吾妻鏡―鎌倉幕府「正史」の虚実

吾妻鏡―鎌倉幕府「正史」の虚実

1,100円 (税込)

5pt

電子版は本文中の写真をすべてカラー写真に差し替えて掲載。
鎌倉幕府草創から中期までの事績を記した『吾妻鏡』。源頼朝挙兵に至る経緯、二代将軍頼家の暗愚、三代執権北条泰時の武勇と仁徳ほか、小説やドラマが描く挿話の多くはこの史料に基づく。幕府の公式記録とも言われるが、史実の錯誤や改変も少なくない。本書では平家追討、奥州合戦、実朝暗殺、承久の乱など主要な合戦や争乱の叙述を、近年の研究も踏まえて検証。「正史」に潜む虚構を洗い出し、隠された意図を明らかにする。

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吾妻鏡―鎌倉幕府「正史」の虚実 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ”はじめに”から抜粋
    『吾妻鏡』を信じずべき「記録」の枠から解放し、事後の視点から振り返って歴史を叙述する一種の「物語」として読み直していきたい。

    なるほど。

    2代将軍頼家の悪王化は当然?として3代実朝も悪王化されているという指摘が興味深かった。
    徳を失った源氏将軍から有徳の泰時~得宗家と言う流

    1
    2024年09月24日

    Posted by ブクログ

    歴史とは事実ではなく後世の人々による解釈と創造であることを教えてくれる。
    鎌倉幕府の正史といえる「吾妻鏡」が北条氏を正当化するための虚構が含まれていることを指摘する良著。

    0
    2024年10月12日

    Posted by ブクログ

    虚実とあったので、興味を持って拝読。知らない研究の最先端結果も書いてあって勉強になった。
    どちらかというと、これまでの先行研究をまとめてくれているという印象だが、素人には勉強になってちょうどよい。
    関心持てたところは、原文なり先行研究を直接読んでもいいかなと思った。

    1
    2024年08月31日

    Posted by ブクログ

    歴史とは、客観的事実ではない。もちろん、客観的事実としての過去がなかったわけではない。しかし、過去は叙述されて初めて歴史となる。そして、叙述にはその主体が必要である。叙述主体の現在から過去が振り返られ、事象が系列化され意味づけられることで、初めて立ち現る構築物。それが歴史である。

    0
    2025年11月02日

    Posted by ブクログ

    同じ構造で似た内容の話が続くのは、吾妻鏡がそうだからとわかってはいるが、ちょっと満腹感に侵食はされる。けど、ちゃんとテーマは整理したうえでの解析なので、混乱はしない。起承転結的な構成も感じられて、飽きそうで飽きない。

    0
    2025年09月15日

    Posted by ブクログ

    著者は1983年生まれ。神戸大文学部•院を出て現在は灘高校•中の国語教諭。歴史家というよりも国語的な書物として吾妻鏡を見ている。面白い。
    吾妻鏡は一見すると“史書”のような体裁をとっているが、あくまでも(誰かにとって)『正しい歴史』を描いた“物語”だ。本書はそのことを、膨大な先行研究を一つ一つ参照し

    0
    2025年09月06日

    Posted by ブクログ

    鎌倉幕府による正史・吾妻鏡について、歴史学の成果を元に記述の虚実を示すと共に、その成立過程や時代背景が分析される一冊。物語としての構成論や、一つの歴史観が形成される様相などが興味深かった。

    0
    2024年12月09日

    Posted by ブクログ

    鎌倉幕府草創から中期までの事績を記し、従来、鎌倉時代史の根本史料とされるとともに鎌倉時代を描く小説やドラマの種本とされ、鎌倉幕府の「正史」とも言われる『吾妻鏡』について、頼朝挙兵、平家追討、奥州合戦、比企氏の乱、和田合戦、実朝暗殺、承久の乱、宝治合戦という合戦を中心としたトピックを取り上げ、歴史学の

    0
    2024年12月07日

    Posted by ブクログ

    鎌倉時代にはあまり興味がなかったのですが。この本で吾妻鏡は面白いと教えてもらいました。読みながら「賢者は歴史に学ぶ」が頭をよぎり、「歴史は勝者によって描かれる」ことを再認識しながら、「盛らない話はつまらない」と腑に落ちました。つまらない歴史ストーリーは語り継がれず残らない…敗者の歴史も残らない…偏っ

    0
    2024年11月11日

    Posted by ブクログ

    「歴史とは過去の事実の羅列ではない。事実同士があるいは虚構を交えつつ関係づけられ、一定の意味を与えられ、ストーリー性を付与されて初めて歴史となる」

    論争の絶えないテーマであるが、研究室の片隅で認定される事実だけが歴史であるなら、それにどれほどの意味があるのだろうとの疑問も拭えない。本書では非常に成

    0
    2024年11月06日

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