的」と賞賛された高見順の代表作にして傑作。
  • 今ひとたびの

    今ひとたびの

    小説・文芸

    -
    1巻682円 (税込)
    あらざらん此の世の外の思ひ出に今ひとたびの逢ふこともがな――。 運命的に出逢い、魅かれ、かりそめでない慕情を胸に秘めつつ、左翼運動に破れ投獄、そのひとの結婚、徴兵……うち続く転変の波にさいなまれながらも、ただひたすらそのひとの面影を抱き続け、ついに再会の街頭に立った『私』の瞳に映じるそのひとの姿は……。 美しくもはかない至高の恋愛小説の決定版。 (※本書は2005/1/1に発売し、2022/4/13に電子化をいたしました)
  • 草のいのちを 高見順短篇名作集

    草のいのちを 高見順短篇名作集

    小説・文芸

    4.0
    1巻1,353円 (税込)
    自らの出生の秘密を語る「私生児」、左翼体験の暗部を飄々とした筆致で描く「嗚呼いやなことだ」など戦前4作品と、敗戦後の荒廃からの精神の甦りを高らかに謳い上げる表題作、リベラリズムの内に潜む頽廃を一知識人に戯画化する「あるリベラリスト」など戦後4作品を収める。ユーモア溢れる文体から生まれる批評精神を1冊に凝縮。
  • P+D BOOKS 激流(上)

    激流

    小説・文芸

    -
    1~2巻770~880円 (税込)
    時代の激流にあえて身を投じた兄弟を描く。  日本橋の繊維問屋の家に生まれた永森進一と正二の兄弟。関東大震災、昭和恐慌、満州国建国などを背景に、激動する社会状況を、対照的な兄弟の姿を通じて描く。  成績優秀な進一は、学生時代から社会主義に傾倒し、卒業後は組合活動に没頭。しかし、左翼活動家の取り締まりを強めていた特高警察に捕まってしまい、連日激しい拷問を受ける。やがて起訴保留となり釈放されるが、進一はそのときすでに肺を患っていた。  一方、兄とは違って明るく社交的な正二は、学校を出ると家族らに盛大に見送られて入営。ところが、この連隊では体罰こそなかったものの、「昭和維新」(天皇親政の国家を目指す運動)を標榜する右派の巣窟となっており、正二はやがて日本中を揺るがす大事件に否応なく巻き込まれていく――。  あたかも激流のように社会が激しく変動するなか、ふたりはどこに行きつくのか……。治安維持法違反の疑いで検挙された経験を持つ著者の体験から描かれた魂の長編の前編。
  • 死の淵より

    死の淵より

    小説・文芸

    -
    1巻1,650円 (税込)
    つめたい煉瓦の上に/蔦がのびる/夜の底に/時間が重くつもり/死者の爪がのびる(「死者の爪」)。死と対峙し、死を凝視し、怖れ、反撥し、闘い、絶望の只中で叫ぶ、不屈強靱な作家魂。醜く美しく混沌として、生を結晶させ一瞬に昇華させる。"最後の文士"と謳われた高見順が、食道癌の手術前後病床で記した絶唱63篇。野間文芸賞受賞作。
  • 終戦日記

    終戦日記

    小説・文芸

    -
    1巻559円 (税込)
    自己について、書くべきときが来たようだ。自己を愛するが故に、容赦なく剔抉する。自己のうちの不潔をのこらずさらけ出して、自己を不潔から救う―。 時は太平洋戦争終戦直後の昭和21年。40歳になった作家の血を吐くような声が聞こえてくる。これは「敗戦日記」の続篇といえる、“最後の文士”の生き様の記録である。 (※本書は1992/1/1に文藝春秋より発売された書籍を電子化したものです)
  • 昭和文学盛衰史
    値引きあり

    昭和文学盛衰史

    小説・文芸

    -
    1巻499円 (税込)
    大正文学の終焉から「文学界」創刊を経て太平洋戦争の終結に至るまで、激動の時代を生き抜いた文学者たちのありようを、自らの見聞に基づき、豊富な資料を駆使してヴィヴィッドに描いた文壇回顧録。同人雑誌や同人の名前が細かく記述されるなど、昭和文学史研究の上でも貴重な作品となっている。 (※本書は1987/8/1に発売し、2022/6/9に電子化をいたしました)
  • 生命の樹

    生命の樹

    小説・文芸

    -
    1巻399円 (税込)
    ふとしたことから知り合った銀座のバーの女・由美子との情事。由美子は不思議な魅力を持つ女だが、その私生活にはどこか謎めいたところがあった。「先生、私、顔を切られちゃった」由美子からの電話だった…。親子ほども齢のはなれた女に惑溺する小説家の生命の渇き。透徹した文書で描く高見文学の傑作長篇。(※本書は1990/3/1に発売し、2022/4/13に電子化をいたしました)
  • 敗戦日記

    敗戦日記

    小説・文芸

    4.7
    1巻499円 (税込)
    「書け、病のごとく書け」と、自らを追いつめるほどに創作の意味を問い続けた“最後の文士”高見順が遺した戦中日記。そこには貸本屋「鎌倉文庫」設立の経緯、文学報国会の活動などが詳細に記録されており、戦時下に成し得ることを模索し、文学と格闘した作家の姿がうかがえる。膨大な量の日記から昭和二十年の一年間を抜粋収録。 (※本書は2005/7/26に発売し、2022/4/13に電子化をいたしました)
  • 敗戦日記

    敗戦日記

    小説・文芸

    4.3
    1巻1,540円 (税込)
    “最後の文士”として昭和という時代を見つめ続けた著者の戦時中の記録。昭和二十年の元日から大晦日までを収録。
  • 敗戦日記(新装版)

    敗戦日記(新装版)

    小説・文芸

    4.7
    1巻770円 (税込)
    “最後の文士”高見順が、第二次大戦初期から死の直前まで、秘かに書き続けた精緻な日記は、昭和史の一級資料たるのみならず、日記文学の最高峰の一つとなった。ここに収録されたのは昭和20年1月から12月までの記録で、自己をも押し流しながら破局へと突き進む空襲下の8月までと、すべて価値観が変わってしまった、連合軍の占領下にある年末までの日本の悲劇を、冷徹で仮借ない文学者の目をもって率直に活写した、ハイライトの部分である。
  • P+D BOOKS 故旧忘れ得べき

    P+D BOOKS 故旧忘れ得べき

    小説・文芸

    3.0
    1巻715円 (税込)
    左翼運動後の虚無感を描く転向文学の名作。 「僕なんぞ因循で自分ながら厭になる、英語の本屋に毎日勤めているんだけど、つまらない、つまらないと言いながらいつの間にか年とって死んでゆくのかと、時折考えて、くらーい気持になってしまうんですよ」 ――小関の虚無的な気持、待てよ、それは俺のものでもある、同時に俺たちと同時代の青年の大半が現在陥っている暗さだ――  旧制高校時代、マルキシズムに傾倒していた小関健児と篠原辰也。一方は現在、安月給の雑誌社勤め、もう一方は羽振りのいい金持ちの息子と境遇は大きく違うが、ともに“転向”による虚無感を抱えながら生きていた――。  著者自身の体験に基づいた“転向文学”の傑作で、第1回芥川賞候補作。
  • 都に夜のある如く

    都に夜のある如く

    小説・文芸

    -
    1巻440円 (税込)
    第一回芥川賞候補にもなった、昭和を代表する作家高見順による長編小説。 (※本書は1985/7/1に発売された書籍を電子化したものです)
  • わが胸の底のここには 上

    わが胸の底のここには

    小説・文芸

    -
    1~2巻1,045円 (税込)
    私は己れを語ろうと決意した。憎悪すべき己れの過去を。生きようとする生命の火を、情熱を燃え上がらせるために――。終戦直後から五年に亘り執筆した、著者の代表作ともいえる自伝的長編小説。 (※本書は2015/9/11に発売し、2022/5/17に電子化をいたしました)
  • わが胸の底のここには

    わが胸の底のここには

    小説・文芸

    5.0
    1巻2,090円 (税込)
    私は己れを語ろうと決意した。憎悪すべき己れの過去を。生きようとする生命の火を、情熱を燃え上がらせるために――。終戦直後から五年に亘り執筆した、著者の代表作ともいえる自伝的長編小説を初文庫化。没後50年記念刊行。

ユーザーレビュー

  • 敗戦日記

    Posted by ブクログ

    1945年の日記、高見順は38歳。
    もとは3000枚の分量で、その抜粋650枚。文庫にすると450ページ。(天性の日記魔らしい。前年、徴用で従軍し、ビルマ戦線でジャングルのなかを彷徨した際に、書き溜めた日記を紛失した。「あとがき」では、それを残念がっている。)
    北鎌倉在住。近くに住む小林秀雄、川端康成、久米正雄も頻繁に登場。東京にも頻繁に出かけている。戦況は報道と違って、かなり悪いらしい。そして度重なる空襲。8月に入ると、広島と長崎に「新型爆弾」が落とされたらしい。しかし、詳細は報道されない。
    8月15日を境に、世界は反転。国の言うことも、新聞の記事や論調も、がらりと変わる。まるでそれまでのことを忘れたかのように。喜ぶべきか悲しむべきか。怒るべきか落ち着くべきか。8月後半から9月にかけては、そのコンフリクトとアンビバレンスが書かれている。
    高見順『終戦日記』は本書の続き。明るさがまるで違っている。本書と同時期の日記、山田風太郎『戦中派不戦日記』と読み比べてみるのも一興。

    0
    2026年08月10日
  • 敗戦日記(新装版)

    Posted by ブクログ

     先に読んだ鷲田清一さんのエッセイ「「透明」になんかされるものか」の中の一文で紹介されていたので気になった本です。
     高見順さんが遺した膨大な日記から、敗戦時を含む太平洋戦争最後の年「昭和20年の一年間」を抜粋収録したものとのこと。
     太平洋戦争の戦中・戦後の世相の動静と変化、権力者と民衆の実相、文筆家の在り様等々をリアルタイムで書き留めたとても貴重な記録だと思います。

    0
    2025年10月27日
  • 敗戦日記

    Posted by ブクログ

     先に読んだ鷲田清一さんのエッセイ「「透明」になんかされるものか」の中の一文で紹介されていたので気になった本です。
     高見順さんが遺した膨大な日記から、敗戦時を含む太平洋戦争最後の年「昭和20年の一年間」を抜粋収録したものとのこと。
     太平洋戦争の戦中・戦後の世相の動静と変化、権力者と民衆の実相、文筆家の在り様等々をリアルタイムで書き留めたとても貴重な記録だと思います。

    0
    2025年10月27日
  • わが胸の底のここには

    Posted by ブクログ

    自伝的小説だけれど、どこかでわたしが経験したことが書かれているのでは?と錯覚する。し、錯覚させるために書いたのでは?意図したものでは?とこれまた錯覚する。

    0
    2025年09月21日
  • 敗戦日記

    Posted by ブクログ

    高見順と言えばまず詩だ。そして日記。小説は3番目くらいだと思う。

    小学生時代から56歳癌で亡くなるまで、原稿用紙にして約14,000枚に及ぶ日記を残した。『高見順日記』は正続合わせて全17巻。ものすごい量である。「敗戦日記」は昭和20年1月1日から12月31日までのもので、いちばん有名だろう。文学者が残した敗戦の年の記録として、歴史的な価値も高い。

    2月24日より
    「二兎を追うものは一兎を得ず」
    日記と小説を同時に、――小説曰く「日記扱いは侮辱だ。こっちは仕事で道楽ではない」
    日記曰く「小説扱いは侮辱だ。こっちは、はばかりながら金銭で売られる身ではない」

    4月7日より
    『日記』は事実を書いておく方がいい、と花袋は言っている。(『花袋文話』)「こう思ったとか、ああ思ったということよりも、こういうことをした、ああいうことをしたという行為を書いておく方が『日記』というものの本来の性質にかなっている。自己の後年の追懐のためにする上から言ってもその方が便利だ」/私もそのつもりでいたが、事実だけだと何か味気なく、「こう思ったとか、ああ思ったということ」を書きだした。そこに面白味が出てきたが、先日、日記がさっぱり書けなくなった。その原因は、思うにその「面白味」に対する嫌悪にあったのだから、おかしい。

    7月8日より
    「人間の再建」について考える。
    第一に、自己の問題である。第二に、日本の問題である。第三に、世界の問題である。
    人間の再建は、自己の再建を前提とせねばならぬ。

    いよいよ戦局が押し詰まってきても、高見は鎌倉の自宅から頻繁に東京に出向いている。「文学報国会」のメンバーとして、いわば「出勤」なのだが、それにしてもいつ空襲があるかわからないさなか電車に乗って浅草などに行くというのは、かなり無謀とも思える。また、今考えれば信じられないことだが、そういう中でも営業している「国民酒場」と呼ばれる飲み屋などがあって、行列に並んでお金を払って配給券みたいなのを買い、ビールや冷酒を呑んだりしている(もちろんまともなつまみなどほとんど出ないが)。しかし考えてみれば戦時中だって飲みたくはなる(いや、飲まなきゃやってられない)だろう。こういう記録は、当時の庶民のリアルがわかって貴重である。

    高見は新聞やラジオなどの、大本営による体制べったりの報道に憤りを感じている。しかし、その頃の一般の人たちの本当の心情を垣間見せる記事も稀にはあった。

    7月22日より
    二十二日の投書欄に次のような言葉がある。将に輿論である。「歯の浮く文字▽報道陣や指導者にお願ひがある。「神機来る」「待望の決戦」「鉄壁の要塞」「敵の補給線」等々、何たる我田引水の言であろう。かかる負惜しみは止めてもらいたい。もうこんな表現は見るのも聞くのも嫌だ。俺達はどんな最悪の場合でも動ぜぬ決意をもつて日々やつてゐる。もはや俺達を安心させるやうな(その実反対の効果を生む)言葉は止めてくれ。……」

    運命の日が近づく。

    8月7日より
    原子爆弾をいち早く発明した国が勝利を占める、原子爆弾には絶対に抵抗できないからだ、そういう話はかねて聞いていた。その原子爆弾が遂に出現したというのだ。――衝撃は強烈だった。

    8月10日より
    ソ聯の宣戦は全く寝耳に水だった。情報通は予感していたかもしれないが、私たちは何も知らない。むしろソ聯が仲裁に出てくれることを秘かに心頼みにしていた。誰もそうだった。/(中略)/あんなに戦争終結を望んでいたのに、いざとなると、なんだかポカンとした気持だった。どんなに嬉しいだろうとかねて思っていたのに、別に沸き立つ感情はなかった。

    8月15日より
    駅は、いつもと少しも変わらない。どこかのおかみさんが中学生に向って、「お昼に何か大変な放送があるって話だったが、なんだったの」と尋ねる。中学生は困ったように顔を下に向けて小声で何か言った。「え? え?」とおかみさんは大きな声で聞き返している。

    世の中は激変する。

    9月29日より
    天皇陛下がマッカーサー元帥と並んで立っておられる写真が新聞に載っている。かかる写真はまことに古今未曽有のことである。将来は、なんでもない普通のことになるかもしれないが、今は、――今までの「常識」からすると大変なことである。日本国民は挙げて驚いたことであろう。後世になると、かかる驚きというものは不可解とせられるに至るであろうが、そうして古今未曽有と驚いたということを驚くであろうが、それ故かえって今日の驚きは特筆に値する。

    10月29日より
    英語会話の紙を売っている。紙である。一枚の紙である。パンフレットではない。それで一円くらいの定価だ。こういう紙がいろいろ出ている。至るところで売っている。飛ぶように売れている。

    高見は戦争中、鎌倉在住の川端康成や久米正雄、小林秀雄らとともに、みずからの蔵書を提供して「鎌倉文庫」と呼ばれる貸本業を始めた。それは戦後に出版社へと発展する。「敗戦日記」はこうした活動の詳細も伝えている。高見は常に積極的に何かをなそうとしていた。

    今年(2025年)は敗戦の年から80年であるとともに、高見順の死から60年の節目の年でもある。

    1
    2025年08月14日

新規会員限定 70%OFFクーポン 今すぐGET