IT業界に長く身を置いて、ある程度の歳を重ねて来た自身の経験している立場から興味深かった点をあげていく。(エンジニアではありませんが。。。)
・最初はChatGPTを使って授業をハックしていく件である。生成AIは自身の外部脳、拡張脳として使うのが最も有効であるというのが、コンセンサスとなりつつある。
自身を成長させる壁打ち相手という考えである。
プログラムの初心者はどのようにして生成系AIと付き合えばよいかという良い指針となっていると思う。
(○○について教えての回答をコピペするのはNGという事も示唆している。)
・ズブの素人が専門家に成長する過程をトレースすることは非常に難しい。何故ならその道の専門家は子どもの頃から某かに秀でいて、成長譚を丸ごと記録するのは困難である。成長の軌跡を追うのは変数が多すぎる為である。
その点、著者の場合はプログラムって何から始まっているので、成長が追体験できる。また最初のコードなどが残っているので、掛け値なしの成長の記録を見ることができる。(新卒社員に日報を書かせるにも同様の効果を狙ってのことである。暫く後に見直すと成長が実感できる。)
・効率化、怠け者、好きなものに熱中する。
実は企業が最も欲しい人材である。効率化、再現性は必ず組織で必要とされる事である。年長者はそれが分かっているから、今やっている事を続けなさいというアドバイスをしているのだろう。
設計してコーディングして、リリース。はソフトウエアの設計工程である。実地では、コーディングの制約ルールがつく。既存コードの改修する場合、他コードに影響を及ぼさないように且つ制約の中で動かす必要がある。
例えば、反応速度が制約である場合、コード数行の世界でなく、設計から見直す事もままある。ガワは同じでも、構造変更されているという事がより大規模にされていると考えて貰えるといいだろう。テストも品質担保のため、設計と同じ程度されている。
教授から数学や物理学などのススメがそれとなくあるが、勧める理由としてシステムエンジニアに必須だからと言う説明がある。自分の解釈ではそれが基礎原理だからということだというメッセージと捉える。
学習には大きく2パターンあり、習熟パターンの善し悪しはその人の性格によるものが大きい。
・基礎原理→実証→振り返り
・実証→振り返り→基礎原理
どちらを先にしてもいいが、教科書学習が苦手な著者は後者の方が性にあうのだろう。資格試験などで過去問を解いて、後で教科書を見るパターンと同じである。
・周りの年長者が無条件で応援する役割に徹しているのが心地よい。Macブックを「かして」あげたり、就職の世話をしたり、著者の才能に対してそれとなく支援をしている。
(もう使わないので、といってMacブックを貸してあげたり、在宅勤務の企業を推薦したり、就職面接の時のバックを貸したり、著者の負担のないようそれとなく支援をするというのは理想的である)
年長者は若者にバトンを渡すという使命があることを理解しての行動をしているのが痛いほど分かり心地よい
・著者は文章を書くのがうまくないといっているけど、読みやすい文章で、読み物として成立している。心境の部分、事実の前後は成長をみせるため、多少の脚色をしていると思われる。それを含めても限りなくノンフィクションとして成立している。
・個人的に
ASCIIの遠藤さんの名前をこの本で聞くとは思わなかった。週アスはよく購入していたのでインターネット老人会の身としては胸熱である。
最近の若い人はハードウエアとOS、クラウドがゴッチャになっているケースが多いと思っていたが、著者もという事で苦笑。
中大の職員用食堂は利用させてもらったのでイメージ喚起に役立った。
100日チャレンジはキャッチーで良い。自分でもできそうという気にさせる。
別分野で同様のチャレンジをするなどの広がりを感じさせる。次のチャレンジの後押しとなるであろう。