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  • 吾妻鏡―鎌倉幕府「正史」の虚実
    4.0
    1巻1,100円 (税込)
    電子版は本文中の写真をすべてカラー写真に差し替えて掲載。 鎌倉幕府草創から中期までの事績を記した『吾妻鏡』。源頼朝挙兵に至る経緯、二代将軍頼家の暗愚、三代執権北条泰時の武勇と仁徳ほか、小説やドラマが描く挿話の多くはこの史料に基づく。幕府の公式記録とも言われるが、史実の錯誤や改変も少なくない。本書では平家追討、奥州合戦、実朝暗殺、承久の乱など主要な合戦や争乱の叙述を、近年の研究も踏まえて検証。「正史」に潜む虚構を洗い出し、隠された意図を明らかにする。

ユーザーレビュー

  • 吾妻鏡―鎌倉幕府「正史」の虚実

    Posted by ブクログ

    歴史とは事実ではなく後世の人々による解釈と創造であることを教えてくれる。
    鎌倉幕府の正史といえる「吾妻鏡」が北条氏を正当化するための虚構が含まれていることを指摘する良著。

    0
    2024年10月12日
  • 吾妻鏡―鎌倉幕府「正史」の虚実

    Posted by ブクログ

    ”はじめに”から抜粋
    『吾妻鏡』を信じずべき「記録」の枠から解放し、事後の視点から振り返って歴史を叙述する一種の「物語」として読み直していきたい。

    なるほど。

    2代将軍頼家の悪王化は当然?として3代実朝も悪王化されているという指摘が興味深かった。
    徳を失った源氏将軍から有徳の泰時~得宗家と言う流れ。

    面白かった!
    先日読んだ同じく中公新書「日ソ戦争」に続いて久々に読んだ新書2冊が大当たり!

    1
    2024年09月24日
  • 吾妻鏡―鎌倉幕府「正史」の虚実

    Posted by ブクログ

    歴史とは、客観的事実ではない。もちろん、客観的事実としての過去がなかったわけではない。しかし、過去は叙述されて初めて歴史となる。そして、叙述にはその主体が必要である。叙述主体の現在から過去が振り返られ、事象が系列化され意味づけられることで、初めて立ち現る構築物。それが歴史である。

    0
    2025年11月02日
  • 吾妻鏡―鎌倉幕府「正史」の虚実

    Posted by ブクログ

    同じ構造で似た内容の話が続くのは、吾妻鏡がそうだからとわかってはいるが、ちょっと満腹感に侵食はされる。けど、ちゃんとテーマは整理したうえでの解析なので、混乱はしない。起承転結的な構成も感じられて、飽きそうで飽きない。

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    2025年09月15日
  • 吾妻鏡―鎌倉幕府「正史」の虚実

    Posted by ブクログ

    著者は1983年生まれ。神戸大文学部•院を出て現在は灘高校•中の国語教諭。歴史家というよりも国語的な書物として吾妻鏡を見ている。面白い。
    吾妻鏡は一見すると“史書”のような体裁をとっているが、あくまでも(誰かにとって)『正しい歴史』を描いた“物語”だ。本書はそのことを、膨大な先行研究を一つ一つ参照しながら一般向けに解説した新書本である。労作だ。読みでがある。

    本書で一貫しているのは、「歴史とは過去の事実の羅列ではなく、事実同士が、あるいは虚構を交えつつ関係付けられ、一定の意味を与えられ、ストーリー性を付加されて初めて歴史になる」という認識に立っている事だ。私達は今、ウクライナで、そしてパレス

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    2025年09月06日

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