豊永浩平の作品一覧
「豊永浩平」の「月ぬ走いや、馬ぬ走い」「はくしむるち」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「豊永浩平」の「月ぬ走いや、馬ぬ走い」「はくしむるち」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
すごかった。素晴らしかった。
ユニークで新しい読み口の語りに興奮しながら、ハンガン(少年がくる)、トニ・モリスン(Beloved) 、宮藤官九郎 などが頭に浮かんだ。
そして何より、小説の声の遠慮や制御のなさに胸がすく思いがあった。当事者が自分の声で、自分たちの目線で、自分たちの語りを全開のパワーで訴えかけてくるところに、そうしていいんだ、そうできるんだ、声を出すべきなんだと何か勇気づけられるような気がした。あまりにも今のニュースや新聞は大きなもの、中心に居座っているものの声だけを主流として流すばかりだから。
80年前のシーンに読者を引き摺り込む文章はハンガンの「少年がくる」のようである
Posted by ブクログ
現代小説と時代小説の狭間にいるような、不思議な読み味の本。
戦後の沖縄から現代の沖縄を、14人の視点を通して覗き見ていく話なのだけど、読者の共感や理解を促したり読み手の快感作るような分かりやすい構成や演出をしない、その剥き出しな感じが個人的にすごく好きでした。
正直よく分からない部分も沢山あるし、読みづらい。けれど、「その人(登場人物)が見て感じた記憶をそのまま差し出す」というような荒っぽさや(物語としての)違和感、読み手に易しくない描写や展開が、それぞれの記憶の断片をこちらにリアルに感じ取らせてくれたように思う。過去にあった出来事や、歴史として語られる話の奥にあるのは、その時間を生きた人たち
Posted by ブクログ
タイトル「はくしむるち」がまったく覚えられないまま読み始めた。
90才前後のおじーを媒介にした物語だ。むるちとは、この小説内で「大蛇」として使用される。嵐のように圧倒的で、暴力装置そのものだ。紙漉きをしたばかりの白紙のようなまっさらな若者たちが、そのむるちに、いまも巻き込まれ続けている。
若かりしおじーが戦地としての沖縄で過ごしたころの暴力。現在に生きる主人公の大叔父として、いまの沖縄にこびりついた暴力を観測する視線。土地そのものに、暴力の記憶が染みついている。
おじーがまだ生きているうちの話であるという設定が、これを書かせたのだと思う。いまでなければ嘘になってしまう、虚構になってしまう
Posted by ブクログ
「なーら白紙むるちぬわらばー」は琉球方言で「まだ白紙もどきの子ども」という意味。なかなかタイトルが覚えられなかったんだけど、意味がわかったから忘れなくなった。
最近歌舞伎を見ながら感じた、同じ日本語だから、まったく意味がわからないわけではない、でもすべてを言葉のまま理解することは難しいって感覚が、読んでいる最中に似ていた。
この若さでこれを書けるの凄い才能すぎる。太字とひらがなの使い方が独特。なんでこの単語をわざわざひらくんだろう?って箇所がままある。
以前ドラマ「フェンス」を見たときに、沖縄にはいろんな立場の人がいるから、それぞれを尊重するために、各々の環境や考えをわざとぼかして言語化