大森時生の作品一覧
「大森時生」の「行方不明展」「恐怖心展」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
開催を知って、見に行きたいと思いつつ終わってしまった「恐怖心展」の、図録のような一冊。
展示そのものに対してはわりとSNSウケ・話題性重視といった認識だったのだけれど、存外かなりよかった。
恐怖を発症するきっかけは様々でありながら、「ひょんなことから」「なにげない画像から」「誰かの一言から」「ささやかな失敗から」、突然のうちに始まってしまうのが興味深かった。
そんなことで?という一件が、以降その人を捕え長く長く苛んでいくことになる。予期不安というか、恐怖症に伴う症状として、自分の体が思い通りにならないこともまた恐怖。
とりわけ、失敗に対する恐怖を抱く人が持ち歩いていたメモと、罪悪に対する恐怖を抱く人が綴ったYouTubeチャンネルの説明文などは鬼気迫るものがあった。
この現代において、実際の意味で命を脅かす恐怖なんてきっと何一つないのだろうとは思う。
それでも恐怖は決して外側にあるとは限らず、自分の心の内から勝手に立ち上ってくる。迫ってくる。逃げられない。想像力ってやつは、本当やっかいだ。
恐怖症を一覧して読んでいると、意外と自分にも当てはまるものが色々あった。
醜形恐怖、対人関係全般の恐怖はあまり他人事ではなく、過去のあれこれがぶわっと蘇ってくるので危なかった。
恐怖心やトラウマ、PTSD、強迫観念についてもっと知りたいけれど、知りすぎて深淵を覗いてしまったらと思うと、いよいよ引き返せなくなりそうな気配を感じて怖い。