小黒康正の作品一覧
「小黒康正」の「トーニオ・クレーガー」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
「小黒康正」の「トーニオ・クレーガー」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
久々の岩波文庫。最近引っ越した家の近くに小さな小さな個人経営の書店があり、岩波文庫も揃えていたので、せっかくだからと薄くて読みやすそうなコイツを読んだ。浅はかな理由だけどしょうがない。
解説で三島由紀夫らが影響を受けたと書かれているあたり、ひと昔前はかなり広く読まれていたのだろうか。芸術家とその対極としての一般市民、そのどちらにもなり切れない自分という、存在の置き場がない不安みたいなものを、芸術を愛する男の青春という切り口で描く物語。
市民社会に疎外感を覚えてしまう少年時代、芸術家になりきれないもどかしさを覚える青年時代、そしてその悩みが昇華されてゆく終盤。そんな物語展開。とりわけ、終
Posted by ブクログ
主人公トーニオの、自己矛盾に起因する愛と孤独を理解するのが難しく、いま一歩踏み込んで読めなかった。
・トーニオはリザヴェータから「迷子になっている市民」と言われたように、市民的なものへの憧れ・愛を捨てきれず、一方では、「愛されるなんて、吐き気を催しながら虚栄心を満足させることだ」などと考え、自分を理解し、愛してくれるマクダレーナ(黒い瞳の少女)には見向きもしなかった。さらには、インゲボルグ(青い瞳の少女)には、好きと言ってほしいなどと思っていて、彼の孤独の複雑さがうかがえる。
・望むような愛情が返ってくることはないと知りつつ、彼は結局、市民への愛情を捨て切れなかった。それでも満足していた?「こ